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「いつかゆっくり巡ろう」は一生来ないー九州旅行で放浪癖がさらに悪化した話

20代の頃にレンタカーを借りて3泊4日で九州を縦断したことがある。福岡空港でレンタカーを借り、長崎に向かって五島列島をドライブしてフェリーで熊本に行った。阿蘇山のドライブを経て宮崎で宿泊し、最終日には桜島に行って鹿児島空港から東京に戻る、移動しっぱなしの弾丸旅行だった。

その時はどの県もお試しのような感じになってしまい「いつかまた来よう」「今度ゆっくり巡ろう」と思いながら、泣く泣くわずかな滞在日数で観光地を後にしていた。鹿児島にいたっては桜島と空港しか訪れていない。

僕が九州に行ったのはその時だけだったため、再訪は長年の夢のようになっていたが、ついにこの前、ようやくその夢が叶うことになった。12月に鹿児島へ、1月は佐賀に行くことができたのである。

九州縦断弾丸ドライブの反省を活かして、今回は一回の旅行で同一の県に絞ることにした。鹿児島に4日間、佐賀に4日間とそれぞれじっくり滞在することにしたのである。

鹿児島空港から旅は始まり、霧島神宮を訪れてから電車でのんびり鹿児島中央駅の宿まで向かった。その車窓から見えた桜島は息を飲むほど美しく、その夜に宿で知り合った人と飲み交わした焼酎の味は忘れることができない。

翌日は仙厳園に向かって晴天の桜島を見る。付近の名物である「ぢゃんぼ餅」も美味しかった。その後、電車で南下して指宿で砂蒸し風呂に入り、翌日はフェリーで大隅半島に渡って鹿屋のカンパチを頂いた。鹿屋で宿泊をして翌日にのんびり鹿児島中央で過ごし、大阪へのフライトで帰阪する。

佐賀へは初めて訪れることとなった。以前の弾丸旅行ではパーキングエリアに行った記憶だけあるが、それは佐賀の印象とは程遠い。ようやく佐賀をまるごと楽しめる機会を得れたのである。

福岡空港から電車で唐津に向かい、唐津で日本酒を嗜む。唐津城と虹の松原を歩き、名物である唐津バーガーを食べてから焼き物の街である伊万里と有田へ向かった。有田で雪が降ってしまったので、地元のスーパーで食材を買い込み、お土産として買った唐津の銘酒である「太閤」の新酒を飲みながら地元の食材を楽しんだ。

そこから、佐賀駅へ向かい、ここではゆっくりとした時間を過ごすためにホテルで大半の時間を過ごすことになったが、ようやく佐賀に長時間滞在できたことに高い満足感を得ることができた。

さて、この旅で当時の「お試し」だった九州の地が満喫できたかと言うと、結局のところ「まだまだ足りない」気持ちになっているのが正直なところだ。むしろ、更に「また来たい」となってしまっている。

よくよく考えれば、九州というエリアだけでなく各県だって充分に広い。そして実際に現地を訪れるとネット上で調べた情報よりも、より解像度の高い現地の情報が自然と入ってくることとなり、結局さらに好奇心が湧いてしまうのである。

今回も鹿児島で言えば「知覧にも行きたい」「佐多岬にも行かなきゃ」「開聞岳の近くまで行きたい」「そう言えば桜島も眺めていただけで今回は上陸していない、次は上陸しなきゃ」となり、佐賀で言えば「呼子のイカを食べてない」「肥前浜宿で日本酒飲んでないな」「有田と伊万里でもう1泊したかった」といったかたちで更に欲が出ていることがわかる。

こうして「お試しの無限ループ」が続いてしまい、僕の放浪癖は留まることがなくなってしまっている。

世界は広いと言うが、広いだけではなく、身近なところにも更に細やかな魅力がある。全てを楽しむには時間がいくらあっても足りないことを学んだ旅行だった。

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