掌編「手と目」#540

 大丈夫ですか? が怒りのニュアンスを持ち得ることを、今初めて知った。慌てて邪念を振り払って正面に向き直るが、慌てた時点で旗色は悪い。
「もういいです。今みたいな可愛い子に教えてもらった方が、勉強も捗るんじゃないですか」
 いや、とぼくはペンを握り直す。
「違くて」
「手が止まっていたみたいですけどね」
「手は止まってないよ」
 言下に否定する。彼女の視線が冷たい。
「目は、ちょっと留まったけど」

おわり


振り返りのコーナー(#539)

割と、もっと伸びていいと思ってます。ぜひぜひ。ほんと15秒で読める。

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