【Lil Fovnt #27】白紙だからこそ見えるもの・2 −失態−
今回は、以前、少し書いた仕事の話(失敗)の続きである。
失敗の始まりというか、そういったことの話だ。
あのイベントの熱が残る中、本格的に首輪を作るフェーズへと入っていった。
ミーティングを重ね、具体的にどういったものを作っていくのかを詰めていく作業だ。
その中で、こちらから一つの現実的な提案をした。
ただデザインの絵型を出すだけじゃない。この先、ビジネスとしてどう着地させるか、下代(卸価格)をどうコントロールしていくかを見据えた提案だ。
作成したのは、ベースとなる基本モデルを2パターンに分けた価格表。
一枚革で作る「TYPE A」と、表裏を合わせる「TYPE B」。それぞれの卸単価をベースに、オプションを加算して価格が決まる仕組みを資料に落とし込んだ。
簡単に言えば、価格(ここの場合、販売価格)が、低いバージョンと価格を高く設定できるバージョンだ。
そして同時に、「お互いのコストや在庫リスクを抑えるために、まずは現状うちで保有しているレザー(アーカイブ革)を使って、この2パターンを作りませんか」と打診した。
新しくレザーを仕入れるとなると、それなりに大きなサイズで買うことになり、お互いにとって大きな負担になる。だからこその提案だった。
だが、返ってきたリクエストは「違うレザーを使ってほしい」というものだった。
もちろん、向こうのブランドの世界観が第一だ。だからこちらもさらにいくつか別のレザーを提案してみたが、なかなかお互いの思いが一致するものがなかった。
そこで、一つの決断をした。
「一度、自分たちが使っている問屋さんを紹介するから、そこで自分たちの世界観にあった素材を直接見つけてもらった方がいいんじゃないか」
結果から言うと、これが大きな失敗に繋がることになる。
普通、作り手が自分の仕入れ先を相手に直接繋ぐなんてことは絶対にやらない。やってはいけないことだ。
ただ、今回は単なる依頼ではなく「コラボレーション」という名目もあったため、すべてを共有して進めた方がいいと判断してしまったのだ。
完全に自分の甘さだった。
相手側も色々とこだわって考えた結果、その問屋で、使用するレザーを結構な量を購入してしまった。
これは、こちらも容認したのだが、どこかで違和感と不安感があった。
自分たちを通すのではなく、相手側が自ら直接レザーを買う。これも初めてのことだった。今考えたら、ありえないのだが。
この違和感と不安感は、すぐに問題になってしまう。
この出来事によって、前提としていた構造は崩れた。
自分たちが提案していた一枚革ベースの「TYPE A」はここで消滅し、結果的に「TYPE B」のみの仕様で進めざるを得なくなってしまった。
この時には、もうすでに小さなズレが、決定的な歪みへと変わり始めていた。
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Ambiance Maker Ko-Ta
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