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「上の階の子供がうるさい」に理事会はどこまで介入すべき? 警察も管理会社も逃げ出す騒音問題の「最終防衛ライン」

「上の階の足音がうるさくて眠れないんです。理事長から厳重注意してください!」

ある日突然、理事長のポストに投函される悲痛な手紙。 マンションに住む以上、誰もが被害者にも加害者にもなり得るのが「騒音トラブル」です。

しかし、この相談を受けたとき、責任感の強い理事長ほど陥りやすい罠があります。 それは、「私が間に入って解決してあげなければ」と張り切ってしまうことです。

はっきり申し上げます。その親切心は、火に油を注ぎ、あなた自身を訴訟リスクに晒す危険な行為です。 警察ですら「民事不介入」で逃げ出す騒音問題に、ボランティアである理事役員が丸腰で飛び込んではいけません。

今回は、騒音トラブルに対する管理組合の「正しい距離感」と、泥沼化させないための【3ステップの対応策】について解説します。

1. 理事会は「裁判官」ではない

まず、大前提として知っておくべき残酷な事実があります。 【管理組合にも管理会社にも、個人の生活音を止めさせる法的権限はない】ということです。

騒音問題が難しいのは、「うるさい」という感覚が主観的だからです。 被害者が「騒音だ」と感じても、加害者は「普通の生活音だ」と主張します。 どちらが正しいかを判定できるのは、裁判所だけです。

もし、理事長が一方の言い分だけを信じて「静かにしなさい」と注意した場合、後で「生活音の範囲内だった」と判明したらどうなるでしょうか。 今度は注意された側から「理事長に名誉を傷つけられた」「不当な強要だ」と訴えられるリスクがあります。

したがって、理事会のスタンスは常に**「中立」**でなければなりません。 「大変ですね、解決をお手伝いします」とは言っても、「相手を叱ってあげます」とは絶対に言ってはいけないのです。

2. 警察も管理会社も「介入」はできない

「じゃあ警察に通報すればいいの?」 深夜のパーティや楽器演奏など、明らかに常軌を逸した騒音であれば警察も動きますが、子供の足音やドアの開閉音といった「生活音」の場合、警察は注意こそすれ、取り締まる法律がないため深くは介入できません。

また、管理会社も同様です。 「管理会社なんだから注意してよ」と言われますが、私たちの業務はあくまで「共用部分の管理」です。専有部分(部屋の中)の揉め事に介入する義務も権限もありません。

つまり、最終的には「当事者同士で解決してもらう」しかないのです。

3. 理事会がやるべき「泥臭い」3ステップ

では、理事会は「何もできません」と突き放せばいいのでしょうか? それでは住民感情が悪化し、別のトラブル(嫌がらせ等)に発展しかねません。

介入はしないが、解決のための「環境(レール)」は敷く。これが理事会の役割です。具体的には以下の3段階で進めます。

ステップ①:全戸配布(広報)
特定の部屋を指名せず、「騒音に関する苦情が寄せられています」という一般的な注意喚起文を全戸に配布・掲示します。 実は、加害者の多くは「自分がうるさい」ことに気づいていません。 「あ、ウチのことかも?」と気づかせるだけで、解決するケースは3割ほどあります。

ステップ②:個別投函(記録化)
それでも収まらない場合、被害者に「いつ、どんな音が、どのくらい続いたか」を記録する【騒音記録表】をつけてもらいます。 その客観的データに基づき、加害者と思われる部屋(およびその上下左右の部屋)に対し、「近隣で騒音の相談が出ています。お心当たりはありませんか?」という少しトーンを強めた手紙を投函します。 ここでもまだ、直接的な犯人扱いは避けます。

ステップ③:話し合いの場の提供

ここまでやっても解決しない場合、最後の手は「直接対決」の仲介です。 ただし、玄関先での立ち話は感情的になり危険です。 理事会がマンションの集会室を用意し、第三者(理事役員または管理会社担当者)立ち会いのもと、当事者同士で話し合う場をセッティングします。

ここで重要なのは、立会人は「司会進行に徹する」ことです。 「まあまあ、あなたも我慢して」とか「それはあなたが悪い」といった判定は一切しません。あくまで冷静に話し合うための「見届け人」に徹します。

結論:最終防衛ラインは「記録」を残すこと

ここまでやっても解決しない場合は、残念ながら法的手続き(調停や裁判)に進むことになります。 その時、理事会が作成した「対応記録(広報した日時、話し合いの議事録)」は、裁判において非常に重要な証拠となります。

「理事会としては、ここまで誠実に対応しました。これ以上は司法の領域です」

こう胸を張って言える状態を作ることこそが、管理組合を守る最終防衛ラインです。 騒音トラブルに特効薬はありません。しかし、手順を間違えなければ、理事会が巻き込まれて火傷することは防げるのです。


【最後までお読みいただき、ありがとうございます。】

「今まさに騒音クレームの板挟みになっています…」 そんな理事長さんは、ぜひ【スキ(♡マーク)】でその心労を教えてください。解決は難しくても、同じ悩みを持つ仲間はここにいます。

また、『騒音が解決した意外なきっかけ』や『効果があった注意文』などがあれば、コメント欄でシェアしてください。あなたの経験が、誰かの安眠を取り戻すかもしれません。

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