瀬戸内海に面した街で暮らす猫たちを中心に、人間と自然の関係や、これからの社会について考察するフォト&エッセイ。 「週刊金曜日」の好評連載、待望の書籍化。 外で暮らす猫様たちと付き合っていると、人間が支配するこの社会から彼らの居場所がどんどん縮小され続けていることにも気づかされる。 社会がその隅々にいたるまで管理・コントロールされ、消毒され、安全でキレイに整頓されればされるほど、制御不能でイレギュラーな存在である野良猫様は生きていく余地がなくなる。 僕が子どもの頃は、近所にはまだ野良犬様がウロウロしていた。人々はそれを当然のことだと思っていた。この社会は、今よりもずっと野蛮だったのだ。同時に、制御不能な存在をなんとなく包容する力と大らかさを備えていた。 だが、社会が高度に管理され整頓されていくなか、野良犬様たちは次第に人間の健康と安全を脅かす存在だとみなされるようになった。 そして街から一掃された。 今、同じようなことが、猫様にも起きているような気がしている。 ――本文より ―Neko sama A photographic essay by Soda Kazuhiro― 【著者プロフィール】 想田和弘 (そうだかずひろ) 1970年栃木県生まれ。映画作家。東京大学文学部卒。スクール・オブ・ ビジュアルアーツ映画学科卒。台本やナレーションを用いない「観察映画」の手法とスタイルでドキュメンタリー映画を作り続ける。監督作品に『選挙』『精神』『Peace』『港町』などがあり、国際映画祭等で受賞多数。2024年10月現在、最新作は牛窓で撮影した『五香宮の猫』(2024年ベルリン国際映画祭招待作品)。著書に『カメラを持て、町へ出よう』(集英社インターナショナル)、『なぜ僕は瞑想するのか』(ホーム社)などがある。
※2026年8月5日 16:34時点
脚本、演出、撮影、編集、製作…… 時代を揺るがす作品はいかにして生まれるのか? ──第一線の映画人たちから学ぶ。 何かを作る上でわからないことがあるというのは強い動機になる。わかってることを訴えたいっていうより、わからないからこそもっと知りたいっていう姿勢の方が面白い。 ──是枝裕和 多彩な映像制作者たちをゲストに、実作にまつわる様々な事柄、あるいはそのために必要とされる思考が、教員・学生との対話の中で語られる早稲田大学の人気講義「マスターズ・オブ・シネマ」。本書は2018〜2022年度の講義回から構成した一冊となります。制作の準備について、現場での実際について、スタッフと俳優との関係について、フィクションとドキュメンタリーについて、テレビと映画の横断について等々、映画制作におけるさまざまなテーマを通じて、映画がいま、いかに生み出されつづけているかを解き明かします。 より良い作品をつくりあげるために、実作者たちは何を考え、何を実行し、何を選択するのか。 その声に耳を傾けることで、映像をめぐる創作活動の本質についての思考を垣間見ることができます。 映像制作を志す学生に限らず、現役クリエイター、あるいはそれぞれの映画作品のファンにまで、21の対話を通して「いま、映画をつくる」ということの意義と可能性を探るために、必読の一冊です [対話ゲスト] 青山真治/芦澤明子/大九明子/大友啓史/大林宣彦/奥寺佐渡子/菊地健雄/岸善幸/空族(富田克也+相澤虎之助)/黒沢清/周防正行/諏訪敦彦/関弘美/想田和弘/冨永昌敬/中島貞夫/西谷弘/深田晃司/丸山昇一/三宅唱 ◎目次 [座談会]映画について教えるということ──講義「マスターズ・オブ・シネマ」について 是枝裕和・土田環・岡室美奈子・谷昌親・藤井仁子゠談 Ⅰ 言葉で描く、言葉を撮る──脚本という息吹 ◎非日常を描くためには、どのくらい日常が書けているかが勝負だ 丸山昇一(脚本家) ◎出来事を、同じ空間で見ているという意識で、書く 奥寺佐渡子(脚本家) Ⅱ 映画撮影という労働──撮影現場で起きていること ◎カメラに記録されたいい瞬間を残したい 三宅唱(映画監督) ◎すべてに答えを用意せずに現場に挑む 菊地健雄(映画監督) ◎自分の生活の何かを映画の中に置いておきたい 青山真治(映画監督) ◎一〇〇年後も色褪せないものを 芦澤明子(撮影監督) Ⅲ 俳優と作劇──登場人物とは誰か ◎「ダメ」から「バカ」へ──登場人物の変身と映画をはみ出すこと 冨永昌敬(映画監督) ◎映画と現場を開かれたものにする 深田晃司(映画監督) ◎忠実と誠実──原作や登場人物たちにどう向き合うのか 大九明子(映画監督) ◎見知らぬ世界と出会ったときの驚きや喜びを忘れない 周防正行(映画監督) Ⅳ 現実と虚構、時代と社会──ドキュメンタリー/フィクションの境域 ◎観察の先に見える映画のありかた 想田和弘(映画監督) ◎僕らはフィクションに未来を託しているのかもしれない 空族(映像制作集団) ◎作品を撮る中で何かを発見する方向に行きたい 是枝裕和(映画監督) Ⅴ メディアとしての映像作品──映画とテレビのあいだ ◎テレビドラマと映画の横断から見えるもの 西谷弘(映画監督) ◎組織から個へ──時代と社会とフィクションと 大友啓史(映画監督、テレビディレクター) ◎憧れと共感──オリジナル・アニメーションを手がけるために 関弘美(アニメーション・プロデューサー) ◎ドラマはドキュメンタリーのように、ドキュメンタリーはドラマのように 岸善幸(演出家、テレビディレクター、映画監督) Ⅵ 映画はどうして映画なのか ◎弱さにおいて表現を生み出すこと 諏訪敦彦(映画監督) ◎映画だけが扉の向こうに何かがあることを撮ることができる 黒沢清(映画監督) ◎衰退の時期にこそ本格的なものをやりたくなる 中島貞夫(映画監督) ◎いつか見た映画の夢 大林宣彦(映画作家) 謝辞 編者略歴
※2026年8月19日 20:32時点
伝説の仏教雑誌『サンガジャパン』が帰ってきた!──初期仏教・テーラワーダ仏教を中心としながら、宗派を超えて広く仏教を扱い、仏教界に新しい風を吹き込んできた『サンガジャパン』。株式会社サンガの事業停止によって休刊を余儀なくされましたが、2021年に誕生した株式会社サンガ新社が『サンガジャパン+(プラス)』として新創刊しました。472ページに込められた同時代の仏教の力をぜひ受け取ってください。 ◆特別語り下ろし ・アルボムッレ・スマナサーラ | ブッダの教えから見た平和論――なぜ人は争ってしまうのか? ◆スペシャルトーク ・横田南嶺×藤田一照 | これからの修行 これからの仏教 ◆〔特集〕なぜ今、仏教なのか ・内田 樹 | これからの社会に必要なコモンと仏教 ・中島岳志 | なぜ今、利他なのか ・プラユキ・ナラテボー | 辻ッター説法 ブッダから学ぶ、コロナ時代の歩き方 ・青山俊董 | 古道を訪ね不易の一点を常にする 人類のこと、病のこと、修行のこと ・玄侑宗久 | 新しい時代に求められる仏教と日本の課題 ・ヨンゲ・ミンギュル・リンポチェ [聞き手]藤田一照 | 世界の危機を乗り越える瞑想の力 ・チャディ・メン・タン | サファリングから世界平和へ ◆サンガ新社 設立記念コラム「私たちの幸福とは」 アルボムッレ・スマナサーラ/前野隆司/熊野宏昭/末木文美士/鎌田東二/橋爪大三郎/松本紹圭/山下良道/田口ランディ/佐々涼子/石川勇一/島田啓介/浦崎雅代/中村悟/藤野正寛/宮崎哲弥/藤田一照/松岡正剛 ◆Zen2.0 2021 A NEW EARTH 空からの開花(Space to Flourish) 新たな文明を共に創造する ・藤田一照×中野民夫 | 新たな地球をひらくリベラルアーツ ・山田博×竹倉史人 | 縄文の森―生命感覚の再起動 ・伊藤亜紗 | 「さわる」と「ふれる」がひらく利他の世界 ・松本紹圭×ジェレミー・ハンター | アンビエント仏教の力 わたしたちの未来と共に生きる ・前野隆司×サティシュ・クマール | なるエコロジーの探究 ・武井浩三 [聞き手]宍戸幹央+三木康司 | 「恐れと不安」から「愛」で循環する経済をマインドフルシティ鎌倉から ◆連載 ・松本紹圭 | Post-religion 対談[第1回]ヴィパッサナー瞑想は心の掃除 [ゲスト]想田和弘 ・山下良道 | 令和の時代の「仏教3・0」 シーズン(4) ・アチャン・ニャーナラトー | 問いとダンマ アチャン・ニャーナラトー師法話会の質問より 第1回 誰にもフェアな「カンマ(業)の法則」
※2026年8月19日 21:32時点
幸福に生きる現代社会への処方箋 2020年のコロナ禍、それまでニューヨークに拠点を置いていた想田和弘氏は瀬戸内海に面する岡山県・牛窓に移住を決断しました。本書は、内田樹氏が想田氏の住む牛窓を訪れ、長時間にわたっての対話を中心にした、二人の初の対談本です。 私たちは常に成長を追い求めすぎたのではないか。二人はその時間軸を「直進する時間」と呼び、自然の流れに合わせて生きる「循環する時間」への意識の変化を提唱します。少子高齢化が急速に進み、経済も低成長が余儀無くされる日本。かつての国際的地位から退き自信を失いつつある日本人は、これからどのように生きていくべきなのか? 国内を代表する論客の対話を通じて、日本人の新しい生き方と、希望を見出す。 第1章「自然の流れ」に合わせて生きる -直進する時間と循環する時間- 第2章「地方の余白」に可能性がある -都市型グローバル資本主義からの転換- 第3章「新しい価値」を生み出す -心と身体感覚を研ぎ澄ませる- 第4章「暇と退屈」が人生を豊かにする -時間貧乏から時間富豪へ- 第5章「里山再生」が文明と自然をつなぐ -野生の反逆と向き合う- 第6章「自分の幸福」が世界を平和にする -現代社会に通ずる仏教の教え-
※2026年7月26日 15:32時点
患者さん中心の医療 精神科閉鎖病棟の「鍵」を開けた精神科医、山本昌知。 患者さんを一人の生活者として、人との関係こそが「薬」となる、と向き合う山本医師と、モザイクをかけない患者さんのありのままを撮影し「精神」「精神0」という「観察映画」作品に結実させた映画監督、想田和弘。 生きづらさを感じるすべての人へ。 ---------- 【目次】 プロローグ(想田和弘) 第一章 歩 み ◎山本昌知の歩み いじめられる人に対して優しかった父のこと/頑張り屋だった母の教訓話/山奥の村に生まれて――“わが家が医者だったら"/精神科の医者になる/病室の鍵を開けて ……ほか ◎想田和弘の歩み 凝り性だった子供時代/郊外型の近代社会に生まれ育って/リクルートスーツで埋め尽くされた就職説明会/ニューヨークで学ぶ/自分のドキュメンタリー映画を撮りたい ……ほか 第二章 「鍵」をはずす 地域に出ること――医者と患者の関係を変える/閉鎖病棟の「鍵」をはずす/人間として、挨拶から/責任回答方式――根っこは病んでいない/患者さんと看護する側の話し合いで、「鍵」を開ける/映画『精神』ができるまで/〈こらーる〉はみんなでつくる組織にしよう/「目の前の現実をよく見て、よく聞いて、その結果を素直に映画に」/誰のためにモザイクをかけるのか/世界の精神病院のベッド数の20%は、日本にある ……ほか 第三章 「人薬」 施設が良い、悪いではなく「行きたいかどうか」/「人薬」――技術でなく、時と場所をともにしてくれる人がいること/介護は「システム」になじまない/世話をする、してもらうのが人間の本質 ……ほか 第四章 地つづきの世界 「参ったな」/落ちこぼれとして/責任はとれないから、謝るしかない/自分で治す、それに従ってアドバイスする/心と身は縄のようになっている/心と体は分けられない/患者さんの世界とつながっている/幻聴も幻視もそこに「ある」/「他人はみんな“磨き砂"」 ……ほか 第五章 〈こらーる〉という場 一生懸命やれば、周囲がつられることがある/「本人が目的意識をもてない入院は反対」/患者体験者を含む支援チームでの医療/患者さんを中心に置く/「システム」の中で人間は交換可能/一人一人の違いに喜びを感じる/個と個が、網の目のように/目的が正しすぎると、逆におっかない/排除ではなく、折り合いをどうつけるか/お互いに「ご親戚様」――みんな「命」で考える/「ノー」は意思表示 ……ほか エピローグ(山本昌知)
※2026年8月19日 3:31時点
少子化・人口減、気候変動、パンデミック……。国力が衰微し、手持ちの国民資源が目減りしてきている現在において「撤退」は喫緊の論件。にもかかわらず、多くの人々はこれを論じることを忌避している。 名著『失敗の本質』で言われた、適切に撤退することができずに被害を拡大させた旧・日本陸軍と同じ轍をまた踏むことになるのか? 「子どもが生まれず、老人ばかりの国」において、人々がそれなりに豊かで幸福に暮らせるためにどういう制度を設計すべきか、「撤退する日本はどうあるべきか」について衆知を集めて論じるアンソロジー。 目次 まえがき 内田樹 ■1 歴史の分岐点で 撤退は知性の証である──撤退学の試み 堀田新五郎 撤退のための二つのシナリオ 内田樹 撤退戦としてのコミュニズム 斎藤幸平 民主主義からの撤退が不可能だとするならば 白井聡 撤退戦と敗戦処理 中田考 ■2 撤退の諸相 撤退という考え方──ある感染症屋のノート 岩田健太郎 下野の倫理とエンパワメント 青木真兵 音楽の新しさはドレミの外側にだって広がっている 後藤正文 文明の時間から撤退し、自然の時間を生きる 想田和弘 撤退のマーチ 渡邉格 撤退女子奮闘記 渡邉麻里子 ■3 パラダイム転換へ 『桜の園』の国から 平田オリザ ある理系研究者の経験的撤退論 仲野徹 Withdrawalについて──最も根っこのところからの撤退 三砂ちづる 個人の選択肢を増やす「プランB」とは何か 兪炳匡 極私的撤退論 平川克美
※2026年8月12日 8:32時点
今こそ必要とされる2600年前の瞑想修行! 毎日とにかく忙しすぎるし、競争が激しく心が安らぐことがない。祖国や世界の政治状況を見ていても怒りが湧くことばかりで、心が乱されることが多い。 ついでに、映画作家などというヤクザな商売をしているので、経済的な不安も常に抱えている。 そういうストレスを少しでも軽減し、心の平静を保つ必要性を感じていた。―本文より 2600年前ブッダが実践したという瞑想修行に参加した映画作家想田和弘による10時間×10日間のルポルタージュ。 スマホもパソコンも財布も預けひたすら座って修行する中で、著者は驚くべき貴重な体験をし、考え方と生き方を大きく変えられてしまう。 「週刊金曜日」の好評連載、待望の書籍化! 【著者略歴】 想田和弘(そうだ かずひろ) 映画作家。1970年栃木県足利市生まれ。東京大学文学部宗教学宗教史学科卒。米国スクール・オブ・ビジュアルアーツ映画学科卒。 日米を往復しながら、台本やナレーション、BGM等を排した「観察映画」というドキュメンタリーの方法を提唱・実践。 監督作品に『選挙』(2007)、『精神』(2008)、『Peace』(2010)、『演劇1』(2012)、『演劇2』(2012)、『選挙2』(2013)、『牡蠣工場』(2015)、『港町』(2018)、『ザ・ビッグハウス』(2018)、『精神0』(2020)等。国際映画祭での受賞多数。 著書に『精神病とモザイク』(中央法規出版)、『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』(講談社)、『カメラを持て、町へ出よう』(集英社インターナショナル)等がある。
※2026年7月29日 1:34時点
日本の「現在地」を俯瞰する! 現代用語事典として1986年に刊行が始まった「情報・知識事典imidas」は、現在はオピニオンやコラム、エッセイを掲載するウェブサイト「情報・知識&オピニオンimidas」として運営されている。 本書には最近の掲載記事から24本を厳選して収録。 執筆陣にはジャーナリストや弁護士、研究者、活動家など幅広い分野の専門家が集結している。 新型コロナウイルス、政治経済、環境、労働、教育、差別、ハラスメント、全体主義……。 日々に流されがちな問題の一つ一つを掘り起こしてみれば、私たちがいま、さまざまな局面で岐路に立っていることがわかるだろう。 日本の現在地を俯瞰し、一歩先の未来を読み解くための一冊。 ◆主な内容◆ ◆I コロナの時代 ・コロナ禍だからこそ鍛えたい「自由」と「権利」と「多様性」(想田和弘) ・新型コロナウイルス感染拡大による「心の死」を防げ!(香山リカ) ・新型コロナが若者の生活を直撃! 急増する「バイト難民」(大内裕和) ・「ポストコロナ」をすさんだ「差別」の時代にしないために(安田浩一) ◆II 変わる法律・制度 ・消費税一〇%時代、新たに導入される「軽減税率」と「インボイス制度」とは?(三木義一) ・水道法改正で本格化する水道事業の民営化(橋本淳司) ・改正入管法による外国人労働者の受け入れ拡大が始まる!(指宿昭一) ・労働法の適用外しで待遇低下は必至?「高齢者雇用安定法」への懸念(伊藤圭一) ・刑法性犯罪規定改正に向けて(山本潤) ・パワハラ防止措置の義務化で、厚生労働省の指針が決定(笹山尚人) ・種子法廃止に続いて「種苗法改定」で、農家に打撃!?(印鑰智哉) ◆III 内政・外交のいま ・アベノミクスは賃下げ政策!(明石順平) ・拉致問題、北方領土交渉で「たたき売り」状態の安倍外交(岡田充) ・「日米安保六〇年」日米同盟からみる自衛隊中東派遣の目的とは?(布施祐仁) ・超大型台風被害から考える、これからの防災対策(饒村曜) ・福島第一原発の貯まり続ける処理汚染水は、海洋放出するしかないのか?(満田夏花) ・カジノが日本を食いつぶす!(鳥畑与一) ・アメリカ大統領選挙の行方を変える新ムーブメント(渡辺由佳里) ・内政に火種を抱え、外交で孤立化する習近平政権(安田峰俊) ◆IV 揺れる社会 ・凄惨な事件をどのような言葉で語るか 相模原事件と「一人で死ね」をつなぐもの(荒井裕樹) ・「女」というだけで――東京医大等の不正入試問題、その裁判に行ってきた(雨宮処凛) ・ファシズムは楽しい? 集団行動の危険な魅力を考える(田野大輔) ・国内外で懸念される日本の科学の未来(佐藤文隆) ・歴史学者は「歴史修正主義」とどう向きあうか?(成田龍一)
※2026年8月7日 9:33時点
今、世界で仏教瞑想に源流を持つ瞑想法が「マインドフルネス」として広く受け入れられている。欧米のみならず、すでに禅という仏教瞑想伝統のある日本においても人口に膾炙(かいしゃ)し、一時のブーム的な取り上げられ方が過ぎ、今は穏やかに浸透してきているといえるだろう。そのように着実に浸透している流れにある。だからこそ、あえて私たちはこのマインドフルネスをそのルーツに遡り、仏教瞑想としてとらえ直し、殊にその特徴・核である「ヴィパッサナー瞑想」に焦点を当てたいと思う。 ヴィパッサナーはブッダ自身の修行法に由来する瞑想法であると考えられ、2600年前から現代まで展開してきたとされる。非常に長い伝統を持っているが、歴史的な流れを見るとき、現在伝わっているヴィパッサナー瞑想は、いったいどのように現れたのか。一九世紀の東南アジア、それまで僧院の中で限られた僧たちによって修行されていたものが、一般の人々の中に紹介され、広まっていった。これは第二次世界大戦後、ミャンマーやタイの国民のアイデンティティや伝統の回復と共に広がりを見せた。人々は、自らのアイデンティティを仏教に求め、僧はそれに応えて、仏教の教えとともに実践を僧院の外へと伝えた。例えばミャンマーではレーディ・サヤドー(1846~1923)が在家に開いた伝道が在家運動として引き継がれ、その瞑想実践の系譜はいまゴエンカ氏が伝えている。そして、その実践を西洋が率先して心の健康のために取り入れている、という皮肉な構造も見えてくる。 テーラワーダ仏教瞑想の具体的な実践方法は師によってさまざまだ。レーディ・サヤドー、マハーシ・サヤドー、ティアン・チッタスポー、パオ・サヤドーなど、豊かなヴァラエティがある。しかしその方法の根本にあるのは、ブッダの教えである、『念処経(Satipaṭṭhāna-sutta)』(MN10)および『大念処経(Mahā-Satipaṭṭhāna-sutta)』(DN22)と『出入息念経(Ānāpānasat-isutta)』(MN118)などのパーリ経典であることは間違いない。 本特集では対談、インタビューのほか、各師の方法、理論などを深堀して紹介する。
※2026年8月16日 10:31時点
今を生きるために必要なのは「観察する力」! 初期仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老と 映画作家の想田和弘監督による対談! 「ありのままの現実」と向き合い、 ストーリーを越えて生きる自由を、 二人の観察者が語り尽くす! スマナサーラ長老が指導するヴィパッサナー瞑想は「観察瞑想」とも呼ばれ、 お釈迦様が覚りに至った重要な実践です。 また、想田監督が考案した「観察映画」は、 事前にシナリオを準備することなく、ありのままの現実をフィルムにおさめる ドキュメンタリー映画の制作手法として注目されています。 自分自身を観察する「観察瞑想」と、外の世界を観察する「観察映画」。 ジャンルは異なりながらも、 「ありのままの現実を見つめる」という行為の重要性を熟知する「二人の観察者」が、 「生きるとは何か?」という問いを、さまざまな角度から語り合います。
※2026年8月6日 22:33時点