今年の折り返しに振り返る読書目標未達|これまで読んだ本を晒す
気が付いたら早くも6月。実はもう既に今年も半分を過ぎようとしていることに気づいた。ついさっきまで正月だった気がするが、1年の半分が過ぎていることが事実なのである。
さて、僕は2年前から中間管理職になってしまったことで、多忙により読書時間の捻出が難しくなり、疲れから余暇を飲酒して過ごす機会が増え、読書の冊数がめっきり減ってしまっていた。
今年の目標はそんな読書時間を取り戻すことであり、まずは酒を辞めることで突破口を開こうとしていた。これが非常に効果があり、毎日少なくとも1時間程度は本を読むことに時間を費やすことができるようになった。仕事の方もある程度手を抜くことを覚え、労働時間を減らすことまではできていないがストレスをプライベートにまで引きずらなくなれてきた。
そこで今年の半分を過ぎようとしているこの6月に今まで読んだ本を振り返ってメモに書きだしてみたところ、読了冊数は12冊であった。6月中にあと2冊くらいは読めると見込むと半年で14冊、2025年中に28冊読了で着地ができるかもしれない。
定時で帰っていたステイホームのコロナ渦では年間60冊くらいは読んでいたのだから、だいぶ物足りないけれども、30冊近く読めれば個人的には上等だと思う。もともと遅読であるし、読む本も分厚いものが多い。
ということで、今年読んで面白かったものをここに晒して紹介していく。今年発売されたものもあれば、古典的な本もある。僕は基本的に乱読スタイルだから、特定のジャンルを好む人にはあまり参考にならないだろうがお許しいただきたい。
「夢のエネルギー」核融合の最終解答
生成AIが登場したことでテクノロジーは最終段階に入ったような気分でいたが、実はまだまだ次のテクノロジーが実用に向けて動きだしている。そのうちのひとつが核融合だ。
核融合は「恒星を地上につくる」という途方もないアイディアであり、地上に太陽の様な無限のエネルギーを生み出す存在が作れたら、現代のエネルギー不足は一気に全て解決されてしまう。生成AIの登場によって世界中で莫大な電力が使われるようになった今、次に期待されるのはその電力源となるエネルギーを無限に創出する核融合である。
原題は「恒星を地上につくる」ことから「The Star Builders」夢のあるタイトルだと思う。
量子超越: 量子コンピュータが世界を変える
一般向けサイエンス本の著作が多くあるミチオカクの最新作『量子超越』は量子コンピューターについての一冊だ。これはめちゃくちゃわかりやすくて面白かった。今年読んだ本でベストを挙げろと言われたら本書を挙げる。そもそも「量子」が何なのか知らなかった文系出身の僕でもある程度は理解できたのは大きい。
従来のコンピューターと量子コンピューターの違いを歴史を振り返りながら解説してくれて、量子コンピューターによって今後世界がどう変わっていくのかが予想できるようになる。
参考までに、Googleが開発した「シカモア」という量子コンピューターは、従来の世界最速のスーパーコンピューターでも1万年かかる数学的問題をわずか200秒で解くことができる。これだけで、世界がガラッと変わることが容易に想像できるだろう。
検索から生成へ 生成AIによるパラダイムシフトの行方
AI研究の第一人者である清水亮さんの『検索から生成へ』は2023年ChatGPTが登場した年に発売された。僕が20代の頃に初めてプログラミングの勉強をした時に清水亮さんの『教養としてのプログラミング講座』という本を読んでおり、とてもわかりやすく勉強になったことを強く覚えている。それ以来、著書をいくつか読んだり、noteもフォローしていつも読ませてもらっている。
本書は「検索」の歴史をわかりやすく説明していて、それだけで十分に面白い。創世記のYahoo!やGoogleの話は、実はあまり目にすることはないので基調だ。
そして「テクニウム」という概念を学べる。テクニウムの現象によって、これから生成AIがただのブームではなく、世界を変えながら進化し続けることが予測できる。それも物凄いスピードで。
2023年の本だから生成AIの話題が少し前の精度に感じることもあるが、それは生成AIの進化するスピードがいかに速いものかを証明しているように思う。
会社と株主の世界史 ビジネス判断力を磨く「超・会社法」講義
『会社と株主の世界史』は、世界史を通して「株式会社」の仕組みを学ぶことができる。時は東インド会社まで遡り、「法人って何?」といった実は知らなかった会社にまつわる用語を世界史的な歴史から学び直すことができる。
最新技術や自己啓発を学ぶこと以上に、会社と株主の関係性を仕組みから理解しておくことは、この社会を生き抜くうえで最も役立ったりするものだとつくづく思う。「会社と株主の…」とあるが、会社員こそ読むべき本でもある。
ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか
ペイパル創業者のピーターティールの『ZERO to ONE』そう言えば読んでなかったなと思い読んでみたところめちゃくちゃ面白かった。
この本から学べるのは「競争ではなく独占を目指せ」という考え方であり、起業家だけでなく会社員だとしても、成長と競争を強いる社会で疲弊している人には福音になり得るヒントがたくさん詰まっている。
メタトレンド投資 10倍株・100倍株の見つけ方
僕は中島聡さんのメルマガを購読している。中島さんは元マイクロソフトのエンジニアで天才プログラマーと呼ばれ、ダブルクリックやドラッグアンドドロップなど今では当たり前になった機能を現在の形にしたことで有名だ。
エンジニアのイメージが強い中島さんは投資家としても有名であり、特にテクノロジー関連の株で大きな利益を挙げている。そんな中島さんが投資本を出版した。それが『メタトレンド投資』である。
本書ではテクノロジー関連株を中心に、近い将来にトレンドとなり得る企業を選定するノウハウを披露している。自分が本当に応援したいと思える企業の株を買う「推し活投資」という考え方が面白かった。
賢明なる投資家
株式投資の古典『賢明なる投資家』投資の神様であるウォーレン・バフェットが師と仰ぐベンジャミングレアムの著書だ。
本書では主にバリュー投資という手法が説明されている。本質的に価値を持っている企業にも、市場が適切な株価を付けておらず割安になっていることがある。この市場の歪みを利用して利益をあげる。要するに「安く買って高く売る」方法を教えてくれる本だが、その基本的な理論をみっちりと学ぶことができた。
プロット・アゲインスト・アメリカ/フィリップ・ロス
ヒトラーの友人であり反ユダヤ人主義のリンドバーグが、ローズヴェルトを破ってアメリカ大統領に当選した世界を描く、歴史改変小説。2004年に出版された小説だが、アメリカ第一主義のトランプ大統領が当選して以来、本書の内容が現実味を帯びて再び人気を博した。
なんとこのAmazonレビューに内田樹が投稿している。本当に本人なのかは確認できないが、内容からして本人だと思う。内田樹も書いている通り、本書で書かれている起こり得なかった歴史に思いを巡らせつつ、日本の過去と現在を考えたことは非常に意義のある時間だった。
百億の昼と千億の夜/光瀬 龍
古代文明から遠い未来までの時代を行き来しながら、プラトンや 悉達多、ナザレのイエスなど、主要な登場人物が複雑に絡み合いながら物語を織り成す。
正直なところ難解でわからないところが多々あったが、冒頭から終幕まで続く寄せては返す波の描写から、人間と世界の存在を問い直される様な壮大なテーマを感じることとなった。読後感は圧巻である。
銀河ヒッチハイク・ガイド/ダグラス・アダムス
イーロンマスクに影響を与えたことで有名な『銀河ヒッチハイクガイド』SFでありながらもコメディであり、独特な世界観を楽しむことができる。
銀河バイパス建設のため、ある日突然地球が消滅し銀河をヒッチハイクすることになるという、荒唐無稽に見えるストーリーだが、その中に人間や宇宙への深い洞察が散りばめられている。
まとめ
読了冊数としては少し物足りないが、忙しく働きながらもよく読んだと思うし、振り返ってみるとこれらの本からたくさんのことを学ぶことができていると再確認できて満足感が高い。本を読むことで自分が変わることができるのならば、その読書は成功だったと言える。
2025年も残り半年、あと何冊読めるか、そしてどんな本を読んでどう自分が変われるか、今から非常に楽しみでならない。
