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裁量労働制の見直し(拡充・対象拡大)とは

高市早苗総理が(2026年)2月20日に国会で初の施政方針演説を行い、「働き方改革の総点検においてお聞きした働く方々のお声を踏まえ、裁量労働制の見直し」と述べています。


裁量労働制とは

裁量労働制とは、実際に働いた時間ではなく、あらかじめ労使(労働側・使用側)で定めた時間(みなし労働時間)を働いたとみなして賃金を支払う制度です。

仕事の進め方(仕事の手段や時間配分)を働く人の裁量に委ねることで、時間にとらわれず成果を重視する働き方を促進する目的で導入されます。

専門業務型と企画業務型の対象労働者
裁量労働制には専門業務型裁量労働制と専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制があります。

まず専門業務型裁量労働制の対象は「業務の性質上、業務遂行の手段や時間配分等を大幅に労働者の裁量に委ねる業務として、厚生労働省令及び大臣告示で定められた専門的な業務に従事する労働者」とされています。

また企画業務型裁量労働制の対象は「事業の運営に関する事項についての企画、 立案、調査及び分析の業務であって、業務の性質上、これを適切に遂行するために、業務遂行の手段や時間配分等を大幅に労働者に委ねる業務に従事する労働者」とされています。

2024年に裁量労働制の対象業務追加
専門業務型裁量労働制の対象とされる「厚生労働省令及び大臣告示で定められた専門的な業務に従事する労働者」、つまり専門業務型裁量労働制の対象業務は新商品や新技術の研究開発、人文科学や自然科学の研究、情報処理システムの設計、コピー ライター、新聞記者などでいたが、銀行・証券会社における(いわゆる)M&Aアドバイザーの業務を対象業務に2024年(令和6年)に追加されました。

裁量労働制の見直し(拡充・対象拡大)

労働政策審議会の労働条件分科会で議論

労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)労働条件分科会が昨年(2025年)12月24日に開催されましたが、資料「労働法制の具体的課題に関する検討の論点ついて」に「裁量労働制は、働き手一人一人の能力発揮を促すため、労使の十分な協議や健康確保等を前提に見直しを行うべきとの意見がある一方、⾧時間労働を助⾧しかねず、2024年に見直しを行ったばかりであり緩和すべきでないとの意見もあるが、どのように考えるか」と記載されています。

つまり使用側委員は裁量労働制の対象拡大を行うべきとの意見ですが、労働側委員は裁量労働制は長時間労働を助長するし2024年に見直したばかりであり緩和すべきではないと反対しているということです。

労働条件分科会の労働側や使用側などの(12月開催分科会以前の)委員の意見内容については、資料「各側委員の主な意見の整理」をご覧ください。

資料「各側委員の主な意見の整理」
制度の現状等
・省令及び告示で定められた20の専門的な業務に該当する場合には専門業務型裁量労働制を、事業の運営に 関する事項についての企画・立案・調査及び分析の業務であって、労使委員会決議により制度の対象とする業務等を定めた場合には、企画業務 型裁量労働制を適用することができ る。

・適用労働者の労働時間は、専門業務型裁量労働制の場合は労使協定で定めた時間、企画業務型裁量労働制の場合は労使委員会の決議で定めた時間を労働したものとみなすこととされている。

・労働基準法施行規則等の改正により、専門業務型裁量労働制の対象業務の追加、本人同意・同意撤回の手続きの労使協定事項等への追加等が行われた(令和6年4月1日施行)。

各側委員からの主な意見
(労働者側)
・裁量労働制は長時間労働を助長しかねないため、その適用範囲の拡大や要件緩和を安易に行うべきではな い。

・業務従事年数が少ない、裁量や適切な処遇が確保されていないデータが見られた。2024年度に見直しの内容が施行されたばかりであり、健康・福祉確保措置の強化、本人同意や同意撤回の手続等の適正運用の徹底を着実に進めていくことが重要。労働者の健康確保や豊かな生活の実現に繋がる議論に注力すべき。

国際競争力の向上は、産業政策等で対応すべきものであり、労働法制の緩和で実現すべきものではない。 裁量労働制が本来の趣旨に沿った運用が徹底されることが重要であり、 要件の緩和は行うべきではない。

・ 通常の労働時間規制の逸脱を認めるものについての手続や運用が厳格であることは当然である。

労使合意により対象業務を決定できる仕組みは、労働基準法の強行法規性を放棄することにも繋がりかねない。

・非対象業務は使用者の都合で業務量や労働時間が変動するものであり、兼務をしている場合は裁量労働制を適用すべきではない。

(使用者側)
・ 裁量労働制は、特別な健康確保措置が設けられているほか、制度の濫用にならないような制度設計がされている。

・現在の裁量労働制は対象業務が厳格に規定されているため、企業で適用可否を判断することが難しく、また、手続も煩雑である。適用労働者の満足度や健康状態の認識の調査結果も勘案しつつ、裁量労働制の見直しについて必要な議論を進めるべ き。

・国際競争力の向上や付加価値の創出の観点からも、働き手一人一人の能力発揮を促すことが我が国の課題であり、裁量労働制の拡充が必要。労使の対等かつ十分な協議や適切な健康確保措置、適正な報酬を条件とし、過半数労働組合との合意のも で裁量労働制を適用するにふさわしい対象業務(例:プロジェクト型業務や他社の事業に関する企画、立案、調査及び分析の業務)の範囲を決められるような仕組みの導入の検討を行うべき。

・中小企業では複数の業務を兼務することが多く、非対象業務との兼務が一部でもあると適用が認められない。主たる業務が対象業務であり働き方に裁量がある労働者は適用可能となるよう検討すべき。

・本人の満足度や業務遂行の裁量程度が高く、総じて適正な運用がされていることを踏まえると、法令の運用の徹底の必要性と制度の見直しの必要性は分けて議論することが適当。労働生産性の向上と、長時間労働、過労死撲滅の両方を見据えた真摯な議論をしていく必要がある。

(公益)
・裁量労働制調査のデータを利用した厳密な解析からは、裁量労働制の適用の有無だけでなく、現場レベルでの裁量の有無が労働時間や睡眠、満足度等を強く左右することが明らかとなっている。今後の検討に当たっては、裁量労働制の適用有無のみを議論するのではなく、裁量の度合いが現場レベルでいかに担保されるかという点に着目して議論すべき。

資料『各側委員からの主な意見の整理』(第206回 労働政策審議会 労働条件分科会)

資料「各側委員の主な意見の整理」(PDF)

なお、資料「各側委員の主な意見の整理」の中の公益委員の意見は昨年(2025年)9月4日に開催された労働政策審議会 労働条件分科会での黒田祥子委員(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)の意見になります。

・黒田委員(黒田祥子・早稲田大学教育・総合科学学術院教授)
裁量労働の件ですが、先ほどの説明が少し早口だったのでもう一度、要点をお話させてください。まず、今回の研究で見えてきたことですが、裁量がないのに裁量労働制で働いている人は、やはり労働時間が長くなる傾向にありました。こういった事実を、労働者側の皆さんが主に見ていらっしゃるのだと私は解釈しております。

一方で、裁量労働制で働いている人の中で、実際に裁量を持っている方は、必ずしも労働時間が長いわけではなく、満足度も高く、睡眠もしっかり取れているという結果が見えてきています。こうした点を、おそらく使用者側の皆さんは主に着目していらっしゃるのだと思うのです。

ですので、労働者側の皆さんが見ていらっしゃる側面も、使用者側の皆さんが見ていらっしゃる側面もどちらもファクトであり、間違っていないけれども見ているところが異なるということが分析結果からも見えてきています。では、どうすればよいかということですが、今後、裁量労働制の対象拡大や要件の見直しの可能性について議論する際には、制度導入の有無だけに焦点を当てるのではなく、裁量をしっかり担保できるかが何よりの前提条件であるということに留意して検討を行っていくべき、ということをここで重ねて申し上げたいと思います。

第202回 労働政策審議会 労働条件分科会 議事録

また、厚生労働省が公開しました12月の労働条件分科会議事録を読むと、労働側の冨髙委員(冨髙裕子・日本労働組合総連合会<連合>副事務局長)は「特に使用者側からは、労働生産性向上といった観点で裁量労働制の拡充が必要という意見が多く出ていたかと思いますけれども、そのエビデンスがあまり明確ではないと印象を受けております」「我々としても分析が圧倒的に足りないのではないかと思っておりますし、そういった中で(裁量労働)制度の拡充という流れに持っていくのは、かなり乱暴ではないかと感じておりますので、意見として申し上げておきたいと思います」と述べて裁量労働制の対象拡大に反対しています。

第206回 労働政策審議会 労働条件分科会 議事録(厚生労働省)

高市総理の裁量労働制見直し(拡充・対象拡大)

高市総理が上野厚生労働大臣に指示
まず、高市早苗総理は政権発足早々の昨年(2025年)10月21日に高市首相は上野賢一郎厚生労働大臣に対し「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討」を指示したと報道されました。

また昨年12月23日には労働基準法改正の次期通常国会への提出を見送り、高市政権で新たに設けられた日本成長戦略会議で検討する旨の報道がされました。

この報道があった翌日(12月24日)に開催された労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)労働条件分科会で労働側の冨髙委員(冨髙裕子・日本労働組合総連合会<連合>副事務局長)が「昨日(12月23日)より、労基法改正に関する次期通常国会への提出を見送るという報道が複数なされており、その中では、労働時間規制について、来年(2026年)の成長戦略や『骨太の方針』の策定に向けて日本成長戦略会議の中で検討を行うことも報道されております」「まさにこの(労働条件)分科会で今年(2025年)2月から1年近くかけて労使で丁寧な議論を積み重ねてきておりますが、にもかかわらず、こうした動きがあることに対して、労働側として懸念をしているところです」「改めて申し上げれば、この雇用・労働政策につきましては、職場実態を熟知した労使が知恵を出し合って論議・決定していくことが必要不可欠だと思っております」「加えて、労使に政府・公益を加えた三者が政策の決定プロセスに関与する三者構成原則はグローバルスタンダードであり、日本ではこれを具現化している場が労働政策審議会だと考えているところでございます」「報道の真偽というところは別としまして、もし日本成長戦略会議において、労働時間法制について検討されるとしても、本分科会での議論が尊重されることが非常に重要だと思っております」「この労働政策審議会が官邸における新設の会議の下請になるようなことがあってはならないと思いますし、また、この場での議論が骨抜きにされるということもあってはならないというふうに思っておりますので、その点につきましては、ここで意見を申し上げておきたいと思います」と苦言を述べています。

また、使用側の鈴木委員(鈴木重也・日本経済団体連合会<経団連>労働法制本部長)も「冨髙委員から三者構成主義の重要性、御指摘ございました。私も全くそのとおりだと思います。雇用・労働政策というのは、現場を熟知している労使、学術的な知見をお持ちの公益の先生が議論を重ねる中で結論を出す。これはILO条約の考え方にも沿うものだと思っております」と苦言を述べています。

つまり労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)労働条件分科会の労働基準法などの見直し議論を無視するかのように労働基準法改正を見送り日本成長戦略会議で検討するという報道を受けて労働条件分科会の労働側の連合委員だけではなく使用側の経団連委員も苦言を述べています。

経団連会長が日本成長戦略会議で裁量労働制対象拡大を提案
昨年(2025年)12月24日に高市早苗総理は日本成長戦略会議(第2回)を総理官邸で開催しました。

その会議で高市早苗総理は「労働市場改革については、心身の健康維持と従業者の選択を前提として、柔軟で多様な働き方を実現することが重要」と述べています。

日本成長戦略会議(令和7年12月24日「総理の一日」)首相官邸公式サイト

高市早苗総理が「心身の健康維持と従業者の選択を前提として、柔軟で多様な働き方を実現することが重要」と発言された第2回の日本成長戦略会議において、経団連(日本経済団体連合会)会長の筒井義信委員は資料『「裁量労働制の拡充」に向けた 経団連の考え方』を提出しています。

その資料『「裁量労働制の拡充」に向けた 経団連の考え方』には、「柔軟で自律的に働ける環境を整備し、働き甲斐を高めるため、労働時間では なく成果で処遇される制度を広げること=裁量労働制の拡充が必要」と書かれています。

また同じ資料の中に裁量労働制見直しの具体策として「健康確保を前提に過半数労働組合がある企業に限り、裁量労働制の対象業務を、一定の範囲で拡大」と記載されています。

日本成長戦略会議(第2回)筒井委員(経団連会長)提出資料(PDF)
*裁量労働制の対象拡大については筒井委員提出資料(PDF)6~8ページに記載されています。

第2回 日本成長戦略会議(経団連会長)筒井委員提出資料

また議事要旨に筒井経団連会長の発言が記載されていますが、筒井経団連会長は「裁量労働制である。柔軟な働き方ニーズに応えるべく、健康確保を前提に制度を拡充し、働き手の能力発揮や生産性向上につなげることが肝要である」と述べています。

そして議事要旨には芳野友子連合会長の発言も記載されており、芳野連合会長は「労働市場改革についてである。年明け以降の主要な取組に、心身の健康維持と従業者の選択を前提に、労働時間法制に係る政策的対応の在り方等について多角的検討を行うことが掲げられている。労働時間法制を含む労働基準法の見直しについては、既に労働政策審議会において約1年をかけて議論が積み重ねられてきており、成長戦略の検討においても審議会における議論を尊重いただくよう強く要望する」と述べています。

また芳野連合会長は「働き方改革の達成にはほど遠い現況に鑑みれば、時間外・休日労働に係る上限規制の緩和や裁量労働制の拡充は、働き方改革の趣旨に逆行するものであり、行うべきではないと考える」と強く反論しています。

さらに議事要旨には上野厚生労働大臣の発言も記載されており、上野大臣は「我が国の経済成長を実現するため、生産性の高い分野への円滑な労働移動や、働き方改革を含めた労働市場改革を進めることは極めて重要。 厚労省としては、分野横断的課題のうち、労働市場改革の取りまとめ担当として、労働市場改革分科会を新たに設置し、必要な議論を行い、稼げる日本への変革を進めていきたいと考えている」「労働市場改革分科会においては、主として、労働生産性の向上、労働市場の円滑化、労働参加の確保について議論を行う予定であり、最終的には労働市場改革の取り組むべき方向性について取りまとめることを目指したい」と述べています。

日本成長戦略会議(第2回)議事要旨(PDF)

過半数労働組合とは
過半数労働組合の要件は事業場(本社・支社・営業所など)に使用されている全労働者(社員・職員)の過半数で組織する労働組合であることが要件です。

過半数労働組合の要件で注意すべきは正社員だけでなくパートやアルバイトなどを含めた事業場の全労働者(社員・職員)の過半数で組織する労働組合でなければなりません。

また事業場は本社だけでなく支社や営業所などのことです。例えば社員(役員は含まずパートやアルバイトは含みます)が10人の場合に6人以上が組合員として加入している場合は過半数労働組合となります。詳しくは労働基準監督署に確認してください。

過半数労働組合は、36協定などの労使協定を締結する時や就業規則の時の(義務付けられています)意見聴取において全従業員(社員・職員)を代表する地位を持ち、強い権限を発揮を発揮します。

労働政策審議会(厚労大臣諮問機関)労働条件分科会委員意見
日本成長戦略会議が開催された昨年(2025年)12月24日には労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)労働条件分科会も開催されています。

裁量労働制については(本来)この労働条件分科会で議論すべきです。また(事実)この労働条件分科会で裁量労働制について長い間、議論されてきました。そして12月24日にも議論されました。(この記事の中でも今までの委員の意見や12月24日の労働条件分科会での議論は紹介しています)

この日の資料によると、裁量労働制の対象拡大について労働条件分科会の使用側委員は「国際競争力の向上や付加価値の創出の観点からも、働き手一人一人の能力発揮を促すことが我が国の課題であり、裁量労働制の拡充が必要。労使の対等かつ十分な協議や適切な健康確保措置、適正な報酬を条件とし、過半数労働組合との合意のも で裁量労働制を適用するにふさわしい対象業務(例:プロジェクト型業務や他社の事業に関する企画、立案、調査及び分析の業務)の範囲を決められるような仕組みの導入の検討を行うべき」と意見を述べています。

この意見に対して労働条件分科会の労働側委員は「国際競争力の向上は、産業政策等で対応すべきものであり、労働法制の緩和で実現すべきものではない。 裁量労働制が本来の趣旨に沿った運用が徹底されることが重要であり、 要件の緩和は行うべきではない」と反論しています。

また労働条件分科会の資料には労働側の意見として「労使合意により対象業務を決定できる仕組みは、労働基準法の強行法規性を放棄することにも繋がりかねない」とも書かれています。

日本成長戦略会議・労働市場改革分科会で議論

今年(2026年)1月20日に日本経済新聞は「経団連の筒井義信会長と上野賢一郎厚生労働相は(2026年1月)19日、都内で会談した。経団連の呼びかけで実現したもので、会談は約19年ぶり。高市早苗政権が検討する労働時間規制の緩和などを巡って意見を交わした。筒井氏は『裁量労働制の拡充が欠かせない』として対象業務の拡大を求めた」(『経団連会長、厚労相と19年ぶり会談』2026年1月20日配信)と報じています。

そして1月23日に行われた上野厚生労働大臣の会見で、記者が「先日の経団連との懇談会について伺います。懇談会において要望のあった裁量労働制の拡充については、どのような対応が必要とお考えでしょうか。また、懇談会の受け止めもお願いします」と質問しています。

この記者質問に対して上野大臣は「先般の経団連との懇談会においても、裁量労働制について、先方から、適用拡大についての企業側のニーズといったものについてのお話がありました」「また、その中で、やはり労働者の健康確保ということを大前提に考えているといったコメントもあったと承知しています」「やはり裁量労働制については、一方で審議会等においても長時間労働を助長しかねないといった声もあるので、今後検討するに当たっては、濫用防止措置や代替措置も含めて議論していく必要があるのではないかと考えています」と答えています。

そして上野大臣は「いずれにしても、労働時間規制については、日本成長戦略会議の下に設けられた労働市場改革分科会で議論を進めることになるので、そうした状況も踏まえて、労働政策審議会においても、具体的な議論をしていきたい」と答えています。

つまり裁量労働制の対象拡大については労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)労働条件分科会で議論してきたにもかかわらず日本成長戦略会議(議長は高市早苗総理)労働市場改革分科会(分会長は厚生労働大臣)で裁量労働制や労働時間上限規制に関する議論をするという厚生労働大臣の発言には驚きました。

日本成長戦略会議・労働市場改革分科会とは
労働市場改革分科会のメンバー(構成員)は次のとおりです。

労働市場改革分科会メンバー(構成員)
上野賢一郎・厚生労働大臣(分科会会長)
*分科会会長代理は厚生労働副大臣、政務官
石崎由希子・横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授
伊藤 仁・日本商工会議所専務理事
片岡剛士・PwCコンサルティング上席執行役員・チーフエコノミスト
近藤絢子・東京大学社会科学研究所教授
坂本貴志(株)インディードリクルートパートナーズ・リクルートワークス研究所研究員
神保政史・日本労働組合総連合会(連合)事務局長
中根弓佳・サイボウズ(株)執行役員・人事本部長
水島郁子・大阪大学大学院高等司法研究科教授
室賀貴穂・九州大学大学院経済学研究院准教授
藤原清明・日本経済団体連合会専務理事
山田 久・法政大学教授

労働法学者2名・経済学者3名
労働法学者は次の2名のメンバー(構成員)の方になります。

石崎由希子・横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授は労働法学者、厚生労働省の有識者会議「労働基準関係労働法制研究会」(元)メンバー(構成員)。

水島郁子・大阪大学大学院高等司法研究科教授は労働法学者、労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)労働条件分科会委員(分科会会長代理)。

経済学者は次の3名のメンバー(構成員)になります。

近藤絢子・東京大学社会科学研究所教授は経済学者(労働経済学)。

室賀貴穂・九州大学大学院経済学研究院准教授は経済学者(公共経済学・労働経済学)。

山田久・法政大学教授は経済学者。

片岡剛士メンバー(構成員)
片岡剛士・PwCコンサルティング上席執行役員・チーフエコノミスト・パートナーは元日本銀行政策委員会審議委員(Xアカウントプロフィール)。

また、日本成長戦略会議の有識者メンバー(構成員)で、第1回では資料「日本経済が再び力強い経済成長を取り戻す には、大胆かつ徹底的な投資拡大が不可欠」を提出し、第2回では資料「成長戦略の検討に関する要望事項、必要と なる視点について」を提出しています。

日本経済が再び力強い経済成長を取り戻す には、大胆かつ徹底的な投資拡大が不可欠(PDF)

成長戦略の検討に関する要望事項、必要と なる視点について(PDF)

坂本貴志メンバー(構成員)
坂本貴志(株)インディードリクルートパートナーズ・リクルートワークスは(リクルートワークス研究所サイトによると)「一橋大学国際公共政策大学院公共経済専攻修了後、厚生労働省入省。社会保障制度の企画立案業務などに従事した後、内閣府にて官庁エコノミストとして『月例経済報告』の作成や『経済財政白書』の執筆に取り組む。三菱総合研究所にて海外経済担当のエコノミストを務めた後、2017年10月よりリクルートワークス研究所に参画」とのこと。

また研究領域はマクロ経済分析、労働経済、財政・社会保障、近年の研究テーマは高齢期の就労、賃金の動向など。

中根弓佳メンバー(構成員)
中根弓佳・サイボウズ(株)執行役員・人事本部長・チームワークあふれるまちづくり室長はエヒメスポーツエンターテイメント(愛媛オレンジバイキングス)取締役副社長(愛媛オレンジバイキングスはB.LEAGUE B2所属)(Xアカウントプロフィール)。

サイボウズ(株)代表取締役社長の青野喜慶氏は総務省、厚生労働省、経済産業省、内閣府、内閣官房の働き方変革プロジェクトの外部アドバイザーを歴任。

能力ではなく「24時間会社に捧げられるか」での評価は差別――白河桃子×サイボウズ青野慶久、「働き方改革に関するお詫び広告」の真意(サイボウズ社長の働き方改革に関するインタビュー記事)

労働市場改革分科会の目的
資料『分野横断的課題への対応の方向性』に次のように記載されています。

働き方改革関連法施行後5年の総点検調査の結果を公表(26年1月目途)
・柔軟な労働時間制度を含む現行制度の周知、中小企業の36協定締結及びその活用に向けた支援の検討(~26年夏)
・良好な労働環境の整備、働く者の意欲・能力の発揮の観点から、心身の健康維持と従業者の選択を前提に、労働時間法制に係る政策対応の在り方等について、多角的に検討(26年夏に進捗を整理)
・女性活躍を加速化する企業向けアウトリーチ・伴走型支援の在り方の検討(26年度~)
・女性の健康課題に取り組む企業を評価する仕組み、女性の就業環境の改善に資するハラスメント対策の在り方の検討(~26年夏)
・第3号被保険者の実情に関する調査研究・在り方の検討(継続)
・70歳までの就業確保や処遇改善に向けた「65歳超雇用推進助成金」の拡充(26年度~)
・年齢にかかわらず健康状態に合わせ活躍できる機会を創出するシルバー人材センター等の取組の推進(継続)

日本成長戦略本部・日本成長戦略会議(内閣官房)

第2回 日本成長戦略会議資料『分野横断的課題への対応の方向性』
5.労働市場改革 (2)労働参加の確保

裁量労働制見直し(拡充・対象拡大)根拠とは

高市早苗総理は2月20日の施政方針演説では「働き方改革の総点検においてお聞きした働く方々のお声を踏まえ、裁量労働制の見直し」と述べています。

高市総理が「働き方改革の総点検」と述べられていますが、これは「働き方改革の総点検調査を意味すると思います。

つまり働き方改革の総点検調査(ヒアリング調査とアンケート調査)が裁量労働制見直し(拡充・対象拡大)の根拠となっています。

なお、働き方改革の総点検調査の前に「裁量労働制実態調査」が行われ、結果もすでに公表され、昨年(2025年)12月24日の労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)労働条件分科会でも裁量労働制実態調査結果をもとに裁量労働制の見直し(拡充・対象拡大)の議論が行われています。

裁量労働制実態調査とは

裁量労働制実態調査は「専門業務型及び企画業務型それぞれの裁量労働制の適用・運用実態や裁量労働制の適用・非適用による労働時間の差異等を把握することを目的として実施」されています。

裁量労働制実態調査の結果は2021年6月25日に厚生労働省が公表しています。そして裁量労働制実態調査結果を公表したページには「厚生労働省は、今回の調査結果を踏まえ、今後、裁量労働制のあり方について検討していきます」と書かれていました。

「裁量労働制実態調査」の結果を公表します(厚生労働省)

昨年(2025年)12月24日の労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)労働条件分科会で裁量労働制実態調査をされた黒田祥子委員は「裁量労働制を導入されている方は、健康状態が『よい』と答えている方が大半であるという御意見がございました。単純集計ではそうなのですが、より精緻な分析で見えてきたことは、裁量労働制適用者でも、裁量がない人たちは健康状態が悪いということが見えています。したがって、これは再三申し上げてきたことですけれども、裁量労働制を導入しさえすれば健康もよくなるということではないということは、念のため、もう一度申し上げておきたいと思います」と発言されています。

・黒田委員(黒田祥子・早稲田大学教育・総合科学学術院教授)
先ほど何度か名前を言及していただきましたので、この裁量労働制調査にずっと関わってきた者として、少し意見を述べさせてください。

まず、今まで出た御意見の中であった、私も関わった回帰分析の結果についてです。裁量労働制を導入されている方は、健康状態が「よい」と答えている方が大半であるという御意見がございました。単純集計ではそうなのですが、より精緻な分析で見えてきたことは、裁量労働制適用者でも、裁量がない人たちは健康状態が悪いということが見えています。したがって、これは再三申し上げてきたことですけれども、裁量労働制を導入しさえすれば健康もよくなるということではないということは、念のため、もう一度申し上げておきたいと思います。

続いて、この裁量労働制を導入することによって、本当に創造性が高いアウトプットがたくさん生まれて労働生産性が上がっていくのかということに関してですが、私が知る限り、科学的なエビデンスはまだこれから蓄積が必要という状況です。ですから、先ほど原委員もおっしゃいましたけれども、データを集めて、本当にそうなのかというエビデンスをできるだけしっかり精査していく。その上で、本当に裁量労働制を導入したほうが日本全体にとってよいということが見えてくれば、それは新たな方向性をまたこの審議会でしっかりと議論していくということになるのだと思います。

例えば、先ほども、裁量労働制を導入したことで、「納得いくまで仕事をすることができて、モチベーションが上がった」といった御意見など、好事例のご紹介がいくつかございました。モチベーションの向上だけでなく、そうした方々ほど、実際にクリーンヒットを打つようなすばらしい生産性の向上が観察できるのか。そして、そういったアウトカムを出すために費やした労働時間は一体どれほどだったのか、ということもデータを用いて精査していく必要があろうかと思います。

さらに、先ほど御意見が出ていた過半数労働組合の話ですけれども、これもしっかり機能している企業さんで、本当にそこで働いている裁量労働制の方々の裁量が担保されているのかということと、結果、その人たちの健康や労働時間の実態を併せて把握することによって、今、行われている議論もクリアになっていくのではないかというふうに思います。

第206回 労働政策審議会 労働条件分科会 議事録より抜粋

働き方改革の総点検調査とは

働き方改革関連法附則12条とは
まず働き方改革関連法(正式名称「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」)は安倍政権の時の2018年に成立し、2019年から順次施行されている法律です。

この働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)附則第12条第1項及び第3項において働き方改革関連法による改正後の労働基準法等について、その施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずると規定されています。

働き方改革の「総点検」調査とは
また、昨年(2025年)9月4日に開催された労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)労働条件分科会の資料『働き方改革の総点検について』に調査結果は令和7年(2025年)11月に出す予定とあります。

この働き方改革の総点検調査結果が、日本成長戦略会議資料の項目「労働市場改革」に書かれていた「働き方改革関連法施行後5年の総点検調査の結果を公表(26年1月目途)」の「施行後5年の総点検調査結果」にあたると思います。*新情報に基づき検証してみると石破内閣の働き方改革の「総点検」調査と高市内閣の日本成長戦略会議資料にある「働き方改革関連法施行後5年の総点検調査」は別調査ではないかという疑問をもつようになり、2月7日に「働き方改革の『総点検』調査の疑問?」を追記しました。ぜひお読みください。

なお水島郁子・大阪大学大学院高等司法研究科教授(労働法学者、労働政策審議会の労働条件分科会委員・分科会長代理)は、日本成長戦略会議の労働市場改革分科会メンバー(構成員)に選ばれています。

2025年9月4日の労働条件分科会資料「働き方改革の『総点検』について」(PDF)

石破内閣が2025年6月13日に閣議決定
2025年9月4日の労働政策審議会 労働条件分科会 資料によると、石破政権の『経済財政運営と改革の基本方針2025』(2025年6月13日閣議決定)に「働き方改革関連法施行後5年の総点検を行い、働き方の実態及びニーズを踏まえた労働基準法制の見直しに ついて、検討を行う」と記載されています。

また石破内閣の『新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版』(2025年6月13日閣議決定)には「誰もが健康で、意欲と能力を発揮して働きやすい労働環境の下で生産性の高い多様で柔軟な働き方を推進す るとともに、働き方改革関連法施行後5年の総点検を行い、働き方の実態とニーズを踏まえた労働基準法制の見直しについて労働政策審議会で検討する」と書かれています。

働き方改革の「総点検」調査内容
2025年9月4日の労働政策審議会 労働条件分科会 資料によると、働き方改革の「総点検」調査は2025年7年9月を目途に、次の(1)(2)の調査を実施し、調査結果は11月目途に公表予定ということでした。

(1)アンケート調査
労働者の労働時間に関するニーズを把握。労働時間を<減らしたい・現状のままでいい・増やしたい>労働者の割合、今どれくらい働いているか、希望する労働時間数<減らしたい・現状のままでいい・増やしたい(上限規制の手前でもう少し働きたい・上限規制を超えて働きたい)>など。
対象者:モニター調査会社に登録している労働者
調査項目 :所定労働時間、総労働時間、希望する労働時間数とその理由 等

(2)ヒアリング調査
上限規制への対応状況、課題認識などについて「生の声」を把握。
対象者:企業及び労働者に対し、労働局により実施
調査項目
企業ヒアリング:上限規制への対応状況、上限規制の施行による課題認識、その他労働時間制度に関する要望 等
労働者ヒアリング:時間外労働の実態、上限規制についての認識、収入や働き方に対する希望、労働時間規制に関する課題認識 等

なお、自民党の雇用問題調査会は昨年(2025年)10月7日に、労働基準関係法制に関する議論の状況について厚生労働省から説明を受けて意見交換していました。

自民党の公式サイトを読むと、この日の雇用問題調査会で厚生労働省は「働き方改革関連法の規定に基づき、同省の労働政策審議会において労使双方から意見を聞く等して、労働基準法等の見直しに向けた議論を行っていると説明した」と書かれています。

また厚生労働省は「政府の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)と新しい資本主義実行計画を踏まえ、働き方改革の『総点検』としてアンケート調査とヒアリング調査を実施している」とし、「アンケート調査では労働者の労働時間に関するニーズを把握」「ヒアリング調査では企業等を対象に時間外労働の上限規制への対応や課題認識等を確認します」「結果は(2025年)11月をめどに公表する予定」などと説明した、と自民党公式サイトに書かれています。

しかし高市早苗氏が昨年10月21日に開催された臨時国会の首班指名選挙にて内閣総理大臣に選出・任命されると、働き方改革の「総点検」調査をめぐる状況は一変します。

10月22日には上野厚生労働大臣がは会見で就任挨拶をし、高市総理から「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討を行うこと」「働き方改革を推進するとともに、多様な働き方を踏まえたルール整備を図ること」など指示されたと述べています。

そして昨年12月24日に開催された日本成長戦略会議(議長は高市早苗総理)の(繰り返しになりますが)資料(『分野横断的課題への対応の方向性』内閣官房 日本成長戦略本部事務局)の項目5「労働市場改革」に「「働き方改革関連法施行後5年の総点検調査の結果を公表(26年1月目途)」と記載されています。

つまり石破内閣の時(石破政権の時)は働き方改革の「総点検」調査結果は2025年11月をめどに結果をとりまとめ、厚生労働省の労働政策審議会(労働条件分科会)に報告される予定でしたが、高市内閣(高市政権)になって2026年1月をめどに多分「日本成長戦略会議」(?)で公表(?)するらしいということに(私の知る限りでは現時点では調査結果は公表されていませんので正確にことは言えません)。

なお、第2回 日本成長戦略会議で労働組合の連合・芳野友子会長が提出した意見書には「『労働市場改革』で言及されている『働き方改革関連法施行後5年の総点検』や『労働時間法制に係る政策対応の在り方』などは、すでに労働政策審議会において2025年初よりおよそ1年をかけて慎重かつ丁寧に議論が積み重ねられている。成長戦略の検討においても、労働政策審議会における議論を尊重した対応がはかられるべきである」と記載されています。

私は労働組合の者ではありませんが、連合の芳野友子会長の労働政策審議会での議論を尊重した対応をはかるべきといった意見は、当然の意見だと思います。

また、高市早苗総理が施政方針演説で「働き方改革の総点検においてお聞きした働く方々のお声を踏まえ、裁量労働制の見直し」と述べています。

裁量労働制の見直し(拡充・対象拡大)根拠が働き方改革の総点検調査での働き方々の声であるのであれば、当然、施政方針演説前に働き方改革の総点検調査結果を公表すべきだったと思います。

追記:裁量労働制についてメンバー意見

第1回 日本成長戦略会議(議長は高市総理)労働市場改革分科会(会長は上野厚生労働大臣)が(2026年)3月11日、厚生労働省省議室で開催されましたが、後日、厚生労働省が労働市場改革分科会(第1回)議事録を公開しました。

その議事録によると、まず経団連専務理事の藤原清明メンバー(構成員、ただし議事録では「委員」と記載されています)は「付加価値の最大化に注力しながら労働投入の効率化を図るという働き方改革の進化が必要と考えております」と、また「付加価値の最大化に当たりましては、より柔軟で自律的に働ける環境整備、とりわけ裁量労働制の拡充が最重要課題と考えております」と意見を述べています。

連合事務局長の神保政史メンバー(構成員)は「労働参加を促進するためには、働くことを希望する女性、高齢者、障害がある方など、多様な人材が働きやすい社会を実現することが必要です。その実現のためには育児や介護あるいは治療等と仕事の両立支援のさらなる充実と、長時間労働の是正などの『働き方改革』の定着を進めていくことが求められていると考えております」と、また「裁量労働制については、連合の構成組織の中でも、労使で制度設計からきめ細かい運営まで運用を徹底し、趣旨どおり適切に運用をされているところもあります。一方で、真に裁量がない方への適用や、長時間労働になりやすい実態もあります。こうした点を踏まえれば、今行うべきは制度の拡充ではなく、2024年度改正を踏まえた定期的なモニタリングなどの適正運用の徹底であると考えております」と経団連のメンバーに反対する意見を述べています。

経団連と連合以外のメンバー(構成員)では、PwCコンサルティング上席執行役員の片岡剛士メンバー(構成員)は「裁量労働制の見直しは一定程度必要なのかなと思っています。ただ、裁量労働制がもちろん長時間労働促進につながらないようにするために工夫は必要」 と経団連の委員に近い意見を述べています。

また、大阪大学大学院高等司法研究科教授の水島郁子メンバー(構成員)は「労働者の健康確保のために勤務間インターバルが実効的」と、横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授の石崎由希子メンバー(構成員)は「裁量がない中でこの制度の適用を受けて長時間労働になってしまったりするという課題もありますので、本当の意味で労働者が仕事、特に業務量などに対しても裁量を持てているのか、その辺りがどう担保できるのかという点をやはり慎重に検討」と意見を述べています。

労働市場改革分科会の石崎由希子メンバー(構成員)と同様の意見は、労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)労働条件分科会でも公益委員から述べられています。

つまり「裁量労働制調査のデータを利用した厳密な解析からは、裁量労働制の適用の有無だけでなく、現場レベルでの裁量の有無が労働時間や睡眠、満足度等を強く左右することが明らかとなっている。今後の検討に当たっては、裁量労働制の適用有無のみを議論するのではなく、裁量の度合いが現場レベルでいかに担保されるかという点に着目して議論すべき」(第206回 労働条件分科会資料『各側委員からの主な意見の整理』)と。

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