④インバウンドだけでは足りない?|47都道府県を旅して考えた、地方を元気にする観光戦略
こちらはシリーズ第4回の記事です。
全国47都道府県を巡る旅の中で、強く印象に残ったことのひとつが、「活気のある都市」と「寂しさの残る街」の差でした。
最近よく聞く“都市の一極集中”や“地方の衰退”という言葉が、ただの社会問題ではなく、目に見えるかたちで存在している──そんな感覚を、旅を通じて肌で感じました。
■ なぜ一部の都市だけが「インバウンド」で活気づいているのか
まず目についたのは、インバウンドの観光客をうまく取り込んでいる都市のにぎわいです。
札幌、京都、大阪、福岡といった政令指定都市はもちろん、小樽、静岡、奈良、愛媛、長崎、熊本などでも、人通りが多く、観光施設だけでなく飲食店や商業施設にも活気がありました。

歩いていて「この町は元気だな」と感じる場所には、決まって外国語の案内板があり、観光客を受け入れる態勢が整っていました。空港や港が近く、飛行機、新幹線、フェリーなどのアクセスが良い都市は、やはり観光に強いのだと思います。
■ 観光資源があっても閑散としている地方都市の「リアル」
その一方で、観光客はおろか、地元の人の姿も少ないと感じる都市も少なくありませんでした。
青森、秋田、岩手、高知、徳島、岡山、宮崎などでは、日中でも人通りがまばらで、夜になれば駅前でもひっそりと静まり返っていました。
延岡市を訪れたときには、商店街がまるごとシャッターを閉じていて、通りの先まで見渡せるほど人影がありませんでした。あまりの静けさに、かえって不安を覚えるほどだったのを覚えています。
四国お遍路の道中で歩いた徳島や高知では、廃校になった学校、営業をやめたスーパー、傾きかけたアパートが次々と目に入り、「かつてここには人がいた」という痕跡ばかりが印象に残りました。

■ 地方に必要なのは「魅力」ではなく、「伝える手段」と「仕組み」だった
ただ、こうした街にも、魅力がないわけでは決してありません。
郷土料理だっておいしいし、自然も豊かで、歴史ある神社仏閣や温泉などの観光資源もきちんと存在しています。
けれど、それらが“知られていない”“辿り着きにくい”というだけで、旅先としての選択肢から外れてしまっている──そんなもどかしさを感じました。
とくに大きいのは、やはり交通の便です。
高速道路がなかったり、空港や駅が市街地から遠かったり。移動に時間やお金がかかると、どんなに魅力的な街でも「行きづらい」という理由だけで選ばれなくなってしまうのが現実です。
■ 地方の観光を阻む「交通インフラ」という大きな壁
東京から北海道まで車で縦断したことがありますが、東北地方を走っているときに感じたのは、圧倒的な“広さ”でした。
建物が少なく、景色の変化も少なく、ただまっすぐな道が続く時間。これはこれで日本の美しい一面ではあるのですが、観光地としては「移動が退屈に感じられてしまう」という難しさもあるように思います。
都市がコンパクトにまとまっているかどうか──この要素も、旅先としての印象を大きく左右するのかもしれません。
■ すべての地域が輝く「地方創生」の未来を願って
地方都市の多くは、「魅力が足りない」のではなく、「伝える手段」や「訪れる仕組み」が足りないだけなのだと思います。
せっかく全国にすばらしい場所があるのだから、日本人も、外国人も、もっと気軽に旅行できるようなインフラやサービスが整っていけば、きっと多くの街が再び息を吹き返すはずです。
そんな日が少しずつでも近づいてくれたら──全国を巡った旅のあとに、心からそう願っています。
以上、お読みいただきありがとうございました。
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