【温泉探訪記#3】五感で雄大な海を感じる高台の絶景風呂「オホーツク温泉 ホテル日の出岬」(北海道 雄武町)
網走と稚内を結ぶオホーツクラインのほぼ中間に位置する雄武町には日の出岬という景勝地があり、その名の通り朝日がきれいに見られる名所として知られている。そんな景色を眺めながらゆったりと過ごすなら、「オホーツク温泉 ホテル日の出岬」は最適だ。
今回は日中にふらりと立ち寄ったので朝日にはありつけなかったが、どこまでも広がる展望と海の近くならではの源泉の濃さには、時間帯を問わず目を見張るものがあった。
外観〜レストラン
訪問日時:2025年5月4日(日)11時50分
元沢木の集落から、看板を目印に国道238号を逸れて岬を回る道へ。ここはかつて旧国鉄の興浜南線が走っていた場所で、オホーツク海を横目に廃線跡らしい緩やかな線形で丘を上っていく。
目指すホテルは、その頂上の牧草地に佇んでいた。辺りに視界を遮る物はなく、どこを向いても絶景というとても贅沢な立地である。

和室・洋室・和洋室と合わせて23の客室があるという

ロビーに入ると正面は全面ガラス張りになっていて、右奥のレストランも含めこれでもかというくらいの眺望が楽しめる。
翌日の日の出の時刻が目立つ所に掲示されているのがいかにも朝日の名所らしく、明日(5月5日)は4時14分とのこと。正直そんな早くに起きられる自信はないが、もし今度泊まる機会があればぜひその時間に合わせて外を見てみたいところだ。

右に受付、左に大浴場がある
ちょうどお昼時ということで、入浴の前にランチを頂こう。公式HPを見ると営業時間は12時からとなっているが、ついこの間の今年4月から土日祝は11時30分からに変更されたため、すんなり入ることができた(といっても、誤差の範囲だが)。
メニューは和洋中が揃っており、今日は場の雰囲気に合わせスパゲッティを選択。また時期により雄武産の旬の食材も楽しめるというので、色々な季節に訪れてみるとその度に新たな出会いがありそうだ。

明るく広々とした空間も食事の満足感をより高めてくれた
分析書&入浴
素晴らしいロケーションと共にお腹を満たし、早くも幸せ気分が止まらないが、ここからが本命の温泉である。日帰り入浴料金は750円(タオル別・雄武町民は500円)で、いずれの場合も小学生以下は一律300円とお安くなっていることも手伝ってか、家族連れが多く見受けられた。

間違って町民用の券売機で買わないように注意!

休憩スペースは写真左奥に向けて広がっている
それでは恒例の温泉分析書を見ていこう。pHは7.63のナトリウム―塩化物強塩温泉(高張性弱アルカリ性高温泉)で、塩化ナトリウム、すなわち塩が大半を占めるお湯は殺菌作用や保温・保湿効果が期待できる。
18.59mg/kgという濃度は海水のおよそ半分に相当し、源泉100%使用で加水もしていないのでその恩恵はかなりのものだが、一方で傷や炎症があると非常にしみるため、皮膚の弱い人は上がり際にシャワーで流すなど気をつけた方が良さそうである。
お待ちかねの大浴場に入ると、視界はたちまち海に染まる。再三にわたり述べている景観は、浴室内でもやはり凄まじいものだった。青い空と青い海もいいが、流氷に覆われた冬の景色もさぞ格別であろう。
日帰り入浴は12:00〜21:30(土日祝は11:30〜)となっているが、宿泊者はチェックイン〜8:00ならいつでも入れるというので、温泉に浸りながら日が昇る瞬間を眺めるなんてこともできる。ううむ、羨ましい。

洗い場は数が多いほか仕切りが完備されていて、公共のお風呂でありがちな隣の人のシャワーがかかったりするトラブルの心配をほとんどしなくて良いのが嬉しいところ。
浴槽は42℃・40℃の温泉と41℃の沸かし湯(水道水)があり、前述の通り成分が非常に濃いためのんびり長湯をしたい場合などは後者をオススメする。ジェットバスや打たせ湯に加えサウナもあるので、幅広い楽しみ方ができるだろう。
さらなる開放感が味わえる露天風呂では潮風が気持ち良く、日によっては磯の香りや波音も感じられるに違いない。遠くに見える雄武の市街地まで続く穏やかな浜辺に集落が点在する様子からは、長年にわたる地域住民の海との付き合い方が垣間見られる。
時に海は厳しい側面を見せることもあろうが、そんな中でも彼らは決して自然に抗うことはせず、身を寄せ合ってたくましく生き抜いてきたのだろう、なんて想像を巡らせるのも面白い。

湯上がりのひととき
肌が塩分でコーティングされていることが実感できるお湯は、さっと浸かるだけでもかなり温まるものだった。ここに限った話ではないが、温泉の成分は入浴後3時間ほどかけて身体に浸透していくというので、腕時計などは錆び防止のためしばらく身につけない方が良いかも知れない。
畳張りの休憩スペースからは裏手の牧草地と背後にそびえる北見山地が望めるほか、宿泊者に限らず自由に将棋や囲碁ができるのがユニークだ。
私のお気に入りは最奥部にあるリラクゼーションルーム。トレーニングマシンでさらに汗を流すもよし、ゆったりとくつろげる椅子やハンモックで心ゆくまで心身を休めるもよし。さまざまな年齢層が一つの空間でそれぞれの時間を満喫していたのが何とも印象的で、(お風呂はもちろんとして)ここを目当てに通うのもありだな、と思うほどに心地よい場所だった。

しかし、これほどの所が追加料金なしで楽しめて
本当にいいのだろうか
そろそろ行こうかと時計を見ると、入館からは当初の想定を大幅に超える2時間が経過していた。後に控える旅程は変えざるを得ないが、何気なく立ち寄った場所で出会った想像以上の感動の前では、そんな事は半ばどうでもよくなってしまう。
次回こそはあの朝日をこの目に焼き付けようと、早くも違う時間帯・違う季節の再訪を決意し、続いて私は日の出岬の突端へと向かうのであった。
まとめ
オホーツクの豊かな恵みを全身に感じられるこのホテルは、立派でありながらも肩肘張らずにリラックスすることができ、最高の休日を過ごせる場所である。自然は一日として同じ表情を見せないため、その楽しみ方は無限大とも言えよう。
この広い北海道に景勝地は数多いけれども、ここは秘境すぎず開発されすぎてもいない所が絶妙。国道から少し外れるというほんの僅かなアクションもちょっとした冒険心をくすぐる、思い出に残ること間違いなしの良スポットだ。
今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
北海道を拠点に旅や温泉の記録などを書いておりますので、よろしければこちらもご覧いただけると幸いです。
