見出し画像

【トルコ飲料】トルコの民間療法は、治る前にこちらの覚悟を試してくる

舌に口内炎ができました。

場所は、奥歯に近い舌の横。

よりによって、どう動かしても歯に当たるところです。

食べても痛い。
飲んでも痛い。
飲み込んでも痛い。
しゃべっても痛い。

何もしていなくても、舌と奥歯が勝手に接触して痛い。

口内炎としては大きくて、そこから来る痛みの生活への介入が強すぎます。


わたしが夫に、

「痛い。死ぬ」

と訴えていると、

シャルガム・スユ(şalgam suyu)を飲め」

と言われました。

シャルガム・スユとは、黒ニンジン(濃い紫色のにんじん)などを発酵させた、赤紫色のトルコの飲み物です。
よくスパイシーなアダナケバブのお供として飲まれています。

酸っぱい。
しょっぱい。
ものによっては辛い。
そして発酵している。

口内炎にしみる要素を、まるで選抜して集めたような飲み物です。

口の中に傷がある人間へ、これを勧める。

トルコの民間療法は、入口から容赦がありません。

わたしは昔、スーパーで売られているシャルガム・スユを飲んだことがあります。

可愛い丸いフォント。
ラベルデザインもマッチョ系ではなく、普通。
そして、置いてあるのはジュースコーナー。

どこかのレストランか野外バーベキューをした時だっただろうと思います。

ひと口飲んで、

「まずっ。なにこれ」

と思いました。

見た目はベリー系かザクロジュース側なのに、味は完全に漬物側です。

黒ニンジンの飲み物と聞けば、もう少し甘くて、健康的で、意識の高い味を想像するではありませんか。

ところが実際にやって来るのは、酸味と塩気と発酵です。

商品説明に、大事なことを隠していないでしょうか。

あの可愛い姿でジュースコーナーに並ぶのは、今でも反則だと思っています。

ただいまセール中
辛いのと辛くないのがあります。
なんでジュースコーナーなん?


ところが今回、夫が持って帰ってきたのは、市販品ではありませんでした。

知り合いのおっさんが作った、ホームメイドのシャルガム・スユです。

チャイグラスでショット感覚

口内炎で苦しむ妻のために、夫が知り合いのおっさんから、自家製の赤紫色の発酵液を調達してきました。

経路だけ聞くと、少し怖い。

善意なのはわかります。

わかりますが、口内炎で機嫌の悪い人間に必要なのは、刺激の強い謎の液体ではなく、刺激の少ない食べ物と静かな時間です。

恐る恐る飲んでみると、意外にも悪くありませんでした。

市販のものより味がやわらかく、酸味や塩気にも丸みがあります。

シャルガム・スユは、「まずい」のひと言では片づけにくい飲み物です。

ホームメイドのものを飲んで、初めて少しだけ、この飲み物のよさがわかった気がしました。

口内炎には、容赦なくしみましたが。

すると夫は、今度は、

「ハチミツを口に含め」

と言います。

少し前に、Miho C.さんからいただいた、ユーフラテス川の近くで採れたハチミツがありました。


香りも味も濃く、そのまま食べれば、とてもおいしいハチミツです。

それをシャルガム・スユの直後に口へ含みました。

すると、ものすごく甘い。

甘いというより、焼けるように甘い。

シャルガム・スユで酸味と塩気にさらされた直後の口へ、濃厚なハチミツが流れ込んできます。

歯の神経まで、ガクガク震えた気がしました。

口内炎を治しているはずなのに、口全体が新しい問題を抱え始めています。

シャルガム・スユでしみて、ハチミツで焼ける。

夫の治療法は、アメとムチではありません。

ムチで弱らせてから、濃厚なアメで追撃してきます。

口内炎は、まだあります。

食べても、飲んでも、飲み込んでも、しゃべっても痛いです。

小さいくせに、本当に態度がでかい。

ただし、シャルガム・スユへの理解だけは、少し深まりました。

そして今でも思っています。

あの可愛いピンクのラベルで、何食わぬ顔をしてジュースコーナーに並ぶのは、やっぱり反則です。

そして、Geminiにこの話をすると、

すぐにやめてください。逆効果です



いいなと思ったら応援しよう!

さるぱんちゃん|アメリカからトルコに移住した人 もしこの記事が、少しでも役に立ったり、何かのきっかけになったら、チップという形で応援してもらえたら嬉しいです。