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特別養子縁組で娘を迎えた夫婦が作った、愛を伝える「絵本」

生後数週間の小さな赤ちゃんを特別養子縁組で家族として迎え、5年経つ。

このnoteでは、娘が自分の生い立ちを優しい気持ちで知ることができるよう、夫婦で作った絵本について書いてみた。

また、この記事は、私と三神良子ちゃんが主催している「コンパッション・マインド・トレーニング」の受講生コミュニティで実施している「#コンパッションアドベント2024」の初日投稿でもある。

はじめに

5歳になった娘は、元気に自転車を乗り回し、両手で一生懸命に足し算をするようになり、毎日ひらひらの服を選び、時に自分で化粧をしてまぶたやほっぺをピンクにして楽しんでいる。毎日お友達とゲラゲラ笑い、先生から注意されて落ち込んだり、私が悲しいことがあった時は黙ってハグをしてくれる。
本当に大きくなったものだ。

先日、娘が5歳になった節目に、これまでに感じていた「かぞくのカタチ」についての記事を投稿した。初めましての方は、もしお時間があれば、こちら⇩も見て頂きたい。

沢山の方に見ていただき、「自分も同じようなことを考えていて、とても共感した」「自分の思い込みについて見直す機会になった」「絵本も読んでみたい!」といった感想を伝えてくださる方もいた。私にとって、誰かと想いを共有できる、心温まる機会となった。


絵本を書こうと思った背景

特別養子縁組で子どもを迎えた親には、出生に関する事実を子どもに伝えることが求められる。これを専門用語で「真実告知」という。

「真実告知」では、親子としての血のつながりがないこと、生みの親がいろいろな事情で育てることができなかったこと、里親としての自分たちが育てることを望み、あたなは大切な存在であること。そういった「真実」を伝える。

養子に限らず、自分がどこから来たのか、子どもがその生い立ちやルーツを知ることはアイデンティティーの確立に欠かせないため、1994年に制定された「子どもの権利条約」でも、子どもの出自を知る権利が明確に定められている。

切ないと思われる方がいるかもしれないが、戸籍の記載などもあり、生い立ちを一生隠し続けることはできない。また、子どもの知る権利を損ねることで、無用な怒りや悲しみを避けるためにも、とても大事なプロセスなのだ。

娘が自分の生い立ちを考えるときに、それが優しく温かいものであって欲しい。
「自分が愛され、支えられて生きてきた」と思うものであって欲しい。

そんな願いを込めて、絵本を書くことにした。

真実告知で大切ことは、「深刻なことだと子どもが思わないように、親が動揺しないこと」「子どもが自然に受け入れられるように伝えること」だと乳児院の職員さんから聞いた。

絵本を小さい時から読み聞かせていれば、私と夫も伝えることに慣れていくし、娘も自然に受け入れられると思った。

そして、私1人で作るのではなく、夫にも制作に参加してもらうことで、家族みんなの「特別な絵本」にしたいと思った。文章は私が考え、絵は夫に描いてもらうことにした。


絵本を紹介します

まず、最初から最後まで読んでいただきたい。(個人名などは消してます)

表紙:生まれてきてくれたことへの感謝・喜びを伝えたいと思い、この題名にした。絵は、娘のとっても素敵な国宝級の笑顔(親バカ♡)。
「〇〇ちゃんは、少し小さかったから、最初はドキドキ心配だったんだよ〜!と伝えたり、周りの絵を指さして「これはなーんだ!?」と聞いたりもする。
右下は名前の由来となった「赤いスイートピー」の歌詞。読み聞かせでは、歌も歌うので、一緒に歌えるようになった。
このページで、「パパとママはどれかな〜!?」「あっ、このお髭がパパだー!」と嬉しそうに話してくれる。
産んでくれたお母さんのメッセージは、何度読んでも温かい気持ちになるし、同時に娘を任せてもらった重みを感じる。
今も少食な娘。「赤ちゃんの時からミルク飲まなかったり、ご飯を投げたりして心配だったんだよー!」とよく話す。
上に描いたのは、お世話になった保育園の先生方。支えてくれる人が沢山いること、「あなたは存在するだけで人を笑顔にするのだよ」と伝えたかった。


込めた想い

題名は、「生まれてきてくれて ありがとう」にした。

日々育児に奮闘していると、娘が出来ること・出来ないことで、嬉しくなったり悲しくなったりすることがある。 

「何かが出来るから素晴らしい」「何かが出来ないから残念」なのではなく、
ただ生まれてきたこと・存在することが素晴らしい」ことを、娘に伝えたかった。

また「産んでくれたお母さんも、自分のことを愛していたんだ!」
その気持ちがしっかり伝わることを願って、産んでくれたお母さんがどうやって名前を考えてくれたのか、そしてどんな想いで私たちに託してくれたかを伝わる内容にした。

名前の由来も、メッセージも、本当の話だ。
絵本を読むときに、嘘偽りない気持ちで伝えたいと思った。

そして、私たち育ての親、保育園の先生も含め、「みんなに支えられ、愛されているんだよ」という気持ちを届けたいと思った。絵本にも、これまでにお世話になった先生たちの似顔絵を描いたし、これまで友人が娘を抱っこしてくれた写真をたくさん撮って、娘に見せたりしている。

養子縁組は、基本的に、ご縁という奇跡から創られる家族だと思ってる。そのスペシャル感が伝わる内容にしたかった。


娘の反応

「私の物語、読んで〜♡」と笑顔でリクエストしてくれるぐらい、娘にとっても温かい気持ちになる本になった。

娘が1歳児の時から読み聞かせをしているのだが、読むときは私が必ず「赤いスイートピー」を歌うので、3歳の時には覚えてしまい、保育園でもよく歌っていた。先生から、「そんな懐かしい歌、よく知っているねー!」と言われていた笑。

歌が流れると「私の歌だ〜♡」と声をあげる。
今でも、娘にとって、大切な歌だ。

登場人物にも愛着を持っていて、「これは私がママとパパを探しているんだよね♡」「あっリル(愛猫)だ!」「これ〇〇先生!?」と嬉しそうに指しながら話してくれる。自分のために絵本を作ってもらったという喜びもあるのだと思う。

「リルお姉ちゃんが怖い!」と言ってます笑


物語はつづく

これから娘が成長するにつれ、書いてある内容に疑問を持ったりするかもしれない。

小学生になると「生い立ちの授業」なるものがあるらしく、自分が誰に支えられて育ってきたのかを調べ、感謝をあらわし、発表するという。

その時に娘は、どんなことを私たち両親に聞き、何を感じ、どう表現するのか。時々思い巡らす。

きっとこれからの小さな積み重ねが、その時に繋がるのだろう。
これからも、この絵本を使いながら、丁寧にプロセスを踏んでいけたらと思う。

これからも、私たち家族のカタチを、見守っていただけると嬉しい。


#コンパッションアドベントカレンダー2024
コンパッション(思いやり)は、私の言葉に変えると「自分や他者に対する愛」だ。この絵本は、親からコンパッション(愛)を伝えるものであり、娘がセルフコンパッション(自分への愛)を育むものだ。
12/1-25、様々な愛の物語が紡がれるので、ご興味ある方はぜひマガジン登録を!


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