【旅日記#3-1】ゆるキャラから始まる未知との出会い!道東と道北の狭間・紋別郡を巡ってみた(前編)
北海道紋別郡は、オホーツク管内北部に位置する日本最大の面積を誇る郡である。

その中心にある紋別市も含め酪農や漁業が盛んな地域で、豊かな自然の中に漂う色濃いローカル感には、知床や網走といった近隣の観光地とは似ているようでまた違った魅力があるように思う。
現在、「オホーツクキャラクターカード」という管内の各市町村でご当地キャラのカードが貰える企画が行われているので、今回はそれを集めるべく紋別市以北の西紋地域を中心に回ってみた。
(本企画は2026年3月31日まで開催中!詳しくはこちら↓)
例によって日程に余裕がなく駆け足気味の旅となってしまったものの、雰囲気だけでも楽しんでいただければ幸いである。
2025年5月4日(日)
9:10 出発
今日は遠軽町某所にある母の実家からスタート。私の仕事に祝日休みはないので別に普通の土日でも良かったのだけれども、帰省といえばやはり大型連休である。
家を出て少しばかり砂利道を進むと展望が開け、のどかな農地の奥に遠軽の市街地が小さく見える。
明治時代に私のひいひいじいさんが開拓の鍬を入れたこの土地は、現行の地図でその名を確認することはできなくなってしまったが、私の田舎好きのルーツにもなったであろう風景は令和になっても健在だ。
しかしこれからの時代、農業の後継者不足はなかなか厳しいものがあると聞くので、今のうちにしっかりと心に刻みつけておきたい。
さて、湧別町のカードは昨日「道の駅 かみゆうべつ温泉チューリップの湯」にて貰ってきたため、まずは紋別市へ向かう。
いつになるかは未定だが、そちらの道の駅については今後の温泉探訪記で触れる予定なのでお楽しみに!

集めるだけで市町村に詳しくなれること請け合い。
表面に施されたホログラム加工も所有する喜びをかき立てる
天気は曇りでこの後は雨予報となっているにも関わらず、道中の「かみゆうべつチューリップ公園」はイベントが開かれているためかすごい人出であったが、つい先日までオホーツクは雪が降るほどの寒さだったため全然咲いていなかった(例年でも見頃は5月中旬〜下旬くらいなので、GWに咲いていること自体稀だが⋯)。
テレビCMに映る美しい花々を期待して来た人には少し気の毒だけれども、満開の時にもぜひ再訪してみてほしいところだ。
湧別を過ぎると、道路が一気に立派になる。この区間は「紋別防雪」として冬季でも安全で走りやすい道を造る事業が行われており、今年3月には道路マニアの私も垂涎のバイパスも開通した。

ゆくゆくは、旭川紋別自動車道の
実質的な末端部としても機能するのだろう(父撮影)
旧道もそれなりの快走路ではあったが、原野の中に牧場が点在する沿道の景色からは、地吹雪による交通障害の頻発が目に浮かぶようだった。
地方の道路開発は環境保全との兼ね合いが難しいものの、旧国鉄名寄本線なき今、国道238号は地域全体の物流や医療も支える貴重なライフラインでもあるから、このような整備が行われることには確かな意義があるに違いない。
10:10 紋別市
快適な道路は流れも順調で、行楽シーズンど真ん中でありながら想定通りのペースで最初の目的地「海洋交流館」に着いた。カードの配布場所は各自治体によりまちまちであり、必ずしも道の駅とは限らないので情報収集は必須と言える。

この調子で晴れてくれればいいが、どうなることやら
ここは流氷観光船「ガリンコ号」や少し離れた展望施設「オホーツクタワー」への無料送迎バスの発着点となっており、お土産・レストラン・コンビニも揃った紋別観光の拠点とも呼べる場所。
車を降りてすぐに感じる磯の香りは、同じオホーツク沿岸に住む私ですら「海だ!」と感動を覚えるほどの濃厚さだった。

冬は流氷で埋め尽くされる

ということで、本日1枚目のカードは「紋太・べつこ」。観光客に大人気のアザラシをモチーフとしながらも、脱力感があってどこか哀愁漂う出で立ちが印象的だ。妹がいたのは知らなかったが、どうやら最近生まれたらしい。これで実質もんた&ブラザーズである(妹だからシスターか)。

永遠の割に、妙にリアルな数字だなあ⋯
そういえば紋別にはもう一体「モンベモン」というキャラがいて、私が中学生の頃に夏祭りで見かけたことがあるのだが、彼はどうしているのだろうか。
人によっては軽いトラウマになるかも知れないので見たい方は自己責任で検索してみてほしいが、ゆるキャラの定義をも揺るがしかねないインパクトある姿は私の脳裏に焼き付いており、紋太くんの強力な相方の誕生を知った今、少しだけ気になった。

波と流氷に激しく揉まれる海上で、
よくあれだけの建造物が立っていられるものだ
駐車場はそれなりに混んでいるものの、交流館やタワーに向かうバスの人影はまばらだった。ここはアザラシで有名な「オホーツクとっかりセンター」の向かいでもあり、時期の関係か人の流れはそちらに極端に集中しているように見える。
手元にいる紋太くんを見ていると余計にアザラシが見たくなってくるけれども、今日の主役はあくまで郡部である。行く所はまだたくさんあるので、今回はこれで次に行かせてもらうとしよう。
(ここで以前とっかりセンターに来た際の写真があればと思ったが、あいにくデータが残っておらず画像を用意できなかった。ごめんなさい!)
11:25 雄武町
続いては管内最北端の雄武町へ。途中に興部町を通過するが、ルートの都合上そちらは一旦後回しにする。
たまに紋別に遊びに来ることはあっても、それより北となるとなかなか行かないので、同じ管内ながらすごく遠くに来た気分である。まあ、網走から雄武までは150kmと、東名高速で例えると東京IC〜清水IC(静岡県)に相当する距離があるから当然といえば当然なのだが。
紋別の市街地を抜けると車窓の風景は一段と荒涼としてきて、未だ鉛色に染まる海を眺めながら、牧草地の合間に時折現れる漁村を抜けていく。気候のせいか大々的に農耕をしている様子があまり見られないのが、紋別以南との雰囲気の違いの理由だろうか。
しかし、技術やインフラの発達した現代ならいざ知らず、開拓初期の人々はこの環境下でどのように自然と向き合いながら暮らしてきたのか、大変気になるところである。
そして11時25分、次のカード配布場所「道の駅 おうむ」に到着。稚内方面のドライブの道中で通過したことは何度かあったものの、こうして立ち寄るのは小学2年生の時以来、実に14年ぶりだ。

遠くからでも目を引く当駅のシンボル。
依然として雲の勢力が強かったのが残念でならない
かつて興浜南線の終点・雄武駅(大変ややこしいが、町名は「おうむ」なのに対し駅名は「おむ」だった)があったこの場所では、現在路線バスがその任を担っていた。
館内の売店には海産物やその加工品が所狭しと並ぶほかAコープも隣接しており、地域の食についてはおまかせの道の駅と言えよう。近年各地で続々と設置数を増やす冷凍品の自販機もあり、そのラインナップは日々拡充され続けている。

キャラの名前から外周に至るまで、魚卵推しが半端ない
マンホールに若干ネタバレされた感があるが、雄武町のカードは「いくらすじ子」。胴体が丸々いくらとは何とも大胆なデザインだと思ったら、これは鮭の稚魚に見られる臍嚢という栄養を溜め込んでいる器官らしい。いやはや、勉強になります。

この辺りの流行りなのだろうか?
頭の被り物は鳥のオウムがあしらわれている。以前からこの町では雄武と鸚鵡をかけた言葉遊びが取り入れられており、商店街の案内板には彼女より歴史の長そうな鳥要素強めのキャラもいたが、今後はこちらが雄武を代表する存在となるはずだ。
名前のフォントまで専用デザインという気合いの入りようからも、これからの躍進が期待される。

連休だから店屋はほとんど閉まっているものの、
街は温かな空気を纏っているような気がした
11:50 日の出岬で昼食&ひとっ風呂
さて、この後は興部に向け来た道を戻ることになるが、ただ戻るのでは味気ない。その途中の脇道に「オホーツク温泉 ホテル日の出岬」という温泉があったので、昼食も兼ねてここでひと休みしていこう。
国道を逸れて丘を上っていくと、果てしない海岸線をバックにホテルの建物だけが佇んでいる。ここに泊まれば、絶景を独り占めしながら一夜を明かすことができるのだろう。贅沢すぎる⋯!
レストランは洋風っぽい雰囲気があったので洋食で。落ち着いて海を望める空間も、この食事体験をより一層特別なものに感じさせてくれた。

先月より土日祝は11時半からの営業になったという。
ラッキー!
また温泉は海が近いゆえか塩分が豊富で寒い時でもよく温まれるほか、一面ガラス張りの大浴場も潮騒感じる露天風呂も最高の眺めが楽しめる。ここからの日の出を見ながら朝風呂ができるなんて、想像するだけで感動が約束されるようだ。
湯上がりの休憩スペースも思った以上に居心地が良く、後に控える旅程を完全に無視して入り浸ってしまった。そんな素晴らしい当施設の滞在の一部始終は別の記事にまとめてあるので、よろしければそちらもご覧いただきたい。
13:55 日の出岬を散策
高台の眺めもいいが、岬といえばやはり突端は外せないということで、今度は「日の出岬展望台 ラ・ルーナ」に行ってみた。

どこかSFチックな印象を受ける
まずは外周から見て回る。西の方から徐々に天候は回復しつつあるが、近くの浜にいる釣り人を除けば、日曜の昼下がりなのに人影は数えるほどしか見られない。少しばかり寂しい感じもするけれど、これぞ北の大地の海岸だと言わんばかりの趣がある。
先端部には柵や立入禁止エリアがなく、その気になればこのまま海まで行けてしまう懐の広さが他の景勝地と一線を画する。
打ち寄せる波と荒々しい岩肌には地球の息吹すら感じられるようで、間近に迫る大自然の前に人はいかにちっぽけな存在であるかを思い知らされた。


こちら側は青空が広がっていた
展望台に入ると間もなく2階へ上がることになり、風を凌ぎながら地上からとはまた違った大パノラマを満喫できる。こういう所の望遠鏡は大抵100円を入れる必要があったりするが、ここでは無料で自由に見られるのも嬉しい。
館内には小さなギャラリーがあるほか、1階のトイレもなかなか独創的な設計で、全体的に高い芸術性が魅力の場所と言えるだろう。

ガラスで囲まれていて天井も高いので
開放感は十二分にある
5月上旬の今は営業していなさそうだったものの、岬のそばにはキャンプ場が整備されており、階段から岸に降りられるようになっている。
足元は大きな岩がゴロゴロしており、時間により海面の変動も結構あるので安全には十分な配慮が必要だが、岩場の間の小さな入り江はまるで外界と隔絶されたかのような空間であり、ちょっとした冒険気分が味わえる。潮の満ち引きや波を観察するのも面白く、自然と一体になって遊んでいるといくらでも過ごせそうな気さえしてくる。

物質的には今ほど満たされなくとも、
心は豊かだったに違いない
流石にそろそろ行くかと時計を見ると、時刻は14時半を回っていた。何気なく訪れた日の出岬エリアがあまりに良すぎたためカード集めは一時中断していたが、ここからは興部町・西興部村・滝上町を一挙に回っていこう。
もしかしたら、雄武のように思いがけない感動との出会いがあるかも知れない。今回の記事が想定を大幅に超える文量になってしまったので、その模様は次回の記事でお送りしよう。
今回は以上になります。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
北海道を拠点に旅や温泉の記録などを書いておりますので、よろしければこちらもご覧いただけると幸いです。
