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"公定価格"という見えない檻「2/18」|ドキュメンタリー&200冊の活字中毒の偏愛日記365

コンビニのおにぎりの価格は上がった。
でも、病院の診察料は上がらない。

この矛盾に、誰も怒らない社会って、なんだか怖くないですか?


以前、医療業界のひっ迫を伝えるニュースを見た。

診療報酬は据え置き。 人件費は上昇。 光熱費も上昇。 でも、病院は勝手に値上げできない。

「そりゃそうだよな…」と思った瞬間、 頭の中でマイケル・サンデルの声が聞こえた。

「市場では解決できない正義がある」

『実力も運のうち』で彼が語っていたあのフレーズ。
あぁ、これだ、と思った。


"公定価格"という見えない檻

医療における価格は、国が決める。 2年に一度の診療報酬改定でしか動かない。

つまり、こういうこと。

✓ 居酒屋 → 自由に値上げできる
✓ コンビニ → 自由に値上げできる
✓ 病院 → 国の許可がないと値上げできない

冷静に考えると、異常だ。

でも、この「異常」を、私たちは「公共性が高いから仕方ない」で片付けてしまう。


ここで私が引っかかったのは、 "医療従事者は使命感でやっているから" という空気感。

善意や使命感を、構造的搾取の免罪符にしてはいけない。


ふと、想田和弘監督の『精神』を思い出した。

岡山の精神科診療所を淡々と映し続けるだけのドキュメンタリー。 セリフも、ナレーションも、音楽もない。

でも、観ているうちに浮かび上がってくるんです。
医療の「経済」と「倫理」の、残酷なまでの緊張関係が。

診療報酬という数字の裏には、 必ず「誰かの人生」が紐づいている。

疲弊した看護師の夜勤明けの顔。 経営に悩む院長のため息。 待合室で順番を待つ高齢者の背中。

価格は、ただの数字じゃない。
それは「誰の命を、どう評価するか」という社会の価値判断そのものだ。


ChatGPTに「診療報酬問題の解決策を教えて」と聞けば、それなりの答えは返ってくる。

でも、その答えが誰の涙・苦労の上に成り立つのかを想像する回路は、 人間が磨くしかない。

これが、AI時代の意思決定リテラシーだと思う。


適正、正解は分かりませんが、明日も、何気ない日常に違和感を探します。



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