「それって介護職の仕事だよね?」― 職域の壁に、気持ちが折れそうになった日 ―
老健で働いていると、
介護士・看護師・リハ職・相談員・栄養課など、
本当にさまざまな職種と関わる。
その分、日々のやりとりには調整も必要で、
うまく回れば“チームケア”として大きな力になるけれど、
ちょっとした温度差が、驚くほどのストレスにもなる。
◆ 鳴り響くコールに、看護師は動かない
ある日勤のフロア勤務中。
入居者からのナースコールが鳴った。
僕は洗面介助中。
すぐには動けない状況だった。
でも、同じフロアには看護師がいた。
それでも、その人は一切動かない。
コールが鳴り続ける中で、
僕はあわてて手を止めて、濡れた手のまま対応に向かった。
「……なんで?」
その時、心の中で確かに、そう呟いていた。
◆ 「それは介護職の仕事でしょ?」
あとでその看護師にそれとなく尋ねてみた。
「あのとき、〇〇さんのコール鳴ってましたよね…?」
返ってきたのは、こうだった。
「え? でもそれ、介護職の対応じゃない?」
その一言に、
怒りとも、虚しさとも言えない気持ちが込み上げた。
「じゃあ、二人でフロア見てる意味って何?」
「利用者にとって“誰が担当か”なんて関係ある?」
……なんで、介護職ばかりが走るんだろう。
◆ 以前も書いたけれど、老健って“多職種連携”の場じゃないの?
これは以前のnoteにも書いたことだけど、
老健は、多職種で連携することが大前提の場所。
それぞれが役割を持ちつつも、
“今、誰が動くべきか”を判断する柔軟さが問われる現場だ。
でも現実には…
「これは看護」
「これは介護」
と、線を引きたがる人がいる。
その境界線に、たびたび気持ちが折れそうになる。
◆ 介護職が“やってしまう”から、甘えられているのか?
僕たち介護職は、コールが鳴れば反射的に動く。
汚物処理も、急な転倒も、夜中の対応も、
気づけば“なんでも対応する”ことが日常になっている。
だからこそ、他職種から見れば、
「やってくれるから任せておこう」となるのかもしれない。
でも、それが連携の放棄になってしまっているのなら、
どこかで変えたい…何とかならないのか…と気持ちばかり募る。
◆ 看護師の言い分:記録、配薬、医療管理…
あとで冷静になって、
別の看護師と話をする機会があった。
その人は、こう言っていた。
「介護の人から見ると、私たちが“動かない”ように見えるかもしれないけど…」
「実際は、配薬ミスが出ないよう集中していたり、記録が追いつかなくて必死な時もあるんです」
たしかに、看護師には看護師の“時間の重さ”がある。
配薬一つ間違えれば命に関わるし、記録漏れは医師や家族との信頼にも直結する。
その看護師が、コール対応よりも先に記録を優先していたのだとしたら――
それはそれで、正しい判断だったのかもしれない。
◆ 「見えていない時間」がすれ違いを生む
介護職から見えているのは「利用者対応の最前線」。
一方で看護師からすれば、「裏方の責任ある業務」が山積しているのも
事実。
つまり、互いに“見えていない時間”が多すぎるのかもしれない。
自分が何に追われているのか、
相手が今、何を優先しているのか――
そこに少しの共有や対話があれば、
あのコールひとつで、あんなにイライラすることも
なかったのかもしれない。
🧩今日のちょい足し
「やってくれない」ではなく「どうして今できなかったのか?」
そこに目を向けると、職種の違いが“壁”じゃなく、“役割”に変わる。
💬あなたの職場では、介護と看護の“温度差”どう乗り越えていますか?
体験や工夫があれば、コメント欄でぜひシェアしてください。
── まっきゅ
