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2025年の個人的ベスト本『ヒルビリー・エレジー』貧困から副大統領へ

先日、この本を読んだ。


『ヒルビリー・エレジー』J.D.ヴァンス
三宅夏帆さんが紹介していたので読んでみた。


本の厚みや、登場人物の多さに慄き、読むのをやめようかと一瞬思ったが、気付くと半分くらい読み進めていた。

著者は1984年生まれ。姉と同じ学年で、ギリギリ同世代と言える年代だ。過酷な半生はまるで映画を観ているかのようだった。読み応えのある話だった。

貧困と家庭崩壊が蔓延するアパラチア地方の文化にルーツを持つ著者が、厳しい家庭環境を乗り越え、名門イェール大学ロースクールに進学し弁護士になるまでの半生を描いた回顧録。祖母の愛情と厳しい指導のもと、暴力、薬物依存、不安定な生活から抜け出すことを決意。軍隊経験を経て大学に進学し、社会階層の壁に直面しながらも、故郷の価値観と成功への渇望の間で葛藤する。家族の絆、貧困からの脱却、そしてアメリカンドリームの光と影を浮き彫りにした作品。

結局、この著者はどういう人なんだっけと思って検索すると現在アメリカ副大統領になっていると知り驚く。(無知でお恥ずかしい。)

アメリカの副大統領になる人なんて、絶対裕福な家庭で育ったエリートだと思っていた。でも著者はエリートとは真逆の苦労人。

両親は離婚し、何度も父親が替わる。
母は薬物依存症で、不安定になると子どもにも虐待と言っていいほどの仕打ちをする。
幼少期からずっと母の言動に振り回され続け、何度も裏切られて。地域全体が同様な家庭で貧困世帯が大多数を占める。


アメリカは格差社会であると頭では分かっていたものの、こんなに凄まじい日々を送っている人もいるのだと知った。
洋画には暴力的なシーンは多いが、あれは地域によっては事実なのだ。映画の中だけの話ではない。日常の人も居ることに驚く。


彼が貧困層を抜け出せたのは、両親の代わりになってくれた祖父母(しかしこの祖父母もいい意味でぶっ飛んでいる)と姉と彼自身の行動力のおかげだ。

祖父母が、不安定な母親とすぐ入れ替わる新しい父親との生活のシェルターになってくれた。祖父母自身もアルコール依存や暴力などの問題を抱えながらも、親代わりになり著者を守ってくれた。

不覚にも2回ほど泣きそうになった。遠い国の人の物語がこんなに刺さるのは、私も故郷を捨てて東京に出てきたという意識があるからかもしれない。

この本を読んでアメリカの影の部分を現実味を持って知ることができた。アメリカという国にもっと興味を持つことができたし、トランプのような人が大統領になる理由が少し分かった気がする。


それと、個人的な教訓としては子ども達をもっと祖父母と関わらせようと思った。両親以外で無性の愛を注いでくれる大人の存在って、やはり大きい。
祖父母から学ぶことも多いだろう。



私は実家に帰ったり義実家に遊びに行ったりする事を、忙しい日々の中で後回しにしていたけれど、子どもと祖父母が信頼関係を築けるようにもう少し会う頻度を増やそうかと思う。

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