アメリカ駐妻が教育移住について思うこと
アメリカのニューヨーク州にある私が住んでいる街では、物価が高すぎるせいか、それともビザがとりにくいのか、教育のために家族で移住してきたという日本人を見かける事はあまりない。
あえて日本人と書いたのは、アジアや中東の国から子供の教育のために移住したという人を数人知っているからである。彼らは夫の仕事の都合でアメリカに住む事になりましたというお気楽な私とは違い、熱い思いを持っている。
私が出会う機会がなかっただけで日本人もいるのだろうけれど、一体どこにいるのかはよくわからない。そういう方はマンハッタンの高級住宅街とかに住んでいるのだろうか。
これから海外生活を始めるぞ!!という方にそんな事言うなんて意地悪すぎるかもしれないが、海外生活に大きな夢を抱かない方が良い。
教育移住の目的は多岐にわたるだろうが、子供をより良い環境で育てたいというのは皆共通なのではないかと思う。
「多様性溢れる環境の中で素晴らしい教育を受け、グローバルに活躍できる人になってほしい」私ももちろんそう思う。
ただ、海外で暮らしたからってそんな魔法みたいに素敵な事が起こるわけじゃないよと思うのだ。
言語も文化も全く違う環境というのは、旅行で訪れると素敵!と感じるが、生活においては素敵!と感じるより、いい加減にして!と感じる回数の方が多い。
生活を立ち上げる時点で、日本ってすごいなと何度も感じると思う。
例えばアメリカでは家が少し傾いているというのは普通のこと。
渡米当初、この家は傾いているから欠陥住宅だ!と思ったが、友人宅もだいたい傾いている事を知り、家って少し傾いているのが普通なんだと学んだ。
業者が時間ぴったりに来ることだってほとんどないし、10分遅れますなんて電話をしてくることなんて絶対ないと言ってもいい。
教育移住の最大の目的「子供をより良い環境で育てる」についても、最初は海外フィルターにより、学校の教育カリキュラムも先生達の指導の仕方も環境も全て素晴らしいように見えると思う。
ただ、別に海外だから先生が素晴らしいとか、教育カリキュラムが素晴らしいとか、そんなことないけどな、それって日本でも海外でも先生によるし、学校によると思う。
環境面に関しては、海外の方が日本に比べて、子供が自己肯定感を高めながら、のびのびと育つ環境があるかもしれない。子供が幼稚園や小学校低学年の場合は問題ないと思うが、それ以上の年齢になってくると子供の学力という事も考えなくてはいけないだろう。日本のゆとり教育問題を思い出してほしい。
学力面という点において例えば日本の算数や数学レベルと同等、またはそれを超えるのは難しく、そこはもう諦める、もしくは相当なお金を出してレベルの高いインターなどに入れる、または家庭教師等をつけて学習するという選択を取る必要が出てくる。もちろん親が頑張るという選択もある。
英語力についても英語ネイティブと同等レベルまでもっていきたいと考えているとすれば、相当な時間と努力が必要となる。
日本の子と同等の学力を維持しながら、しっかりとした英語力もつけてほしい、様々な文化に触れて国際的な感性を身につけてほしい、自己肯定感や主体性をもってほしい、全部めちゃくちゃ共感する、私もそう思う。
ただ、これを全部実現させようとする場合、のびのびとは反対で超多忙な日々を送る事になる。多くを求めているから当然だ。
海外に行けば良い環境がある訳ではない。
親がしっかり調べ上げ、自分達にとっての良い環境作りをしなくてはいけない。そして良い環境を維持していかなくてはいけない。
その親が選んだ良い環境の中で子供も人一倍努力しなくてはいけない。
日本の方が誰にでもそれなりに良い環境をあたえてくれると思う。
海外、といっても私はアメリカを見てきただけではあるけれど・・・
誰にでもそれなりに良い環境をあたえてくれる、そういう優しさはないよなと思う。自己責任というやつ。
ネガティブな事ばかり書いてしまった。
海外生活を通して学べる事は非常に多い。それは間違いないと思う。
ただ海外生活は夢の切符ではないということをしっかり頭に叩き込んで、超現実的なプランを持って飛び立ってほしいと思う。
