【2026農作業の記録】①代かきから田植えへ
最近のnoteでの記事更新は後手後手になっていて、電工2種学科試験受験レポートを前回書いた時には、すでにコメ作りの手伝いのために実家に移動中でしたし、代かきから田植えまでの初夏の農作業を終えて東京に戻り、1週間も経ってから、この記事を書きはじめています。
昨年の同じ時期の記録としては、次の記事をご参照下さい。
結論から先に言うと、去年よりはかなり良かったと思います。
1.前提条件~今年の田んぼ
一応、去年の田んぼのラインナップを先にご紹介しておきますが、
圃場A:ほぼ毎年稲を作付けしている田んぼ。周囲は隣り村の営農組合の方々の圃場で囲まれており、水管理の主導権をその営農組合に取られている。周囲がコシヒカリを選んで早々に田植えを終えた中で、我が家の圃場だけがハツシモで遅めの田植えに入る。おかげで満水/落水のコントロールはうちだけでしやすいが、田植え後の周囲の田んぼが満水にしていると、水漏れで我が圃場に浸水してきて、うちだけでの水管理はかえってやりづらい。
圃場B:三角形のいびつな形状。これまで数年間畑作で運用していたが、国の減反政策もあったからか、ずっと畑作で使ってきた。昨年から米作に転換。水管理はしにくい。数年間用水路を使っていなかったので、取水するのに溝さらいを徹底する必要があった。また、溝さらいをしても、上流に休耕田があるとそこで用水路が土砂で埋まっているため、思ったように水が入りにくい。
圃場C:一昨年親戚から請け負った圃場。周囲の用水/排水路を再整備すれば、水管理は比較的しやすい圃場。
圃場D:昨年親戚から請け負った圃場。圃場Cとは道路を挟んで向かい側にあるが、こちらは上流で隣り村の営農組合が先に利水を始め、下流には休耕田があって水が滞留してしまい、導水管をふさいでも水路からあふれた水で圃場が浸水してしまう状態。「あの田んぼは水管理が難しいぞ」と近所うちでも噂されていたいわくつきの圃場。
圃場E:私が手伝うことを前提に昨年人から借りた圃場。ここは用水路の最下流に位置するため、上流の農家が圃場に水を入れ始めないとうちの田まで水が回って来ないため、水管理でハラハラさせられた。しかも、水はけが良すぎて、いったん満水にして導水管を閉じても、1時間後には水が引いてしまう。結論を先に言うと、最も水管理が難しい田んぼ。なのに自宅からいちばん遠く、そこまで水の入り具合を見に来るのに車を1日に何度も走らせ、燃料費がバカにならない。しかも、後で詳述するが、地ならしが不十分で田植えの時に苦労した。
歴史的に、圃場AとBはうちの持ち田なので毎年作付けは行うことになる想定ですが、圃場Eは、水管理で苦労した昨年の教訓や、燃料価格の高騰を受け、母は生産請負いを断念しました。残る圃場CとDについては、今年も親戚に代わって米作を請け負うことになりました。
圃場Cについては補足します。昨年冒頭の表現はこの圃場のことは過小評価していたと思います。イネが養分過多で倒れてコンバインでの稲刈りが難しかった上に、母は「沼田」と表現してました。水が入ると底なし沼のように足が埋まり、うちのトラクターでは車輪が沈んで脱出できなくなるといいます。
もっと馬力のあるトラクターじゃないと代かきが難しいということで、今年は代かきだけはご近所の高齢農家さんにオペレーションをお願いしました。代金は10,000~12,000円だそうです。楽なら10,000円で済むけど、大変だったらもう少し上乗せしてほしいということらしいです。
こうして、圃場A~Dは昨年同様でしたが、ここに、親戚から新たに1枚、休耕田だった圃場Fで作付けを行うことになりました。
圃場F:ここは農機を保管している倉庫から最も近く、水源からも最も近いので、水管理がものすごく楽。すべての作業を終えてから農機の泥を落とすのにも使える格好のロケーション。

2.今年は代かきを二度行った
今年の春の農作業の概略は以下の通りです。
(1)品種:ハツシモ普通植え(昨年同様)、JAから苗45パレット分購入。1枚1,000~1,200円


(2)代かき:①荒代かき(5月31日(日)終日)、②本代かき(6月2日(火)早朝~昼前)


(3)満水:6月3日~5日(中3日)、6月5日(金)午後から落水開始
(4)田植え:6月6日(土)

このうち、荒代かきと田植えの農機運転は弟が行い、本代かきは平日だったので私が行いました。会社にはこの週はリモートワークを申請していて、9時~17時は仕事せねばならないことになっていましたが、6月2日は台風接近中だったため、雨が本降りになる前に代かきを終わらせる必要がありました。朝5時~8時30分と17時~日没の2回に分けるつもりでいたものを、午前中で全作業を終える必要がでてきたため、私は午前半休を申請し、5時前から11時30分までかかって、4枚分の本代かきを終えました。
なお、代かきを外注した圃場Cについては、代かき1回だけで、6月1日(月)に終わりました。田植えについては、5枚すべてを弟が行いました。
3.自己評価は去年よりかなりまし
すでにお伝えしているように、去年よりはずっとましな結果となりました。去年はパレット43枚分の苗を5枚の圃場に植え付けたのに、けっこう苗を余らせてしまいましたが、今年は45枚を事前発注していてそれが足りなくなりました。
母の米作農家コネクションで、同じ時期に田植えを終えていた近所の農家さん2人に頼んで、あまった苗を現場で譲り受けました。合計すると48枚分ぐらいになったかと思います。3枚分の苗の御礼は、缶ビール12缶分でした。
4.理由を考察する
第一に、去年と比べて、水管理で苦労しなかったことです。代かきの時は十分田んぼに潅水することができ、田植えの直前までには十分な落水ができた。結果苗の活着率が高く、植えた直後から苗が水面に浮いて漂うようなことが起こりませんでした。去年のように、あとから挿し苗をする必要がほとんどありませんでした。というか、挿し苗に使う余った苗もありませんでしたし。
圃場Aについては周辺の田んぼからの漏水でなかなか落水がうまく進みませんでした。落水しようにも排水路の水位も高く、流れ出ない難しさはありました。それでも、去年よりはましでした。
圃場Dについては、去年は満水にするのも落水するのも大変でしたが、今年は上流で堰き止めて水を使っている農家があったため、満水にするのには時間がかかりました。でも、結果的には水位がほどほどのところで田植えに入れたので、良かったのではないかと思います。
あとの3枚については、さほど文句はありません。
第二に、去年ずいぶんと苗を余らせた最大の理由は、田植えの条の間隔が拡がったり狭まったりするケースが多くて、妙に植わっていない空白地帯ができていたからです。今年は空白地帯が少なく、どこもだいたい同じ間隔で植えることができました。
田植え機がまっすぐ進むためには、目安となるライン「マーカー」を最初に田面に描き、それに沿って植えていくうちに隣りのマーカーが引かれる仕組みになっています。しかし、去年の場合は落水が不十分で、田面に引いたマーカー線が、濁った泥水でまったく見えなくなってしまいました。これが直進を難しくしてしまったのです。
今年は、落水が十分だったので、マーカーの線がはっきりと田面に残りました。だから間隔が空いてしまう条が少なく、畔もギリギリまで苗を植えることができました。

第三に、代かきを2回行ったことです。これで、田床の整地がある程度できたと思います。去年の代かきは1回だけで、かなり多くの轍を残した状態で田植えに進んでしまいました。轍があり過ぎると深いところでは苗が活着しないので、轍はなるべくない方がいいです。

5.それでも難しかったポイントは?
昨年と比べての今年の教訓としては、①代かきは2回やること、②水管理がキモだということ、の2点は大きいと思います。一方で、今年もうまくいかず、来年に持ち越しになった課題もいくつかありました。
第一に、代かきの際に下ろすハロウの深度の最適解は、今年も見つけられませんでした。浅くかけば轍が残る。かといって深くかけば轍は消せますが、ハロウの両側に土をかいた「土手」が形成されてしまいます。このハロウの深度の調節レバーは一目盛り分しかないため、どう調節するのがいいのか、皆目見当がつきません。

第二に、代かきをやっている際、母から、「田床が高くなっているところからハロウで泥をかいてきて、低いところに泥を運べ」と要請されましたが、こんな整地を代かきだけで行うのはムリだと思いました。母にそう言われ、意識してやってみましたが、ハロウで土を引っかこうとすると、ハロウが通った後の両側に「土手」ができてしまい、引っかいた土を前に運んでいく量はさほど多くないと感じました。冬の間の耕耘を2回やって、その時に高い場所から砕いた土を、低い場所に手作業で運ぶ方が現実的な気がします。
第三に、圃場C「沼田」をどうするかという課題です。耕耘するのにもトラクターの車輪が埋まって立ち往生すると言われている田んぼなので、従来型の慣行農業を続けるのであれば、今年やったように、代かきだけでも外注するというのは一案かもしれません。ただ、そこまでしておコメを作った方がいいのかという疑問もあります。
この圃場は3辺を道路、残る1辺を家屋で囲まれた、完全飛び地の田んぼになっています。何か、実験的なことを行うにはちょうどいい圃場ではあります。これからしばらくは、今年のおコメの収穫に向けた管理が求められますが、その間に、来年どうするかという点について、少し考えないといけませんね。
第四に、去年よりもジャンボタニシの生息域が拡大してるかもしれません。去年は圃場Aで嫌というほど見かけたジャンボタニシの卵ですが、今年は圃場C、Dでも、あの、田んぼに似合わないピンク色の卵を、畔のコンクリートブロックや草の葉や茎に産み付けられているのを、結構見かけました。
課題は残りましたが、取りあえず無事に作業を終え、私は田植えの翌日、実家を出発して東京の自宅に戻りました。この日は中央自動車道で二カ所の事故渋滞があり、スムーズなら5時間30分の行程で8時間もかかってしまいました。翌日からの仕事に多少影響があったのは言うまでもありません。

