私が幸せになるまでの階段 | 高1編 #1「恋は、一瞬だった。」
高校一年生編 #1
「恋は、一瞬だった。」
中学生最後の恋は、苦くて苦しくて。
「もう恋なんてしたくない。」
本気でそう思っていた。
でも、あの頃の私は高校受験の真っ最中。
勉強は得意じゃなかったけど、
半年後の高校入試に向けて毎日机に向かっていた。
恋の傷は簡単には消えなかった。
それでも、問題集を開いている時間だけは少しだけ忘れられた。
気づけば半年が過ぎ、
私は無事に第一志望の高校へ合格した。
中学校を卒業して数日後。
高校の入学説明会の日。
大きな体育館には、新しい制服に袖を通す前の高校生たちが集まっていた。
説明が終わり、みんなが物品購入へ向かい始める。
母が席を外したので、
私は一人、体育館の後ろの席でぼんやり座っていた。
その時だった。
舞台の方から、一人の男の子が歩いてきた。
少し派手な迷彩柄のパーカー。
腰にはジャラジャラと鍵をぶら下げている。
背が高くて、色白で、
ほどよく筋肉のついた体。
なんとなく目で追っていると、
彼との距離が少しずつ近づいてきた。

そして――
目が合った。
その瞬間だった。
胸がドクンと大きく鳴る。
顔が熱い。
心臓の音が、自分でも聞こえそうなくらいだった。
私は、その一瞬で恋に落ちた。
生まれて初めての、一目惚れだった。
彼は何事もなかったように私の前を通り過ぎていく。
私は振り返ることもできず、
ただ前を向いたまま動けなかった。
ほんの一分にも満たない時間。
それなのに、
何時間も過ぎたような不思議な感覚だった。
そのあと校内を歩いても、
もう一度彼に会うことはできなかった。
名前も知らない。
何組になるのかも知らない。
顔しか知らない男の子。
それなのに、
家へ帰ってからも彼のことばかり考えていた。
「もう一回、会いたい。」
ただ、それだけだった。
──続く。
── 次回、名前も知らない君へ。
あの日の一目惚れは
思いもよらない形で動き始める。
🌸階段の踊り場
ここまで読んでくださり、ありがとうございます🌸
中学生の恋が終わったばかりの私は、本気で「もう恋なんてしたくない。」と思っていました。
失恋の痛みは思っていた以上に大きくて、「好きになること」が少し怖くなっていたんです。
そんな私が、たった一度目が合っただけで一目惚れをするなんて…。
当時の私は、本当に自分でも驚きました。
名前も知らない。
話したこともない。
それなのに、あの瞬間だけは今でも鮮明に覚えています。
「また会いたい。」
その気持ちだけが、毎日少しずつ大きくなっていきました。
でも、この時の私はまだ知りません。
あの一目惚れが、これから始まる高校生活を大きく変えていくことも。
そして、たくさん笑って、たくさん泣く恋になることも。
ここから始まる高校一年生編も、一緒に見守っていただけたら嬉しいです🌸
♡
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
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