【真夜中の扇風機】風まかせ文芸部・第61回お題企画
「そろそろ暑なって来たなぁ」
「そや、えらいこっちゃねん!」
「お前んとこ、クーラーない言うてたな」
「うん、リビングのヤツな、今年もあかんな」
「なんでやねん?」
「オカンがな、ベランダに植えてるヤツに夏は暑い風、冬は冷たい風がかかって育てへんからて、頭に来た言うて、室外機、外してしまいよってん」
「えっ?花より人間やろ!」
「ちゃうねんて、人は、自分で涼しいとこに行けるやろ、クーラーないちゅうても、個室にはあるんやからな。せやし、木ぃや花は動かれへんから可哀想やって」
「ほう、なるほどな、そりゃ一理あるなぁ、そやけどなかったら困るやろ」
「おぉ、客が来たら大変やな、それだけは気の毒に思うわ。まぁ、扇風機もあるしな、なんとか凌いどるわ」
「お前んとこ、リビングにテレビあるやろ、ナイターとか見んのどないするねん」
「あぁ、心配せんとって、扇風機ようけあるしな」
「扇風機で間に合うか?」
「あ、お前、知らんのか?扇風機てええ風くんねんで、特に夜、真夜中の扇風機は特にな」
「なんで真夜中がええねん?」
「夜はたいがい気温が下がるやろ、クーラーみたいに冷たい風と違ごうて、扇風機の風は、ほんまに気持ちええぞ」
「へぇ〜・・・」
「お前んとこも、扇風機に変えてみ、カンドーするで」
「クーラー外せってか、イヤじゃ!」
(ちゃんちゃん)
