退職、そして不妊治療を半年休むことに
妊活を始めて12周期目、不妊治療を始めて10周期目、タイミング法1回、人工授精(AIH)2回、採卵1回と移植2回を陰性で終えた時点で、私は退職と、不妊治療を休むことを決めました。
仕事と治療の両立に限界を感じた
フルタイム正社員で働いていましたが、私の職場は上司の理解もあり、非常に不妊治療をしやすい環境でした。それでも、フルタイムで働きながらの不妊治療に、限界を感じました。仕事と不妊治療、どちらも並行することで私は疲れ果ててしまい、しばらくゆっくり休まないと、立ち直れないと感じました。
夫とも話し、しばらくしたらまた就職して働けるかも?という希望的観測のもと、退職し、不妊治療では3回目の移植の準備としてピルを飲んでいる途中でしたが、病院に相談し、治療を休むことにしました。
上司に不妊治療していることを伝えることを決めるまでのことは、以下記事にまとめました。
上司に伝えることを決意してから、実際に伝えるまで。妊活5周期目に伝えました。
不妊治療を休むことに決めたら、気持ちが楽になった
子どもを授かるためには、1秒でもはやく行動するべきだと、頭ではわかっていました。しかし、気持ちと体力の限界が来たため、不本意ながら治療を休むことになりました。休む期間が長引くほど、出産の可能性は遠のきます。私はこの選択をあとで後悔しないか、非常に不安でした。
しかし実際には、「不妊治療を休む」と決めた瞬間、一気に気持ちも身体も楽になるのを感じました。今まで、フルタイムで働きながら不妊治療をしていましたが、休むことで、かなりメンタルが限界に近いていたのだとようやく実感できました。
いつ病院に行くのか決められない。仕事の打ち合わせに被らないかと、ビクビクする。通院日が決まったら、上司に報告する。私の勤務先は、有休の理由を上司に伝えなくてはいけない(義務ではないが、上司が毎回聞いてくるので、自主的に言うようになった)ので…。一つ一つはちいさなことでも、それが何ヶ月も続くと、大きなストレスになっていたのだと思います。
世の中にはフルタイムで働きながら治療をしているひとが多くいるので、自分は弱くて根性がない、と自分を責める気持ちもありました。しかし、現実自分では無理であるのなら、辞めるしかない、と覚悟を決めました。働くことは好きです。しかし、子どものいる生活と、自分のキャリアを積み上げることだと、子どもの方がずっと大切でした。
キャリアの断絶
いくら子どもが優先だとしても、仕事をやめてすぐに転職活動できない状況は、自分にとって苦しいものでした。働いていた職種が好きで、職場の人との交流も楽しんでいたので、本当に辛い選択でした。空白期間ができて、次のキャリアへの不安もありました。現役で働いていないと、技能の維持も難しいと思いました。
そもそも、給料がない生活はきつい。生活費は全て夫の負担になり、夫婦の貯金は維持しつつ、今までそれぞれ夫婦で同額に設定していた毎月のお小遣いが二人とも半額になり、お互い個人の出費は貯金を切り崩すことになりました。社会保険、税金も重くのしかかります。
私は専業主婦になる人生プランはありませんでした。夫とも完全に対等でいたいと考えていたので、生活費を半額払うことは維持したかったです。それができなくなり、夫ともそういう話で結婚したのに、裏切りにならないか、とても気にしていました。
しかし夫は逆に、一旦は休むものの不妊治療を続けるために私が退職してキャリアが断絶することに、かなり気遣ってくれました。そもそも、お金を多く出すからと言って全くいばるようなことは無い夫です。私が無職になっても、相変わらず対等な関係のまま、さらにいつも優しい態度でいてくれるので、本当に感謝しています。
仕事を辞めても不妊治療が続けられない
仕事は辞めることにし、時間はたっぷりとれます。不妊治療へのハードルは下がりましたが、それでも不妊治療は休むことにしました。治療法がどんどん高度になる中、毎月毎月、基礎体温は高温期を継続できず、生理がやってきてしまう。その事実に耐えられなくなってきました。あまりにきついと思いました。完全に真っ白の妊娠検査薬に毎回絶望しました。
いったん、全てを休んで、自分の心を身体を整えたいと思いました。夫とも相談し、その方向でいくことにしました。
また、よくある体験談、「不妊治療を休んでいる間に妊娠した」を少し期待していたのも事実です。私の身近な人もそれで出産をしていました。
なんか不妊治療休んでる半年の間に妊娠する気がします。仕事辞めるので、かなりストレスが減るし、そしたら運動もできるし。今のうちにやれることをやって準備しておこう。思いっきり前向きに考えてしまおう。転職活動ですっごく良い仕事が見つかるイメージもかなりある。
そして、それは実現しました。8週目の稽留流産という結果になりましたが、不妊治療を休んだことにより、自分は妊娠することができるとわかりました。そのため、不妊治療を再開して続けるのか、いっそ自然妊娠での出産を目指すのか、迷うことにもなるのですが。
不妊治療を休むことで、不妊治療をやめたあとを想像できた
不妊治療を休むことに決めたら、ものすごく気が楽になりました。「私は今不妊治療をしている」状態と、「私は今不妊治療をしていない」にはものすごい違いがあると実感しました。
そうすると、「治療をやめて、子の無い人生を決意する」時をリアルに想像できるようになったと思います。
「治療をやめて、子の無い人生を決意する」時というのは、ものすごく悲しくてしんどいものかと思っていました。しかし、確実に「不妊治療をしていない」この気楽さを得られると思うと、そんなに悪いものでは無い、と未来が明るく感じられました。これは、不妊治療を一旦休むことにして得られた、貴重な気づきでした。
不妊治療を一切休むことなく続け、そして不妊治療を終わりにするのは、なかなか難しい気がします。でも、不妊治療を休む期間をなんどかはさむことで、「不妊治療をやめた後」のリハーサルになると思いました。
私は婚活で苦労しましたが、婚活もずっと続けるのではなく、数ヶ月、時には数年の休みをはさみつつ行っていました。一旦休むとだいぶリフレッシュしたのを覚えていたので、不妊治療のお休みにもふみきれたと思います。
まとめ
退職と不妊治療を休むことを決めた時は、本当に辛い期間でした。自分と夫の希望である、「子を授かること」から一歩遠のくと感じ、そのことが本当に悲しかったです。しかし、これ以上この生活を続けることができないのも事実でした。
しかし思い切って退職・お休み期間を設けることで、辛さは減り、穏やかな日々を過ごすことできました。キャリアの断絶は今も苦しく感じることもあります。将来のお金を考えると、不安でたまらなくなることもあります。でも、その中でどうにかやっていきたい、希望を持って、明るい未来のために行動し続けたいと思います。
結果的にはお休み期間を設けたことで、私は人生で初めて妊娠することができました。お腹の子とはお別れすることになりましたが(まだ今お腹にいます)、この子がくれた、人生のお休み期間だと思えるようになりました。流産後は必然的に休むことになるので、しばらくは妊活のことを考えない日々を送ろうと思っています。
