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ハンコを押す前に3分だけ見て。管理委託契約の更新時、どさくさに紛れて「不利な条件」に変更されていないか確認する方法

「それでは、次期の管理委託契約についてご説明します。金額は前期と同じですので、ご安心ください」

総会の直前に開かれる理事会で、管理会社の担当者が分厚い契約書を提示し、さらっとこう言う場面。 ここで「ああ、同じならいいか」と中身を見ずに承認印を押してしまう理事長さんが、実は9割以上です。

しかし、現役のフロント担当者として警告します。 その「前期と同じ」という言葉を鵜呑みにするのは、あまりに危険です。

実は、この契約更新のタイミングこそが、管理会社にとって【自社に有利な(組合に不利な)条文変更】を紛れ込ませる絶好のチャンスなのです。

今回は、膨大な契約書の文字を読む必要なく、【たった2箇所】チェックするだけで、管理会社の「改悪」を見抜くプロの技術をお伝えします。

1. 「重要事項説明」は儀式ではない

まず大前提ですが、管理会社との契約更新には、管理業務主任者による「重要事項説明(重説)」が法律で義務付けられています。 担当者が早口で読み上げるのを、ただボーッと聞いているだけの時間になっていませんか?

この重説の際、必ず配布される「重要事項説明書」と「契約書案」。 ここに、爆弾が仕掛けられている可能性があります。特に注意すべきは、以下の2点です。

チェックポイント1:契約の「解約予告期間」
~3ヶ月が6ヶ月になっていませんか?~

管理委託契約書には、必ず「解約」に関する条項があります。 標準的な契約(マンション標準管理委託契約書)では、【解約の申し入れは、3ヶ月前までに行う】とされています。

これは、もし管理会社の対応が悪くて「変えたい(リプレイスしたい)」と思った時、3ヶ月前に通告すれば辞めさせられる、という組合側の強力な権利です。

しかし、ここをこっそりと【6ヶ月前】や【1年前】に書き換えられていたら注意です。 担当者はこう言います。 「安定した管理サービスを提供するために、期間を少し延ばさせていただきました」

もっともらしい理由ですが、騙されてはいけません。 これは単に、「他社に切り替えられるのを防ぐためのロック(縛り)」です。 解約予告が6ヶ月になると、リプレイスのハードルは劇的に上がります。次の総会で決議しても、実際の変更は半年後。その間の引き継ぎは地獄のような空気になります。

もしここが「3ヶ月」以外になっていたら、即座に「標準契約書通り、3ヶ月に戻してください」と指摘してください。正当な理由なくこれを拒否することはできません。

チェックポイント2:管理会社の「免責事項」
~責任の範囲が狭くなっていませんか?~

もう一つ、見落としがちなのが「免責(責任を負わない)」に関する条項です。

例えば、 『地震、台風等の不可抗力による損害については、乙(管理会社)はその責を負わない』 これは普通です。 しかし、ここに余計な一文が追加されていないでしょうか。

『その他、乙の責めに帰すべからざる事由により…』
『システムの不具合等により生じた損害については…』

最近増えているのが、管理システムやアプリの導入に伴い、「システム障害でデータが消えても責任は取りませんよ」という免責条項を追加するケースです。 もちろん、想定外の事態はあるでしょう。しかし、管理会社のミスやセキュリティ不備で個人情報が流出した場合まで「免責」にされてはたまりません。

「この免責条項、具体的にどんなケースを想定していますか? 私たちの過失ではない場合でも補償されないのですか?」 と質問し、曖昧な回答であれば削除を求めてください。

2. プロが使う「新旧対照表」という武器

「いちいち細かい文字を読むのは面倒だ」 という理事長さんに、最強の武器を授けます。

契約更新の際、担当者にこう一言伝えてください。
「前期の契約書と、今期の契約書案の【新旧対照表】を出してください」

新旧対照表とは、変更があった部分だけを「左:旧契約、右:新契約」と並べて示した資料です。 これがあれば、変更点が一行もないなら「変更なし」、あるなら「どこが変わったか」が一目瞭然です。

もし担当者が「いや、作成していませんでして…」と渋るようなら、それは【見られたくない変更がある】という自白に等しいです。 「変更がないなら、すぐに作れますよね? 作れないなら更新の承認はできません」 と突っぱねてOKです。

誠実な管理会社であれば、変更点(例えそれが些細な誤字修正であっても)を明示した資料を、最初から添付してくるはずです。

結論:無知な組合は「縛られる」

契約書は、トラブルが起きた時に初めて効力を発揮する「武器」です。 平時には誰も気にしませんが、いざ管理会社と揉めた時、「あ、契約書に書いてあるので無理ですね」と言われたら、そこでおしまいです。

3月の総会前、お手元の契約書案を3分だけ見てください。
・解約予告は「3ヶ月」か?
・怪しい「免責」は増えていないか?
・「新旧対照表」はあるか?

このチェックを怠ると、あなたのマンションは今後1年間(あるいはそれ以上)、不利な条件で縛られ続けることになります。 ハンコを押す前の「3分」が、資産価値を守るのです。



【最後までお読みいただき、ありがとうございます。】

「契約書なんて、一度もまともに読んだことなかった…」 とドキッとした理事長さんは、自戒を込めて【スキ(♡マーク)】を押してください。そのワンクリックが、次の防衛策を学ぶ第一歩です。

また、『契約書でこんな変な条文を見つけた』『更新時に値上げを要求された』などの体験談があれば、コメント欄でシェアしてください。 その条文が適正かどうか、プロの視点でコメントさせていただきます。

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