5.「灯(あかり)」の「意味の香り」
• 記憶の奥の階段
• カーテン越しに聞こえた名前
• 階段の下から届いた呼び声
• 豆電球の下で交わしたささやき
• 返事を飲み込んだ夕暮れ
• 手紙の最後の一行
• 電気を消す前に見たまなざし
• 「おかえり」が遅れて響いた玄関
• 懐中電灯に照らされた黒板の文字
• 光の先にだけ残った気配
• 返されなかった問いの余韻
• つま先に残った夕陽のぬくもり
• 点灯前の帰り道の気配
• 角を曲がるときに消えた影
• 薄明かりの中で揺れた背中
• 遠くにだけ光っていた信号機
• ポケットの中の冷えた手
• 振り返らなかった曲がり角
• 一歩目だけが光に染まった道
• 誰もいないベンチのとなり
• 最後に灯った自転車の尾灯
• ひとつ余ったマッチの箱
• 声を飲み込んだ黒板の前
• 割れたガラスの前で止まった足
• 返されなかったノートの表紙
• カーテンの隙間に沈んだまなざし
• あたたかさを忘れた手のひら
• 息を止めたまま渡されたプリント
• 蛍光灯の音だけが響いた教室
• 震えた指が触れなかったスイッチ
• 空っぽの椅子に揺れた影
11.「灯(あかり)」の「意味の香り」#2
…
それぞれのことばが、
あなたの創作の入口でありますように。
『意味の香りだけの辞書』…索引
『詩のない詩』#5 《こだまは、わたしからはじまった》
5. 「灯(あかり)」の「赤の記憶」
5. 「灯(あかり)」の「青の記憶」
5. 「灯(あかり)」の「緑の記憶」
#5. 《こだまは、わたしからはじまった》
『意味のない地図』 #5
Photo: Unsplash
(c) s.f.出版
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