タイトルがイケてる本|読まれなければ意味がない?
noteを始めてみて気づいたこととして「タイトルは大切」というのがある。もちろんSEOとかの理由もあるけれど、まずはnote内でクリックしてもらえる目を惹くタイトルを考えなければならない。本当はこの辺にこだわって戦略的に投稿を繰り返すことが大切なのだが、毎日投稿していることもあって適当に妥協した投稿をしてしまうことが多い。日々、反省している。
ところで、デジタルの世界だけでなくリアル書店でも、本の背表紙のタイトルを見て「面白そう」と思って購入に至る人も多いだろうと思う。タイトルが大切なのはデジタルもアナログも同じだったのだ。
そこで、僕が今まで読んだ本のなかで「目を惹くタイトルだったなぁ」と思う本を連ねてみる。目を惹くタイトルがあったら、ぜひ読んでみてもらいたい。
まずは中島らもの『頭の中がカユいんだ』これは著者が初めて書いた小説であり、自伝的な要素が含まれているノンフィクションを脚色したような作品だ。
あらすじとしては、ある日突然家出をした主人公が大阪の街を徘徊しているうちにドタバタと色々な出来事が起こって…といった当時の日常を切り取ったような話だが、著者はこの本を「"アルコールと睡眠薬でラリりながら書いた"」らしく、文体も展開も奇想天外で頭がついていかなくなる感覚に陥る。
「頭の中」という痒みを感じない部分に「カユいんだ」というもどかしい絶妙な皮膚感覚を添えたタイトルに魅力を感じ、思わず唸ってしまう人も多いかと思う。
次は内田樹の『ひとりでは生きられないのも芸のうち』文字数もリズムがよく、俳句の様なタイトルのエッセイだ。
本書は著者のブログをまとめた一冊であり、社会情勢について言及する内田樹の考え方に触れながら多くの教養を身に付けることができる。同様のエッセイは非常に多く、僕もかなりの数を読んでいるけれど、タイトルは本作が一番気に入っている。
現実の世界では市場原理が働き、階級も存在し、差別も分断も存在する。厳しい世の中なのだ。よく言われることだが、そんな厳しい世界において「人はひとりでは生きられない」のだ。
もし、ひとりで生きていけるようだったら、人類はコミュニケーションなど必要としない。パソコンもスマホもいらないだろう。だからこそ厳しい世界を生き抜くために他者とコミュニケーションを取る術を、アナログでもデジタルでもあの手この手で学んで人類は進化してきた。
ひとりでは生きていけないことも逆手に取れば、それは他者と助け合いながら生きていくしかないことを意味する。つまり「ひとりでは生きられないのも芸のうち」なのだ、とタイトルがうまく表している。
次は外国文学からガルシア=マルケスの『わが悲しき娼婦たちの思い出』を紹介する。これもどこか刹那的でノスタルジーを感じる目を惹くタイトルだと思う。
『満九十歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝いにしようと考えた』というなかなか衝撃的な内容が綴られるが、主人公は老いと向き合いつつ前向きに生きていく。
ガルシア=マルケスは『百年の孤独』の文庫化で話題になったが、こちらも面白いのでおすすめだ。『百年の孤独』と比べて短い作品でサクッと読み切れる点も良い。ちなみに本作は川端康成の『眠れる美女』から着想を得たらしい。『眠れる美女』も目を惹くタイトルだと思う。
最後は新書から橘玲の『臆病者のための株入門』最近になって新版が出たようで『新・臆病者のための株入門』となっている。2024年から始まった新NISAに対応するかたちで「臆病者のための新NISA活用術」という章が加わっている。
「株入門」といった類の多くのマネー本と同様に「臆病者のための」というワードから挑発的な煽りを感じるかもしれないが、この本は本当に「臆病者のための」一冊なのである。
株式投資にはリスクが付き物であるため、臆病者は将来への不安に対して現金ばかり貯蓄をしていくだろう。しかし現代はインデックスファンドという優れものがあり、インターネットを活用すれば誰でも投資ができる。臆病者でも適切にリスクヘッジしながら株式投資ができるのだ。
詳しくは本書を読んでもらえればわかるが、インデックス投資が発明された歴史から原理までわかりやすく説明されており、これを読むことで株へのハードルはグッと下がることだろう。
さて、ここまで書いてみて「目を惹くタイトル」の本は、タイトルが目を惹くだけでなく素晴らしい内容あってのものだと、あらためて気づいた。内容がどんなに良くても読まれなければ意味がないとは良く言われるが、逆もしかりで良い内容が書かれているからこそ目を惹くタイトルが編み出され、読み手はその内容に魅了されていく。
これからは「目を惹くタイトル」を考えていきたいものだが、中身を疎かにはしないように気を付けたい。
尚、本のタイトルは著者だけでなく編集部が決めることが多いのは、知っておきたいところだ。(※出典:本のタイトル(書名)は誰が決めるか?実態調査)
