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TOEFLとの戦い #2 決着編

おはようございます。今日は早朝ランニングは休憩にしました。

前回のnoteでは、大学生時代にアメリカ留学を目指していた著者が、TOEFLを受験した様子について書きました。今回はその決着編ということで書いていきたいと思います。最後にまとめもありますので、 TOEFL受験に悩む方や、英語のテストでなかなか結果が出ない方も、ぜひ読んでいただければ幸いです。

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TOEFL CBT 目標 - 230点  (期限 - 8月)

1回目 3月 - 173点
2回目 4月 - 183点
3回目 6月 - 193点

6月に受験した3回目のTOEFLのスコアが自宅に届き、スコアは193点。前回から2ヵ月勉強を重ねたけれどもスコアは10点しか上がらなかった。今後仮に10点ずつ上がったとしても、230点までに何回受けなければいけないかと計算するだけでやる気がなくなった。

外国語学部で英米学科という、いわゆる将来的に英語を使って仕事をしたいと思う人が集う学部に通っていたのにも関わらず、外部のテストでこういった評価をされると、英語力だけではなく全てを否定されているような気持ちになった。しかし、留学への思いは諦められず、必死に最善と思う学習方法を色々と試した。

もともと目指していた230点は程遠いということで、今あるスコアで行ける大学はないかというところも視野に入れ始めたが、仕方なく7月のTOEFLの予約をする。大学の授業とTOEFLの勉強の間にねじこむ時給800円のバイトを繰り返しては、バイト代の大半はTOEFLに一気に吸い込まれると思うと、なんとも言えなかった。

4回目の戦いは7月。一人で名古屋駅から新幹線に乗り、中津のテストセンターに向かった。(2回目までは友人と参戦。友人は2回で終了。) いつものようにテストセンターのコンピューターの前で4時間格闘した。最後に画面に出された予想のスコアレンジは「183-213」だった。目指していた230点には全く届いていなかった。

もはやいつものカレーも食べる気力もなく、近鉄電車で名古屋に帰る。(3回目の受験後には、難波の美味しいカレーを食べてから帰っていた。) 自宅に届いた結果は193点で、なんと3回目と同じ。どうしたら良いのかと本当に考えた。

崖っぷちになり、アルバイトも大学2年生の夏のイベントもなるべくキャンセルし、7/25から8/24は自分の持っている時間の最大限をTOEFLの点数を上げるために使うと決心し、好きな映画を丸暗記し (例えばこちら)、単語帳も覚え、毎日一人で黙々とエッセーを書く練習を行う。(そう思うと今は本当に多くの学習方法があると思う。)

TOEFLによく出題されると言われていた単語は、全く関心がない単語も多く、リーディングも「積乱雲はどうやってできるのか」「キノコの菌について」「中国大陸の砂はどこまで飛んで行くのか」等、全く関心のないものも仕方なく取り組んだ。いわゆるテストの攻略本と言われるものも読み漁り、TOEFLで点数を取るためだけのスキルについても読んだ。

TOEFL受験5回目の最終決戦は8月24日。中津センタービルには何があっても二度と行かないと心に決め、名古屋駅で新幹線に乗る。ここで点数が取れなれば、自分には先天的に能力がないか、英語という言語を学ぶことが向いていないと思うしかないと開き直り、全力で4時間取り組んだ。過去に4回も受けていたので、もはや感触についてはあまり当てにしていなかった。

テストを終えてコンピューター画面にスコアレンジが出た。いつもと違った。


「203-233」


「ふー」と息を吐いた。その際に点数は確定はしていなかったが、今までに見たことがない高い数字が出たことが本当に嬉しかった。今日はカレーを食べようと軽快な気持ちで難波に向かった。

数週間後に点数が届き、目標の230点は到達しなかったが、223点という結果が出た。嬉しかったのもあるが安心した。ただ、確かに時間は使ったけれども、4回目から30点も英語力が上がったという感覚はなかった。交通費と受験料を計算するのが嫌なくらい資金を投資したが、とりあえずTOEFLとの戦いはこれで終わった。

目標: 230点

受験結果
1回目 3月 - 173点
2回目 4月 - 183点
3回目 6月 - 193点
4回目 7月 - 193点
5回目 8月 - 223点

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ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。

ここでお伝えしたかったのは、TOEFLの点数がたまたま上がったことや、勉強方法が何だったかということではなく、TOEFLが恐怖的なゴールとして君臨して、簡単に点数が取れないテストで学習者にショックを与えるというモチベーションの使い方や、学習の向かわせ方に、私は賛同できないということです。こういう刺激をバネにされたりするのが得意な方もいるかもしれませんが、当時の私にとってTOEFLは、留学の前に立ちはだかる脅威の何物でもありませんでした。自分の英語力を測るためだけの意味であれば良いのですが、このスコアによって留学ができるかどうかが決まる、という人生を左右させるTOEFLは恐怖でした。繰り返されたTOEFL受験のプロセスで、TOEFLではなくて英語学習そのものに対して、再起不能の可能性も十分にあり得たからです。

TOEFLを含めたStandardizedテスト (TOEFL, IELTS等) の妥当性と提案について、Southampton UniversityのJennifer Jenkins教授とKings Collage のConstant Leung 教授の論文の序章で以下のように述べられています。

"Our focus is on standardization in respect of one particular kind of language assessment: English language testing for university entry.  We chose this because of its overriding gatekeeping function in preventing many candidates from achieving university entry, thus blighting their career prospects and potentially damaging their entire lives on the basis of test scores that are premised on a set of standardized expectations and norms whose claims to validity and relevance have been questioned. More specifically, our general reference points in this discussion are large-scale internationally marketed products such as IELTS (International English Language Testing System) and TOEFL (Test of English as a Foreign Language), the tests currently used by more universities globally than any other to determine which students they will and will not accept. Having said this, we believe at least some of our points may have relevance to English language testing for other purposes" (p. 86)

大学入学の入り口としての標準テストの意義、そのテストが何に基づいて評価されているのか、ノンネイティブの英語をネイティブと言われる人との英語と比べていかに近いかを測っているのか、どうするべきかという具体的な提案をデータを元にお話されています。

外部テストはあくまで、たくさんある評価方法の一つの「定規」であり、英語学習者の能力の一部を測るものでしかないと私は考えています。こういったテストで測れない能力はたくさんあります。この後、私はなんとかアメリカに留学できたのですが、その後で留学中にアメリカで友人や先生からもTOEFLの点数を聞かれたことは一回もありませんでした。学ぶとは何か、教えるとは何かという論文に基づいたお話、評価のお話も今後書いていきたいと思います。

英語の学習法は多様になり、多くの選択肢があることは本当にチャンスだと思います。ただ、英語を学んで何を目指しているのかというところや、英語を使っている人は実際に何をしているのかを知らない状態で学習を始めると、道に迷って諦めてしまう可能性が十分にあると思っています。少なくともTOEFL, TOEICを含めた外部テストは英語学習のゴールではありません。これまでのnoteで、英語学習のゴールはどこにあるのか、という話や実際に英語はどこで必要になるのか、という記事をシェアさせていただいた原点はここにあると考えています。

もしかすると、私が学習に関する効率が悪かっただけかもしれませんが、少なくともTOEFLで苦しんでいる人の支えになれば幸いです。

References
Jenkins, J. & Leung, C. (2019). From mythical ’standard’ to standard reality: The need for alternatives to standardized English language tests, Language Teaching. 52 (1), 86-110.

McNamara, T. (2011). Managing learning: Authority and language assessment. Language Teaching. 44(4), 500-515.

McNamara, T. (2017). A challenge for language testing: The assessment of English as a lingua franca. Address given at Department of Education, University of Oxford, 11 December 2017.

Takagishi, R. (2019). English proficiency requirement for IT Engineers in Japan: Expectation and Reality. Conference presentation at the 17th Asia TEFL & The 6th FLLT International Conference 2019, Bangkok.

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