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恋の誤配送【風まかせ文芸部】

俺は数日間必死で告白の準備してた。
シャツのシワ伸ばして、言葉を何度も頭で反芻して、胸の高鳴りを必死で押さえて……もう汗だく。  
「君に……愛を!」  
ところが、意気揚々と箱を開けたら、ロマンチックな真紅のバラじゃなくて、白と黄色の菊。  
白は冷たく、黄色は元気すぎる。
彼女は息をのんで、「え…仏花?」  
俺は頭が真っ白になる。
「ち、違うんだ!いや、その…」
彼女は眉をひそめ、こっちを見る。
――どうしよう、葬式演出になっちゃった…

そこに玄関チャイム。
花屋が颯爽と登場。すらっと背が高く、笑顔がやたら爽やかで眩しい。
「すみません!誤配送でした」
箱の中には、真紅のバラが整然と並んでいる。
花屋は軽く頭を下げ、柔らかな声で言った。
「バラは正直なんです。似合う人のところへ行きたがるんですよ」
そう言って、彼女の手にバラを一輪渡す。
「きっと、この子たちはあなたに会いたかったんですね」
彼女は頬を赤らめ、視線を落とす。
――ちょ、ちょっと待て!俺の立場は!?
焦る俺を尻目に、彼女は小さく「ありがとう」と微笑む。
菊を抱え、呆然と立ちながらも、心の中でツッコミ続ける。
――うわあ、完敗だ……いや、菊のせいだ、絶対そうだ!
濃厚な菊の香りと真紅のバラの間で、三人の距離が微妙に狂い始める。
もう、花屋、ずるいだろ!

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