見出し画像

「現場は変わらないと思っていた」 第7話人は、中身で変わる。

気がつけば、最初に抱いていた印象はもうなくなっていた。
「地味なショートの新人監督。」
そんなふうに見ていたことが、自分でも嘘みたいだった。
不思議なもので、人って中身を知ると見え方まで変わる。
いつの間にか、陽菜は可愛く見えるようになっていた。
だからといって恋愛感情というわけじゃない。
ただ、一緒に仕事をして、話をして、人柄を知るほどに、魅力のある子だなと思うようになっていた。
相変わらず、よく話もした。
そして、また何気なくプライベートの話になった。
「そういえば、婚約したんだよな。その後はどうなんだ?」
すると、陽菜はいつもの満面の笑顔で、
「来月、籍を入れます!」
「……えっ!?」
またか。
本当に、この子は話すたびに驚かせてくる。
「( ̄□ ̄;)!!」
最初は毎回びっくりしていた。
でも、この頃にはもう思っていた。
「ああ、これが陽菜なんだな。」
そう思うと、不思議と笑えてきた。    
そしてそんな話を聞いたら、何かお祝いをしてやりたくなった。

「じゃあ、結婚祝いに飯でも行くか。」

そんな一言からだった。

特別な意味なんてない。

毎日一緒に仕事をしてきた仲間が結婚する。

それが素直に嬉しかった。

陽菜も、

「本当ですか!ありがとうございます!」

と、いつもの笑顔で喜んでくれた。

こうして俺たちは、結婚祝いを兼ねて食事に行くことになった。


関連記事



いいなと思ったら応援しよう!

rm0618 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。現場で長く学んできたことを、飾らず正直に書いています。「読んでよかった」「また読みたい」と思っていただけたら、応援していただけると励みになります