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風燕伝: 蛍の淵解説 長生伝説と安らぎの純善の国

皆さん風燕伝楽しんでいますか?
風燕伝のストーリーと文化要素はファンタジーと実際の歴史を実に上手く融合させて作られていると思います。
その魅力を他のユーザーにも感じて貰いたいと思いこのような記事を無定期ですがやっていきたいと思っておりますのでこれからもよろしくお願い致します。
公開の都度Xでのアカウントでお知らせいたします、他の記事もありますのでフォローして頂けると幸いです。

※あくまで専門家ではなく素人一個人の趣味でやっておりますので間違っているところや不足な点があれば優しく指摘いただけると幸いです。
またどうしてもネタバレが含まれる事があるので観る前に是非ご了承ください。

今回の記事は裏物語でも表物語でもなく「蛍の淵」というサブストーリーとそれに関わる人物に焦点を当てて行きたいと思います。蛍の淵は短いながらも語られている出来事や人物が印象的で、また多くの謎を残したまま終わっていますので今後の展開が非常に気になります、なので現時点で分かっている事をまとめて解説して行きたいと思います。
※この記事はゲームバージョン1.5の段階で書かれていますの今後の展開によって内容がゲームと異なる事もあるのでご了承下さい。

オープニングで赤子の主人公を抱えて逃走する江無浪を遠くから見守るこの白髪の謎の男の正体にも少し触れて行きたいと思います
今回の登場する主要人物の関係図です

まず蛍の淵の話を理解するのに、付録にも書かれている長生(不老不死)にまつわる伝説が欠かせません。

この長生伝説に思い当たる付録が二つありました。

一つ目は
長生仙人伝
二つ目は
巴梧自伝

この二つは伝承と自伝でそれぞれ視点が違いますが、登場人物や流れを観ると恐らく同じ出来事を語っています。なので二つを照らし合わせて比較しながら何が起こったのかを、上中下巻の順番に見ていきましょう。
付録によると時代は約主人公の時代から300年前のAC500年末から600年初期まで遡ります。この頃の中国は隋が滅び〜唐が建国した頃です。

上の巻

長生仙人伝上
巴梧自伝上

この頃蛍の淵の周辺には瘴気の森が広がっていたため村人はしばし猛毒を持つ毒虫や蛇や植物などに悩まされていた。
そしてこの地に巴梧は婆さんに連れられ一緒に流れ住み着いた、婆さんは恐らく蠱術を使う虫師で、家では毒虫を自在操ることが出来る不思議な蛙王と呼ばれた大きなヒキガエルを飼っていた。巴梧も生まれつきの才で体の中から音を響かせることで虫を扱う事ができた、また顔に生まれつきの異形がありそれを隠すのに婆さんから「鹿神に守られた子」と言われ常に鹿の仮面を被っていたため村人から鹿神にちなんで「長生仙人」と呼ばれるようになった。
しかし婆さんは若い時蠱術の修行で散々江湖人に苦労をさせられたのか、虫害で困っていた村人から注目されるようになった巴梧の安全を考え世間との接触を避るようになった。

※蠱術・蠱虫(こじゅつ・こちゅう):蠱術は中国古代で行われた毒虫を媒体とする神秘的な巫術であり、その名称は「腹中の虫」という字義に由来し、飲食や接触を通じて人に虫毒を感染させることを指す。製法は、蛇や蜈蚣などの毒虫を器に入れて共食いさせ、生き残ったものを蠱、蠱虫と呼び、その毒を蠱毒と呼ぶ、代表的な種類には蛇蠱、金蚕蠱、 情蠱などがあり、一部の蠱は超自然的な特性を持つと信じられている。民間伝承では、蠱術は母系の血縁によって継承され、伝承能力は女性のみが持つとされる。

中の巻

長生仙人伝中
冶葛(ヤカツ)は猛毒な植物で唐では毒薬として記録されています、古代ではこういった人体実験的な事を返して色々な種類の毒や薬を開発していたのだろう
巴梧自伝中

巴梧が17歳になった時長生仙人の噂を聞きつけて陳懐郷という男が江湖で家族が毒を盛られたのか仙人にを助けるために家にやって来た。
江湖の怖さを知る婆さまは外の世界と関わりたくないと断ったが、男に同情した巴梧は密かに婆さまの処方を盗み提灯に入れて男に渡した。
陳懐郷はその後江湖で百毒を制すると評される薬を売り、そして「長生仙人の弟子」とな名乗るが彼からのお礼の手紙や挨拶はなかった。
その後婆さまは蛙王を巴梧に譲り、蛙王の虫を従わせる能力の秘密を明かした、蛙王は体内に長生虫という蠱虫を宿していて、更にその長生虫は不死の力を持ちそれはいつか彼女や誰かの命を救う事も出来るかもしれないと巴梧に伝えた。
同時に一度でも使ってしまうともう元には戻れないと忠告を受けた。

下の巻
最後に下巻ですが、ここで二つの書に大きな違いが現れるため、まずは長生仙人伝を観てみましょう

民を助け神通力で悪を倒し長生仙人伝は正に人々に讃えられる王道な物語として終わっています。

では次に長生仙人本人である巴梧の自伝はどうでしょうか?

婆さまが亡くなった後、外から来た江湖人を助け戦乱によって起こった虫害を解決した所までは長生仙人伝と同じだが、その後巴梧に助けられた江湖人達は長生仙人を讃えたのではなく、己の私利私欲に走り長生虫欲しさに村まで押しかけ、追い詰められた巴梧と村人は偶然にも大きな災害により村ごと山の深淵へ落ち、そして淵に閉じ込められてしまいます。

更に真実の物語は続きます。

蛍の淵の名は恐らく、深淵へ落ちた巴梧と村人達が灯した生活の光を外から見た人々が蛍のように見えたから付けられたのでしょうか

深淵へ落ちた巴梧は助けが来る見込みが薄いと察すると、自分と村人達に蛙王の長生虫を宿し長生を得ていつ来るかわからない救助の日を待った。

蛍の淵に巴梧と過ごした村人達の墓があっちこっちに見受けられます

時は経ち巴梧は異変に気付きます、自分の精神が段々と薄れて行く事を。そしてこれがかつて婆さまが忠告していた長生虫を使った代償なのかと…

そんな自我の意識が薄れ行く中ある男が満身創痍で深淵へ辿り着きます。
訪れたのはかつて彼女に救われ「長生仙人の弟子」と名乗っていた陳懐郷でした、男は深淵まで辿り着くのに大怪我を負ってしまったのか、巴梧は彼の死期が近いと察すると長生虫を授ける事を持ちかける、が男はただ首を横に振り彼女に自分が思う命と輪廻の概念を語ると、かつて彼女に貰った提灯を返し去っていった。

この時巴梧には男の言葉は理解できなかったが、返還された提灯には何と男が改良した長生者を元に戻す処方が入っていた。
悪因悪果、善因善果、彼女のかつての善意の灯が巡りに巡って今、自分を救う灯となったのです。

「長生とは、至上の宝にもなれば、無価値の塵芥にもなる。」

「生きるとは歳華(年月、歳月)のごとし。一世に一栄。」

人も動物も虫も植物も皆生まれそして死にまた次の姿に生まれ変わる、それによって河のような大きな流れが生まれそれが本当の意味での命全体の「長生」となる、かつて巴梧と陳懐郷が相手を思いやり善意を持って「提灯」を託し結果巡り巡ってお互いの命を繋いていったかのように。
しかし皆が自分だけの私利私欲を求め一つの姿に執着し留まるとその河の流れも止まりやがて命全体は生まれ変わるという「長生」を失い徐々に劣化し最後は塵芥と化してそして朽ちていく。

かつては理解できなかった言葉を理解できるようになったのか、彼女は婆さまと陳懐郷から託された二つの言葉を噛みしめ、自分と村の皆、そして後世の人々をこの呪いのような「まやかしの長生」から開放するため、この地に留まり残りの人生を懸けて丹薬を作ることを決心した。

以上が300年前に蛍の淵で起こった長生仙人にまつわる伝承とその真実の話でした。

満身創痍でここに辿り着き巴梧に恩を返し去ったが、陳懐郷は結局この地で果てた…
蛍の淵の入り口にある彼の墓


そして時代は進み約300年後、誰も居なくなった蛍の淵にある人物がやって来ます、この人物の後の所業は風燕伝最大なタブーをおかします。

300年ぶりに蛍の淵と長生蠱虫を発見したのは孫不棄という人物で、この時孫不棄は朱全忠(朱温)の侍医を努めていました。

朱全忠はご存じの方もいるかと思いますが、290年もの繁栄を極めた唐を滅ぼし混沌とした弱肉強食の時代・五代十国の幕を開けた張本人、また五代王朝最初の後梁国を建国した初代後梁の皇帝となった。
ではここで以降の物語と登場人物への理解を深めるためにこの時代の出来事を少し説明いたします。
AC618年に建国した唐は750年頃、楊貴妃でおなじみの6代皇帝・玄宗の統治下で繁栄の頂点を迎えます、がその直後の755年に起こった安史の乱をきっかけに衰退の道を辿ります、それでも風燕伝でも語られる河西域を奪われ、奪い返す、のような異民族や各藩による反乱や平定を繰り返し、なが~く、しぶと〜く9世紀末頃まで生き残ります、しかし875年遂に衰退した唐に止めを刺す大きな反乱「黄巣の乱」が起こります。
875年この年災害による飢饉や長年政府による悪政により庶民は食糧危機に陥り度々農民反乱が起きていた。
黄巣は若い頃から任侠を好み、科挙に臨むが落第して塩の密売人となった。政府の塩の密売摘発が始めると黄巣は兵を集め義賊と名乗って反乱を開始した(実際には略奪、虐殺しながら)、反乱軍は暴れ回りながら各地で賛同者を集めその数は膨張し一説によると約100万人まで膨れ上ったという。

黄巣軍は弱体した唐のあっちこっちを駆け回って滅茶苦茶にかき回したと思っていただければ

そしてAC880年、皇帝・僖宗が四川に逃れたため黄巣は長安を占拠し大斉国と称し皇帝を名乗った。が当然烏合の衆である反乱軍には国を統治をする能力はなく大儀のために控えていた略奪狼藉も再開、更に食料が尽きると庶民を捕まえ兵糧にするなどの惨い行為も行われたという…
これを見ていた黄巣の武将であった朱全忠(朱温)は黄巣に見切りをつけ、迫りくる元祖独眼竜・李克用率いる唐の討伐軍と合流し官軍側として884年に黄巣の反乱を鎮圧し、黄巣は手下によって殺害された。
その後朱全忠は李克用との政権争いに勝ち遂には唐の政権に入り込み、904年には皇帝・昭宗を暗殺し、昭宗の九男でわずか13歳の哀帝・李祚を次の皇帝に即位させ傀儡政権を成立させる。
その三年後907年には圧力により哀帝・李祚は朱全忠への禅譲(帝位を譲る)を余儀なくされ翌年908年、哀帝・李祚は追放先の曹州で毒殺された。
この一連により朱全忠は後梁国を建国し290年続いた大唐と李氏の血筋は完全に滅んだ。

ゲーム内の映像で一瞬登場する朱全忠
彼はAC912に実の息子によって殺されます。何故息子に恨まれたのか興味ある方は彼の行いを調べてみてください…

ここから再び風燕伝の世界軸に戻ります。世界軸と表現したのは風燕伝のストーリーは演出や創作は有るものの、概ね歴史人物の生死や出来事とは大きくかけ離れた結果になる事はなかった。
しかしここで物語は何と歴史のifに揺さぶりをかけます。(風燕伝は大きな一歩に出た)

開平2年(908年)

孫不棄の手記2によると実史通り朱全忠は孫不棄に命じ毒によって哀帝・李祚の暗殺の実行をした、しかし毒酒を飲んだのは李祚ではなく彼の恋人で身の代わりとなった柳青衣でした、この改変によって物語がどうなるかは後のお楽しみとして手記の続きを見ていきましょう。

毒を飲んでも柳青衣は死なず、なんと彼女は毒に耐性を持つ特異体質だった。これに気付いた孫不棄はかねてより長生虫を使った不老不死の研究をしていたので、彼女を実験体として蛍の淵へ連れて帰った。

長生の実験ですが資料が少なく蛍の淵内部に残された物や手記に頼るしかないので、ここでこの長生虫とは何か、どんな研究を行なったのかに関しての考察をしていきたいと思います。(あくまで全て現段階での推測ですので、最後まで妄想にお付き合い下さい。)

まず巴梧は自伝で「蛙王の長生虫は体内にいる」村人に虫を「植え付ける」という表現をしていたので、恐らく長生虫というのは宿主の体内に取り込んで寄生し代わりに虫が死なない限り宿主にも生きて貰わないといけないので宿主にも長生能力を与える寄生生物である。

中国版
とある巴梧が長生虫を植え付けた村人達の墓、日本版だと「毒虫により全滅し」と書いてあるが、中国版だと「毒虫が死ぬと共に帰す」的なニュアンスだったので、恐らく長生虫にも能力差がありまた長生虫が死ぬと宿主も亡くなってしまう

次に不可解な点として、孫不棄は長生虫を手に入れたはずなのに何故か未だに蛍の淵で柳青衣や大量の人間を使って人体実験をしていた、これは実際に虫を人に使ってみた結果、思ったような効果を得る事が出来なかったので未だに実験を続けている、つまり孫不棄の長生虫は本来の力を発揮できていない。

蛍の淵に入ると聞こえてくるあの美しい歌声は孫不棄が人を淵へ誘い込むための歌声だった…
蛙王も音を使い虫を呼び寄せていたと巴梧が記録していたので長生虫にはそういう能力が備わっているのかもしれない
普通に人攫いもしてました…

更に蛍の淵には助手の蛹人が調合した大量の毒池があり、また「柳青衣の体に毒液を骨など全身隅々まで浸透させた」という作業をしていた、これはもしかしたら長生虫が生きていくには宿主から毒成分を摂取しなければいけなかった、なので宿主も毒を摂取し続けなければならない。
ただこれだと宿主は毒に耐性がある特殊な人間にしか長生虫を使うことができない、しかし300年前に確かに巴梧や普通の村人達は長生虫によって延命をする事が出来た人もいた、そう考えるとやはり孫不棄が手に入れた長生虫は300年前のものとは違っていた。

実験で使われた毒液は全て助手の蛹人間が調合していた

そこで思い返すと巴梧自伝で婆さまは若い時に「江湖を巡り虫を鍛えていた」やの孫不棄の手記2で「長生蠱虫」と示していたので、孫不棄が手に入れた長生虫は300年前の巴梧の虫とは違い更に進化や変異をさせる必要があったのかもしれない。

以上を踏まえてまとめると、永遠に長生き出来る力を持ち、更に誰にも適応出来るような完璧な長生虫を作り出すには記事の最初の方で記述した蠱術のような錬成作業が必要、そこで人を器とし器の中で長期間様々な効力を持った毒液を大量に与え続けながら繁殖させ、交配または共食いなどをさせ淘汰や変異を促し長生虫を進化させる必要があった。
なので毒耐性の特異体質を持つ柳青衣は人間の長生虫錬成器としては最高の実験材料だったという事になります。

蛍の淵の無数にある実験体を見ると体内に数多くの長生虫?を飼っていたのが見受けられます
手記を見ると柳青衣は毒自体には耐性があったが毒から受ける痛みや苦しみには無力だった、その苦痛に耐える度に彼女が書いた「あの人」の名前の書が実験室に無数に散らばっているのを見ると、孫不棄の実験がいかに非人道的で惨かったのかが想像できます…
人体実験の被害者の中には遺体から慈心寺院で栽培されている紫の曼陀羅華花に似た花が生えているのも見受けられる、恐らく毒液精製のためにも人を使っていたのだろう
慈心寺院で織金閣によって栽培されている曼陀羅華花


孫不棄の最後の手記

時は進み手記3を見ると孫不棄はついに柳青衣を使って完璧な長生虫と長生体を作り出したのだろう。
だが不死となった柳青衣もまたかつての巴梧のように長生虫の副作用によって精神や自我に支障をきたすようになってしまった。
これを見た孫不棄は喜ぶところか無念を感じていた、なぜなら孫不棄の目的は天下の人々に長生を与え病や苦しみから人々を開放することだった、しかし肉体だけ不滅だとしても心が死んでしまっては全て無意味。
(まあ、偉そうなことを語ってますが実際やってきたことは人命を何とも思わない惨い実験の数々…なんというサイコパス…)
その後長生虫に失望した孫不棄は恐らく研究結果と実験体達を置き去りにし蛍の淵を去た。

孫不棄という人物を確認出来る任務がもう一つありました、恐らく蛍の淵の実験後だと思いますがあくまて推測だと思ってください。

貞明(AC915〜921年)主人の時代より約40年前

開封の朝生夕落花に関する任務で入手できる手記ですが、何と当時孫不棄は清渓の門徒でしかも開祖の水月先生の愛弟子だった。

二人と一緒に旅をしていたのが当代門主の孫願

孫不棄は霧林にやってくると朝生夕落の毒性に興味を持ち、これをまた地下で密かに人体実験で精製していたところ水月先生に知られ、鉄拳制裁された後に清渓から追放された。(ついに天罰が下されました!命まで取らなかったのは師としての情けなのか、清渓の教えなのか)

開封でも孫不棄による惨い人体実験が行われていた…
まさに歩くバイオハザード

だが約33年後にこの地で孫不棄の所業が元凶となって大惨事が起きてしまう、当代門主の孫願と清渓の門徒が命懸けで治療を行なった。
これ以降孫不棄に関しての記述はない。

一方蛍の淵に置き去りにされた柳青衣は長生虫を長年宿したことにより自我を失いづつあった…
そんな蛍の淵に一人の男が仙人や夢傀儡の噂を聞きつけてやって来る。

夢傀儡を追ってきたという
この時彼はまだ知らない…蛍の淵の奥で彼を待ち受けるものとは…

男は当初長生仙人の伝承に半信半疑だったが洞窟の奥へ進み、歌声と毒液で満ちた広い空間に出るとそこで孤独に水辺に立つ女性に出会う。

女性はある事を繰り返し呟くと歌声に惹かれて毒液の湖へ身を投げ出そうとした、男は彼女に声をかけ慌てて引き止めようと近づく

引き止めた彼女の顔を覗いた瞬間男は驚き思わずある人の名を口にした

長生虫を長く宿しもはや自我が消えかけていた柳青衣の元にやって来たのは…そうです、過去に彼女が身代わりに毒酒を飲んで助けた今は無き唐の最後の皇帝 哀帝・李祚だったのです。

ゲーム内のモデル検証、間違い無さそうですね

しかし柳青衣は既に夢傀儡かのように彼に全く反応をする事が無かった…驚きながらも彼女の様子がおかしいと察した李祚は原因を知るために蛍の淵を探索した。不幸中の幸いなのか孫不棄は研究資料を隠滅しなかったので李祚はすぐに長生実験の真相や孫不棄が清渓の門徒だった事を知る、そして当時門主だった水月先生に手紙を出し彼女の協力を求めた。

師としての責任感や罪悪感が見て取れますね

水月先生はすぐに蛍の淵に駆けつけ青衣の治療にあたるが、残念ながら水月先生にも長生虫を治す方法はなく彼女の精神と記憶を取り戻すのに最善を尽くしてくれた。
精神を取り戻した青衣は李祚との再開を大いに喜び、水月先生が危惧していた自害をする事もなく二人は暫くの間、過去の思い出を語り合いながら蛍の淵で幸せな時間を過ごした

10代の頃李祚が曹州へ追放された時の様子を語る文献
幼い頃から柳青衣が如何に李祚の事を大切に想っていたのかが伺える、
また家族を奪われ国も奪われた李祚の無念さと悲しみもここから感じ取れる
蛍の淵で見つかる二人だけの思い出のお酒、とそれにまつわる話
二人には共感する理想の国の形があった

幸せな時間を過ごす中、孫不棄の爪痕はまだまだ残っていた。
実験で使われた無数の遺体や失敗作とされた夢傀儡達が淵に取り残され、精神を取り戻した柳青衣は改めてこの惨状を目のあたりにすると、自分の体に未だに宿っている長生虫が全ての元凶となった事への罪悪感に苛まれ犠牲になった遺体を供養し埋葬することを考えた、これには李祚も賛同してくれた。
そして長年、長生実験で使われていた毒液や廃棄物などによる汚染もまた近くの小鹿村にまで浸食し、村人は自我を失いやがて石化してしまう難病に罹ってしまった。それを知った柳青衣はここでも残された者としての責任感を感じ孫不棄の研究資料から処方を作り、鹿の仮面を被り村を訪ね彼らが回復するまで看病した、やがて彼女は村人から「鹿仙人」と呼ばれるようになった。
これが後の青年時代の田英の物語で出てくる荒魂村の村長が語っていた呪いの病と過去に出現した「鹿仙人」の正体だと思われます。

しかし時が経つにつれこのかけがえの無い二人の時間も終わりを迎えます…
一時的に精神が回復した柳青衣だが長生虫が完治したわけではありませんので当然また副作用により精神や感情が薄れていきました、それを察した彼女はある決断をします。

自我が無くなる前に彼女の意志で自害することによってこのまやかしの長生を終わらせ罪を償う、それは長生虫を作り出した訳ではないが結果的に長生虫を宿した自分が存在するかぎり、このような悲劇がまた起こってしまうだろうという恐れと罪悪感からなのでしょうか。

しかし柳青衣の考えに李祚は全く賛同できず、逆に長生虫がもたらす長寿を手に入れることで人は欲や感情から解放され争いが無くなり、それこそが二人が夢見ていた永遠のやすらぎの国の姿だと、それを一緒に実現するために青衣に生きてほしいと彼女に説く。

過去の悲惨な境遇からこの世への復讐心や自分の理想の国を取り戻すという事に執着し、李祚は長生虫がもたらす長寿とは、人を「人」たらしめるもの全てを奪っていく只の無意味な「まやかしの長生」であることにすら気づくことができなくなってしまった…そう悟った柳青衣はそれでも彼に気付いてほしいと背いっぱいの思いを込めて彼に訴える、が李祚はもう彼女の言葉に共感することは無かった…

その後恐らく李祚は蛍の淵を去り柳青衣は再び孤独になり、一人で遺骸の供養と村人の救済を続けた。


この頃、子供だった無相皇も彼女に引き取られ以降自分の子として育てた

やがて柳青衣は自我が無くなる前に自害し蛍の淵で亡くなった。

知らせを受け蛍の淵に戻ってきた李祚は柳青衣之墓と書かれた墓石の前で彼女に語り掛ける。

巴梧と陳懐郷が提灯を使ってお互いの命を繋いていったのとは対象的な印象を受ける一文
李祚はここで柳青衣からの最後の灯(思い)を消し、結局彼女の思いを繋ぐ事ができなかった
自分のこの世への憎しみを柳青衣の死で正当化しようとしているように感じる、絶対に自分の非を認めないタイプとみた
自分は変わらないと思っているが彼女にとって李祚は変わってしまった…
悪だと知りながら己の善のために悪を行う、その結果は善なのか悪なのか…

李祚はかつて柳青衣と絵がいていた全ての人々に安らぎを与え、純粋で善に満ちた国「新唐」の実現を彼女に固く誓った。それにはたとえ邪道の道を進む事になったとしても…

そして最後に、亡くなったはずの柳青衣との再会をほのめかす謎の一文を言い残し蛍の淵を再び去っていった…


李祚のその後はゲーム内のオープニングムービーで少しだけ登場しましたが、まだまだ謎だらけです、ここからは彼の動向に関して少し予測をして終わりたいと思います。

まず彼と関わりがあるそうな組織がこちら

千夜も織金閣のメンバーでしたね

南唐の織金閣です、名前から柳青衣が過去に踊った唐とゆかりがある「織金舞」を連想できます、更に組織の理念がまさに彼が目指す「新唐」そのものです。
そして柳青衣の人物紹介の文で保大九年に彼女の墓に再びお参りをしています、保大というのは南唐が使っていた年号ですので恐らくその後李祚は南唐へ向かったのでしょうか。
織金閣は更に傀儡に関してかなりの技術を有しています。

既に猿を使った夢傀儡を作り出ししかも鈴の音で操る事が可能、音で操るとはまさに長生虫の能力が思い浮かびます、そして蛍の淵にいた李祚は孫不棄が残した長生虫や夢傀儡の技術資料を1番入手できていたはず。

柳青衣と蛍の淵で再開した頃(920年)とあんまり変わっていない?

次に彼の肉体の若さ、李祚は892年に誕生しているのでオープニングで江おじさんが赤子の主人公と逃走している時はゲーム開始時の16年前の946年、李祚はこの年54歳となるので白髪とは言え異常に若く見えます、何か不老の秘訣があるのか…?

オープニングで江無浪が無相皇を倒すのを裏で見届けていたり。公式の色んなPVでやたらと主人公との存在を重ねたり、江無浪と対峙していたりするシーンが多いので主人公達との関係も気になります

そして彼は上でも述べたように優一風燕伝で史実の運命から逃れた人物なので、一体この後どうストーリーと歴史に関わってくるのか、また彼の言う「純善の国の実現」「柳青衣との再会」とは何なのか?
今後の物語の展開を楽しみにして待ちましょう!

では以上で蛍の淵に関する解説になります、いつもながら長い間ご観覧ありがとうございました。

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