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問題社員のせいで、周りの社員が疲弊していませんか?〜実体験から考える、会社としての向き合い方〜

■「こんなに注文しないでよ!」

以前勤めていた会社で、福利厚生の一環として、
「全国ご当地ラーメン」を格安で購入できる機会がありました。

チルドタイプのラーメンです。

「せっかくだから、家族にも食べさせてやりたいな」

そう思ったわたしは、いくつも注文しました。

「あら、おいしいわね」

家族から、そんなひと言が聞けたらいいな。
ただ、それだけでした。

もちろん、注文数に上限はありません。

後日、商品が届きました。

別の部署の職員が、
注文した人たちにラーメンを配って回っていました。

わたしのところにも、
注文した分を持ってきてくれました。

「ありがとうございます」

受け取ったあと、
その人が立ち去ろうとしたときです。

突然、こう言われました。

「こんなに注文しないでよ!」

……は?

家族に食べさせてやりたかっただけだ!
なのに、何だよ、その言い方!
感じ悪っ!

配るのが大変だったのなら、
たくさん注文した人には、
取りに来てもらえばいい。

一人ひとりに連絡するのが大変なら、
メールや通知で知らせればいい。

そもそも、注文数に上限はありませんでした。

だから、そのときのわたしは、

「なんだか感じの悪い人だな」

くらいにしか思っていませんでした。

まさか、その後。
わたしが、その人と同じ部署で働くことになるとは、
思ってもいませんでした。

その後、わたしは人事異動で、
その人がいる部署へ異動することになりました。

そしてそこで、

「感じの悪い人」では済まされない出来事を、
目の当たりにすることになります。


■日に日に、様子がおかしくなっていった

異動先には、ある後輩女性がいました。

わたしは、その女性から仕事を教えてもらっていました。

その後、彼女は、
あの人とペアを組んで仕事をすることになります。

ところが。

日が経つにつれて、
彼女の様子がおかしくなっていきました。

いつもの彼女と、何かが違う。

気になったわたしは、あるとき声をかけました。

「何かありました?」

すると、彼女は話してくれました。

一緒に仕事をしているのに、
相手が口をきいてくれない。

何か悪いことをしたのか。

自分の仕事のやり方がいけなかったのか。

でも、相手は何も言ってくれない。

理由が分からないまま、
彼女は自分を責めるようになっていきました。

一緒に仕事をする相手から、何も言われない。

何が悪いのかも分からない。

だから、直しようもない。

そして、その後。

彼女は、心の調子を崩してしまいました。


■彼女だけではありませんでした

その後、わたしは知ることになります。

同じ人との関係に悩んでいたのは、
彼女だけではありませんでした。

その人との関係に耐えられず、
異動を願い出た人がいました。

心身の調子を崩し、
職場を辞めた人もいました。

そして、わたしが会社を辞めたあと、

かつて一緒に働いていた先輩女性と、
LINEでやり取りする機会がありました。

彼女も、同じ人との関係に悩んでいました。

「口をきいてくれない」

そう嘆いていました。

ここで、わたしの中で一つのことがつながりました。

気に入らない相手とは、口をきかない。

それは、
たまたま一人の後輩との間で起きたことではありませんでした。

もちろん、

誰かが心身の調子を崩したことも、
異動を希望したことも、
会社を辞めたことも、

その人ひとりだけが原因だったと、
わたしには断定できません。

人が仕事を続けられなくなる理由は、
そんなに単純ではないからです。

それでも、

同じ一人の職員をめぐって、何人もの人が苦しんでいた。

それは、わたしが実際に見聞きしたことでした。

そこで、わたしは疑問を持つようになりました。

これは、本当に「人間関係の問題」なのだろうか?

職場には、気の合う人もいれば、
どうしても合わない人もいます。

全員と仲良くする必要もありません。

でも、

一緒に仕事をする相手と口をきかない。

その周りで、何人もの人が疲弊していく。

異動を願い出る人がいる。

職場を去る人までいる。

それでも、

「人間関係の問題だから」

で済ませていいのでしょうか?

個人同士の相性ではなく、
会社として向き合うべき問題ではないだろうか?


■「仕事ができるから」で、見過ごしていませんか?

こうした問題が難しいのは、

問題を起こす社員=仕事ができない社員、とは限らない

ということです。

自分の担当業務は、きちんとこなしている。

知識もある。

経験もある。

むしろ、周囲から
「仕事ができる」
と評価されていることさえあります。

だからこそ、

「多少、人間関係に問題があっても……」

「仕事はできるから……」

と、周囲への影響が見過ごされてしまうことがあります。

でも、会社が見るべきなのは、

その人ひとりの仕事ぶりだけでしょうか?

その人の周りで、
疲弊している社員はいないか。

仕事がやりづらくなっている社員はいないか。

異動したいと思っている社員はいないか。

会社を辞めたいと思うほど、追い込まれている社員はいないか。

一人の社員が成果を上げていたとしても、
その周りで何人もの社員が力を発揮できなくなっているのなら、

それもまた、会社にとって見過ごせない問題ではないでしょうか。


■だからといって、すぐに辞めてもらえばいいわけではない

では、

「周りを疲弊させる社員なら、辞めてもらえばいい」

のでしょうか。

わたしは、そんなに単純な話ではないと考えています。

仕事のできる社員かもしれない。

長年培ってきた知識や経験を持っているかもしれない。

会社にとって必要な人材かもしれない。

そして何より、

周囲から話を聞いただけで、

「この人は問題社員だ」

と決めつけるわけにもいきません。

本人には、本人なりの言い分があるかもしれません。

だから、

放置するのでもない。

感情的に排除するのでもない。

まず必要なのは、

「いま、この会社で何が起きているのか」

を整理することではないでしょうか。


■問題社員だけを見ない

問題が起きると、どうしても、

「この社員をどうするか」

に目が向きます。

注意するのか。

指導するのか。

配置を見直すのか。

もちろん、それも必要です。

でも、その前に見てほしいものがあります。

その人の周りで、何が起きているのか。

誰が困っているのか。

どんな仕事に影響が出ているのか。

同じことが繰り返されていないか。

そして、

会社はこれまで、その問題にどう対応してきたのか。

一つひとつ整理していくと、

単なる「人間関係のトラブル」だと思っていたものが、

会社として向き合うべき問題

として見えてくることがあります。


■まず、自社の状況を整理してみませんか?

ここまで書いてきたのは、
わたしが実際に職場で見聞きしてきた経験です。

だからこそ、

「仕事はできる。だけど、周りが疲弊している」

そんな社員がいる職場では、

問題社員本人だけを見るのではなく、
周囲への影響まで含めて考える必要がある

と考えています。

とはいえ、

「では、何から考えればいいのか」

と迷う経営者の方もいるのではないでしょうか。

そこで、

「仕事のできる問題社員」に悩んでいる経営者の方が、
自社で起きていることを一つずつ整理するための記事
を書きました。

▶『「仕事のできる問題社員」に悩む経営者へ〜自社の状況を整理するためのシート〜』

このシートは、問題社員を感情だけで判断するためのものではありません。

本人の仕事ぶりと、周囲への影響。
その両方を見ながら、自社の状況を整理する。

そのために、活用していただけたらと思います。

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