近所のバーで聞いた「Instagram投稿しんどい問題」から、NexTokoというwebアプリを作ってみた
はじめに
今回このアプリを作ろうと思ったきっかけは、近所のバーでお店を経営している方と話したことでした。
そのときに感じたのが、
「Instagramをやった方がいいのは分かっているけど、実際に続けるのはかなり大変そう」
ということです。
特にSNSに慣れていない方ほど、
「何を投稿したらいいかわからない」
「ハッシュタグが難しい」
「リールって何を載せればいいの?」
「若い人が見るような投稿の雰囲気がわからない」
「そもそも毎回考えるのが大変」
という悩みがリアルにあるんだなと感じました。
もちろん、年齢だけで一括りにはできません。
ただ、実際に話してみると、お店としての魅力はあるのに、それをInstagram上でうまく出せていないケースはありそうだなと思いました。
そこで、
SNSが得意な人の感覚を、少しだけアプリ側で補助できないか
と考えて、飲食店向けのInstagram投稿支援Webアプリをデモ版として開発してみました。
名前は、
NexToko
です。
Next(次の) + 投稿(Toko)
つまり、
“次に何を投稿するか”を考えるアプリ
という意味です。
NexTokoはどんなアプリか
NexTokoは、飲食店向けのInstagram投稿支援Webアプリです。

バー、スナック、居酒屋などのお店が、スマホやPCから店舗情報を入力すると、Instagram向けの投稿文、ハッシュタグ、リール案を提案してくれるデモアプリです。
すでにスマホ対応済みで、営業前や店内でもサッと使える形にしています。
ざっくり言うと、
「今日、何を投稿すればいいかわからない」
を助けるアプリです。
入力する内容は、たとえば以下のようなものです。
店舗名
住所
店舗種別
おすすめポイント
投稿したい内容
ここで入力した住所をもとに、天気情報を取得するAPIを実行します。
そして、実行時点以降の天気や気温を見て、
雨の日向けの投稿
寒い日向けの投稿
暑い日向けの投稿
晴れの日の仕事終わり向け投稿
雪の日でも来店しやすいことを伝える投稿
のように、気候に合わせた投稿案を提案します。
さらに、1つの投稿案だけを出すのではなく、
最寄り駅特化
天候特化
店舗ジャンル特化
雰囲気特化
イベント・おすすめ商品特化
リール向け構成案
のように、切り口を切り替えられるようにしています。
同じバーでも、
「すすきの駅近くのバーとして訴求する投稿」
「雨の日に入りやすいバーとして訴求する投稿」
「二次会向けとして訴求する投稿」
「落ち着いた隠れ家感を出す投稿」
「ショート動画向けに店内の雰囲気を見せる投稿」
では、文章もハッシュタグも変わります。
NexTokoでは、その日の目的に合わせて投稿案を選べるようにしたいと考えました。
Instagramの規約には気を付けた設計にした
この手のアプリを考えるときに注意しないといけないのが、Instagramの規約です。
最初に考えがちなのは、
「近くの競合店舗の投稿を自動で集めて分析すればいいのでは?」
という方向です。
でも、Instagramをスクレイピングして勝手に情報収集するような設計は、規約面でかなり注意が必要です。
なのでNexTokoでは、少なくとも初期版ではInstagramのスクレイピングに頼らない方針にしています。
代わりに、
他SNSの公開トレンド
ニュース
季節イベント
地域イベント
飲食系で話題になりやすいキーワード
ショート動画で使われやすい表現
一般的な検索ニーズ
などを参考にしながら、投稿に使えそうな切り口やタグを整理する形にしています。
たとえば、
「雨の日」
「仕事終わり」
「二次会」
「ひとり飲み」
「忘年会」
「夏限定」
「駅近」
「隠れ家」
「深夜営業」
のような、飲食店投稿に使いやすいテーマを拾い、店舗情報や天候情報と組み合わせて投稿案を作るイメージです。
完璧なInstagram分析ツールではなく、
規約に気を付けながら、飲食店の投稿づくりを補助するツール
として作っています。
住所から天気を取得して、投稿文に反映する
NexTokoで特に入れたかったのが、天候に合わせた投稿提案です。

ただ手動で「晴れ」「雨」を選ぶのではなく、入力された住所をもとに天気情報を取得するAPIを叩き、実行時点以降の天候や気温を見て、投稿内容に反映させる形にしています。
取得した天気情報をもとに、
天気
気温
雨や雪の可能性
暑さ・寒さ
季節感
などを判断し、投稿文の方向性を変えます。
飲食店の投稿は、天気によってかなり言い方を変えられると思っています。
たとえば雨の日なら、
「雨の日でもゆっくり過ごせる」
「駅近だから立ち寄りやすい」
「落ち着いた店内で一杯」
「本日空席あります」
という投稿が合いそうです。
寒い日なら、
「温かい料理」
「熱燗」
「煮込み」
「仕事帰りに温まりたい」
という訴求ができます。
暑い日なら、
「冷たいビール」
「爽やかなカクテル」
「仕事終わりの一杯」
「夏限定メニュー」
のような投稿が作れます。
雪の日なら、
「足元に気を付けてお越しください」
「駅から近いので立ち寄りやすいです」
「寒い夜にゆっくり過ごせる空間です」
のような言い方もできます。

単に「本日も営業しています」と投稿するよりも、天候を入れることで“今日投稿する理由”が作りやすくなります。
ここは実際にデモ版を作ってみて、かなり実用的だと感じた部分です。
ただし、まだまだ改善の余地もあります。
天気に合わせた文章は便利ですが、テンプレ感が強くなりすぎるとお店らしさが消えてしまいます。
今後は、もっと自然で、そのお店の雰囲気に合う文章に近づけていきたいです。
ハッシュタグも目的別に切り替えられるようにした
最初は、投稿文と一緒にハッシュタグをまとめて出せばいいかなと思っていました。
でも、考えてみるとハッシュタグも目的によって変えた方が使いやすそうです。
たとえば、最寄り駅からの集客を狙うなら、
#すすきのバー
#すすきの飲み
#すすきのグルメ
#すすきの二次会
のような地域寄せが向いています。
雨の日の来店を狙うなら、
#雨の日デート
#雨の日の過ごし方
#雨の日飲み
#ゆっくり飲める店
のような天候寄せが使えます。
雰囲気を出したいなら、
#隠れ家バー
#大人の空間
#落ち着くお店
#おしゃれバー
のようなタグが合いそうです。
つまり、ハッシュタグも「全部入り」で出すより、
何を狙う投稿なのかによって切り替えた方が使いやすい
と感じました。
NexTokoでは、投稿内容と同じように、ハッシュタグも目的別に切り替えられる形にしています。
リール提案も入れてみた
Instagram運用で、今避けて通れないのがリールです。
ただ、リールは通常投稿以上にハードルが高いです。
文章だけならまだしも、
「何を撮ればいいの?」
「何秒くらい?」
「どんな順番で見せればいい?」
「テロップは何を入れる?」
「流行ってるショート動画っぽくするには?」
となると、一気に難しくなります。
そこでNexTokoでは、Instagramのリール案も提案できるようにしています。


Instagramだけに限定せず、他のショート動画系SNSや一般的な動画トレンドも参考にして、
どんな構成が見られやすいか
どんな入り方がよさそうか
何を最初に見せるべきか
どんなテロップが使いやすいか
飲食店向けにどう落とし込むか
を提案するイメージです。
「リールを作れ」と言われると難しいけど、
「この順番で撮ればいい」と言われると、少しやれそうな気がします。
デモ版で入れている機能
現在のデモ版に入れている主な機能は以下です。
店舗情報入力
住所入力
住所をもとにした天気APIの取得
実行時以降の天候・気温をもとにした投稿提案
投稿したい内容の入力
天候別の投稿文生成
最寄り駅特化の投稿案生成
ハッシュタグ生成
ハッシュタグの切り替え
リール構成提案
コピーしやすい出力
スマホ対応
まだ完成版ではなく、まずは使い勝手を試すためのデモ版です。
それでも、実際にスマホでも動く形にしたことで、
「入力項目は多すぎないか」
「生成結果は店舗側が使いやすいか」
「天気による切り替えは自然か」
「文章がAIっぽすぎないか」
「営業前にサッと使えるか」
を確認できるようになりました。
アイデアだけで止めずに、スマホ対応済みのデモ版まで作ったのは大きかったです。
実際に作ってみて感じたこと
作ってみて一番感じたのは、
1つの正解を出すより、選べる方が便利そう
ということです。
お店側がその日に出したい内容は、毎日変わります。
今日は空席を埋めたい日かもしれない。
今日は新メニューを推したい日かもしれない。
今日は雨だから、近場のお客さんを狙いたい日かもしれない。
今日は週末前だから、二次会利用を打ち出したい日かもしれない。
だからNexTokoでは、
「この投稿が正解です」
と1つだけ出すよりも、
「駅近で訴求するならこれ」
「雨の日で訴求するならこれ」
「リールにするならこれ」
「雰囲気推しならこれ」
というように、選択肢を出す形の方が合っていると感じました。
SNSに慣れていない人ほど、ゼロから考えるのは大変です。
でも、選択肢があれば選びやすい。
この考え方は、NexTokoの大事な方向性になりそうです。
スマホ対応して感じたこと
飲食店向けに作るなら、スマホ対応はかなり重要だと感じました。
営業前、店内、移動中、仕込み中のちょっとした時間。
そういう場面で使うなら、PC前提のツールは使われにくいと思います。
NexTokoはWebブラウザアプリとして、PCだけでなくスマホでも使えるようにしています。
スマホでは、
入力する
天気を取得する
投稿案を生成する
内容を見る
コピーする
Instagramに貼る
という流れをできるだけ簡単にしました。
実際にスマホ対応してみると、入力欄の数やボタンの配置だけでも、使いやすさがかなり変わると感じました。
高機能にするよりも、
営業前にサッと開いて、投稿案をコピーできること
の方が大事かもしれません。
飲食店向けのツールは、機能の多さよりも、現場で使える軽さが重要だと思いました。
今後やりたいこと
今後は、投稿文のパターンをもっと増やしたいです。
たとえば、
アカウント登録(店舗名や住所入力を省ける)
空席案内
本日のおすすめ
新メニュー紹介
雨の日投稿
雪の日投稿
週末前投稿
二次会歓迎
ひとり飲み歓迎
観光客向け
常連向け
のような、飲食店がよく使いそうな投稿パターンを増やしていきたいです。
天気APIで取得した情報も、もっと細かく活用できそうです。
たとえば、
「今は雨だけど、夜には止みそう」
「気温が低いから温かい料理を推す」
「週末で晴れだから二次会需要を狙う」
「雪が強いから駅近や店内の落ち着き感を訴求する」
のように、単純な晴れ・雨だけではなく、実行時以降の気候の流れまで見て、より自然な投稿提案ができると面白そうです。
さらに、リール提案ももっと実用的にしたいです。
撮影順
テロップ案
動画の長さ
最初の1秒で見せるもの
最後の誘導文
このあたりまで出せると、かなり使いやすくなりそうです。
将来的には、
投稿履歴管理
店舗別テンプレ保存
画像生成
投稿分析
反応が良かった投稿の傾向整理
アカウント管理
なども考えられます。
ただ、いきなり全部やると重くなるので、まずはデモ版をもとに小さく改善していくのが現実的かなと思っています。
まだ課題も多い
もちろん、課題もあります。
まず、生成された文章が本当にお店の雰囲気に合っているか。
AIっぽすぎる文章になると、飲食店のInstagramとしては少し違和感が出ます。
お店ごとの空気感や、人柄、常連さんとの距離感はかなり大事です。
なのでNexTokoは、「完全自動で投稿を作るツール」というより、
投稿のたたき台を作る補助ツール
として使うのがよさそうです。
天気情報の扱いにも注意が必要です。
天気APIで情報を取れるとはいえ、必ずしもお店の営業タイミングにぴったり合うとは限りません。
「今は雨だけど、夜は晴れる」
「住所のエリアでは雪予報だけど、実際の店舗周辺はそこまで降っていない」
「気温は低いけど、地下街直結だからそこまで影響しない」
みたいなケースもありそうです。
なので、天気情報は絶対的な答えではなく、投稿を考えるためのヒントとして使う方がよさそうです。
また、ハッシュタグの精度も今後の課題です。
トレンドっぽいタグを出すことはできますが、実際にどれが効果的かはアカウントや地域、投稿内容によって変わります。
ここも今後、検証していきたいところです。
そして、Instagramの規約面も引き続き注意が必要です。
便利にしたいからといって、無理な情報取得やスクレイピングに寄せるのは避けたいです。
長く使えるツールにするなら、ここはかなり大事だと思っています。
まとめ
今回は、飲食店向けInstagram投稿支援アプリ「NexToko」のデモ版について整理してみました。
NexTokoは、
飲食店が“次に何を投稿するか”を考える負担を減らすWebアプリ
です。
特徴としては、
デモ版をすでに開発済み
スマホ対応済み
店舗情報から投稿文を生成
入力住所をもとに天気APIを実行
実行時以降の天候・気温をもとに投稿内容を提案
最寄り駅特化の投稿案を作成
ハッシュタグも目的別に切り替え
Instagramのリール案も提案
他SNSやニュース、ショート動画トレンドも参考にする
Instagramの規約に気を付け、スクレイピングには頼らない
という感じです。
最初は、近所のバーで聞いた小さな悩みから始まりました。
でも実際に考えてみると、これはバーだけではなく、スナック、居酒屋、カフェ、小さな飲食店全般にありそうな課題だと思っています。
SNS運用に慣れていないお店でも、
「今日これ投稿してみようかな」
と思えるところまで手伝う。
NexTokoは、そんなアプリにしていきたいです。
まだデモ版なので、完成形には遠いです。
でも、個人開発としてはかなり面白いテーマになりそうです。
次の投稿を考えるアプリ、NexToko。
少しずつ試しながら、飲食店のリアルな困りごとに近づけていきたいと思います。
