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「うちは関係ない」とドアを閉ざす住民をどう動かす? 専有部の配管更新で理事会が直面する「拒否権」の壁

「専有部の配管更新工事を行います。〇月〇日から順次、職人がお部屋に入って作業します」

築30年〜40年を迎えるマンションで、避けて通れないのが「給排水管」の更新です。 共用部分の縦管(パイプスペースにある管)だけでなく、各部屋の床下を通っている横引き管(専有管)も同時に変えなければ、漏水リスクはなくなりません。

しかし、理事会がいざ工事を決断し、全戸にアンケートを取ると、必ずと言っていいほどこの回答が返ってきます。

「うちはリフォーム済みだから必要ない」 「他人を部屋に入れたくない。勝手にやるから放っておいてくれ」

いわゆる【工事拒否】です。 個人の所有権がある以上、理事会といえども無理やりドアをこじ開けて工事することはできません。 しかし、この拒否者を放置すると、数年後にその部屋から水漏れが発生し、階下の住人が被害を受けるという「時限爆弾」を抱えることになります。

今回は、頑なにドアを閉ざす住民に対し、理事会が突きつけるべき【2つの残酷な事実(殺し文句)】について解説します。

1. なぜ彼らは拒否するのか?

まずは相手の心理を知りましょう。 「リフォーム済みだから」というのは建前で、本音の多くは以下の3点に集約されます。

・部屋が汚すぎて(ゴミ屋敷状態で)見られたくない。
・高齢で、知らない職人が出入りするのが怖い。
・家具を動かすのが面倒くさい。

これらは全て「感情」と「現状維持バイアス」です。 したがって、理事会が「マンション全体のために協力してください」と道徳やマナーで説得しようとしても、彼らの心には響きません。 彼らを動かすのは、感情ではなく【強烈な損得勘定(恐怖)】だけです。

2. 殺し文句①:「今なら30万円。後でやると100万円です」

一つ目の武器は、【スケールメリットの喪失】を金額で提示することです。

今回の工事は、マンション全戸で一斉に行うからこそ、材料の大量発注や職人の効率配置ができ、1戸あたりの単価が安く抑えられています(例:30万円)。 これを拒否し、将来漏水してから個人的に工事をしようとすると、足場代や養生費、職人の手配費がすべて単独負担となり、費用は2倍〜3倍(例:100万円以上)に跳ね上がります。

「拒否するのは自由ですが、将来やる時はこれだけ高くなりますよ。修繕積立金からは一銭も出しませんよ」 この金額差を文書で突きつけることで、「今やっておかないと損だ」という意識を植え付けます。

3. 殺し文句②:「拒否して漏水したら、保険は使わせません」

二つ目の武器は、【責任の所在の明確化】です。これが最強の切り札です。

通常、マンションで漏水事故が起きれば「個人賠償責任保険」や、管理組合の「包括特約」などで賠償金がカバーされます。 しかし、これはあくまで「突発的な事故」だから使えるものです。

管理組合が「管が老朽化して危険だから交換しましょう」と提案し、費用も用意した。それにもかかわらず、合理的理由なく工事を拒否した結果、その管から漏水した場合。 これはもはや事故ではなく、所有者の【重過失(管理不全)】とみなされる可能性が高くなります。

こうなると、保険会社は保険金の支払いを渋ります。また、管理組合としても「あなたのワガママで起きた事故なのだから、組合の保険は使いません」と通告する正当性が生まれます。

「もし工事を拒否して階下を水浸しにしたら、数百万円の損害賠償を、保険を使わずに自腹で払うことになります。その覚悟はありますか?」

この通告書を内容証明郵便で送る準備がある、と伝えるだけで、多くの拒否者は「そこまで言うなら…」とドアを開けます。

結論:「同意書」ではなく「念書」を取る

それでも拒否する人がいたらどうするか。 最後は、以下の内容を記した【念書】にサインを求めてください。

  1. 今回の一斉更新工事を、自己の都合で拒否することを確認した。

  2. 将来、専有部の配管更新を行う際は、全額自己負担で行うことを承諾する。

  3. 今後、当該配管からの漏水により他者に損害を与えた場合、一切の責任を負い、管理組合には迷惑をかけないことを誓約する。

ここまでやれば、理事会としての責任(善管注意義務)は果たしたと言えます。 そして不思議なことに、この「恐ろしい念書」を突きつけられた瞬間、ほとんどの人が「やっぱり工事を受けます」と翻意するのです。

優しい言葉では、マンションは守れません。 時には「リスク」を明確に突きつけることが、結果としてその住民自身を守ることにもなるのです。


【最後までお読みいただき、ありがとうございます。】

「まさに今、工事を拒否している部屋があって困っている…」 そんな理事会役員の方は、ぜひ【スキ(♡マーク)】でその苦悩を共有してください。その1スキが、解決策を広める力になります。

また、『ウチはこうやって説得した』『逆に説得に失敗した』などの実体験があれば、コメント欄で教えてください。現場のリアルな知恵を集めましょう。

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