【日本が貧しくなった本当の理由】第80章:赤字でも払う税
第80章:赤字でも払う税
普通の感覚で考えてみよう。
利益が出ていない。
赤字だ。
ならば――
税金はどうなるか。
多くの人はこう思う。
「儲かっていないなら、税金は少ないはずだ」
法人税はそうだ。
利益にかかる。
赤字ならゼロ。
だが。
消費税は違う。
■ 利益ではなく「売上」にかかる構造
消費税は最終的に消費者が払う。
そう説明される。
しかし事業者は、
売上にかかる消費税から
仕入れにかかった消費税を差し引き、
その差額を納める。
ここで重要なのは、
利益が出ているかどうかは関係ない、ということ。
売上があれば、発生する。
たとえば。
売上1,000万円。
仕入れ800万円。
差額200万円。
この200万円が、そのまま利益とは限らない。
人件費。
家賃。
光熱費。
借入返済。
それらを払えば赤字かもしれない。
それでも、
消費税は納める。
■ 転嫁できない世界
「価格に上乗せできるから問題ない」
本当にそうだろうか。
価格競争の激しい業界。
取引先との力関係。
下請け構造。
フリーランス。
転嫁できない現実はある。
そのとき何が起きるか。
事業者が吸収する。
実質コストになる。
利益を圧迫する。
■ だから賃上げが止まる
企業の内部で何が起きるか。
・人件費を抑える
・非正規を増やす
・投資を控える
・内部資金を守る
守りに入る。
企業が悪いのか。
違う。
生き残ろうとしているだけだ。
■ インボイスという「網」
そしてインボイス制度。
免税事業者だった小規模事業者も、
事実上の課税網に組み込まれる。
逃げ道は狭くなる。
フリーランス。
個人事業主。
小さな店舗。
静かに。
確実に。
■ 一度、止まる
消費税は
「広く薄く公平」だと言われる。
だが実態はどうか。
消費者に効き、
企業に効き、
弱い立場ほど効く。
しかも怒りを生みにくい。
レシートに印字されるだけ。
■ 静かな設計
景気が強いとき、
過熱を抑えるために使うなら理解できる。
だが。
長期停滞の中で、
何度も引き上げた。
偶然か。
それとも思想か。
消費税はラスボス。
だが、まだ序章だ。
次章。
「逆進性」を、数字で見る。
感情ではなく、データで刺す。
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