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「怒ってるの?」と言われてすれ違いに気づいた日の話

「怒ってるの?」

そう言われて、すぐに言葉が出なかった。

きっかけは、パートナーから「ちょっと相談したいことがある」と言われたことだった。
なんとなく、言われることはわかっていた。

「最近、言い方が怒ってるように聞こえるときがある」

そう伝えられた。正直に言うと自覚もある。
ただ、「今に始まったことでもないのでは?」という感覚もあった。

たとえば、「お風呂どうする?先入る?」と聞かれたときに、
「自分のタイミングでやるから」と返したこと。

あるいは、同じことを聞き返されたときに、少し強い口調で返してしまったこと。

どちらも、自覚はあった。
ただ、自分の中ではこれらに理由がある。

ひとつは、「決めていることを、あらためて聞かれる」こと。

私は、頭の中でその日の流れをなんとなく組み立てていることが多い。
「今日はこれをやって、帰ったらこれして、お風呂入って…」みたいに、大枠の順番だけがある感じ。

だから、お風呂に入ること自体はもう決めている。

その状態で「先入る?」と聞かれると、「いや、入るけど。自分のタイミングでやるし」と思ってしまう。
わざわざ聞かなくてもいいことを聞かれているような感覚。

もうひとつは、「同じことをもう一度聞かれる」こと。

これに対しては、自分でも驚くくらい強いイラ立ちが出る。

「今言ったじゃん」と思ってしまうし、その感情は自覚しているが、意識してもなかなか抑えられない。

だから、自分の中では「理由がある反応」だった。
でも、その理由は、相手には伝わっていなかった。

お風呂の件で言えば、私は「自分の中で決めていただけ」で、それを共有していなかった。

相手からすれば、ただ聞いただけなのに、急に突き放されたように感じても無理はない。

そこに気づいてから、「◯時になったら入る」と伝えるようにした。
パートナーも、「質問じゃなくて“先に入るね”って言うようにしてみる」と言ってくれた。

ちょっとした言い方の違いだけど、こういう細かいすり合わせひとつで、無駄にイライラしたり、嫌な気持ちにならずに済むことがある。

そういう小さな調整の積み重ねが、一緒に暮らすうえでは意外と大きい。

ただ、もうひとつの方は、まだうまくいっていない。

聞き返されることへのイラ立ち。

これは、相手が「聞こえてはいるけど、言葉として理解するのが難しい」という背景を持っていることと関係している。

頭ではわかっている。
努力でどうにかなるものではないことも、理解している。

それでも、自分に余裕がないときには、そのやり取りに引っかかってしまう。

相手も、聞き返さないようにしようとする。
でも、それが難しいことも分かっている。

だから、きれいに解決はしていない。
それでも、話すことはやめていない。

どうしたらお互いにとって楽になるか。
どうしたら、この家が安心できて、居心地のいい場所でいられるか。

そのことを、何度でも話すようにしている。

正直に言えば、うまくいかないことはたくさんある。
すれ違うこともあるし、疲れることもゼロじゃない。

それでも、一緒にいる。

出勤時間は私の方が早いのに、パートナーはそれより先に起きて、朝ごはんを用意してくれる。
お弁当を作るのが面倒だとこぼすと、いつの間にか作ってくれる。
家を出るときには、わざわざ洗面所から顔を出して「いってらっしゃい」と見送ってくれる。

あいさつをすること。
ありがとうを伝えること。
ちゃんと話を聞くこと。

関係が続いていく中で、つい省略してしまいがちなこと。
でも本当は、そういうことの積み重ねの方がずっと大事なのかもしれない。

うまくいかない部分があることと、一緒にいたいと思う気持ちは、同時に存在できる。

そのことを、私はこの関係の中で何度も実感している。

「ただいま」
「おかえり。ご飯できてるよ」

うまくいかない日もあるし、同じことでまた引っかかる日も、きっとこれからもある。

それでも、そのたびに話して、少しずつすり合わせていく。

こういう何気ないやり取りを重ねて、私たちはこれからも暮らしていくのだと思う。



あのとき、うまく言葉にできなかった違和感の続き…
「好きなら、結婚にこだわらなくてもよくない?」と言われたときの話