およげたいやきくんのイントロに学ぶ日本人の受容力
若い人は知らないかもしれないが、かつて日本で最も売れたレコードと言われていた曲がある。『およげ!たいやきくん』だ。ちなみに現在30代後半の僕の世代の曲でもない、1975年に発売された曲だ。
童謡なので子供たちに馴染みやすい面白い歌詞で構成されているが、よく聞くと演奏はめちゃくちゃ渋くてかっこよい。
そして、実はこの曲のイントロのドラムがある名曲と非常に良く似ており、作曲者の趣味趣向を垣間見ることができる。まずは冒頭のドラムを聞いてもらいたい。
この冒頭のドラムがビートルズの『Something』のドラムと全くと言っていいほど同じに聞こえる。『Something』は言わずと知れたジョージハリスン作曲の普及の名作だ。
簡単にググって調べてみても、その証拠を見つけることはできなかったが、明らかに『Something』を意識したドラムとしか考えることができない。
もっと言えば、ドラムの後に続くイントロのメロディーも同じくジョージ作曲の『While My Guiter Gently Weeps』に似せているような気さえしてくる。(これは僕の気のせいの可能性が高い…)
これは別に「パクリだ」とか言う事ではなく、先人が残した名曲への愛が感じられることを言いたいだけだ。ビートルズも何かの曲からインスピレーションを得ている可能性が高い。
先人の業績や技術を土台として、新しい知識や技術を積み重ねていくことで文明が進歩することを意味する「巨人の肩の上に立つ」という言葉がある。人はゼロから何かを生み出すのではなく先人の偉業を受け継ぐかたちで偉業をアップデートしていくという学びを得ることができるのだ。
そして日本人は海外から入ってきたものを、独自の文化に昇華することがつくづく上手いと思う。車を開発したのは日本人ではないが、トヨタを始めとした日本企業は世界トップのシェアを占有した。野球も発祥はアメリカだが、今では数多くの日本人MLBプレーヤーが活躍してWBCでも日本が優勝するレベルになっている。
これからも我々日本人は海外の優れたものを上手くキャッチアップして独自の文化に昇華させていくことが、今後の世界で生き抜いていくコツなんだろうと『およげ!たいやきくん』を聞きながら考えていた。
