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海外在住者による自国民をターゲットにしたビザ仲介詐欺✮コミックエッセイ✮

インドでは海外で働きたい自国民をターゲットにしたビザ仲介・求人詐欺が多発しています。インド外務省によると、2022年に約1,600件の海外就労詐欺が報告され、特に中東とカナダ向けの詐欺が多く被害額は数十億円に及びます。

インド周辺諸国も同様で、パキスタン、バングラディシュ、ネパール、スリランカ、フィリピンなど海外送金への経済的依存度が高く、若年層の失業率が高い国では海外就労への需要が強く、詐欺師が「高収入の仕事」を餌にしやすいため、起こりやすい詐欺なのです。


Ⅰ.日本で違法行為をする外国人にキレるインド人の夫 ✴️

4コマ漫画のテキスト
1:
夫の友達の日本人JAさん「N人の友達が隣駅にお店オープンして売り上げは良くないけどSY駅にもお店作ろうとしててさ。そこで働く必要は無いけど保険証のコピーだけ欲しいって言われたんだよねー(私は断ったよ)」 [同席してるJAさんご友人の日本人JBさん](私は良いよってコピー渡しました) 夫「え?」 そのN人は自国向けにビザ発行で金儲けをしようとしているのだった(外国で働きたい自国の人にビザを発行して一人百万とか手数料を貰う)。
2:
津籠解説「就労ビザを作るべく入国管理局に申し込みする際「うちは日本人も働いてるちゃんとしたお店ですよー実在しますよー」って証明にしたいから日本人の健康保険証を使いたいわけです」 LBさん(保険証コピーあげた人)「その人のお店ではいつもタダでご飯食べられる♪」 夫「hmmm…それもし入管が調べたらすごい問題なるヨ、あなたも警察捕まっちゃうかもしれないヨ」 JBさん「え! そうなの??」  
3:
夫「そんなのScam※(詐欺)じゃん。分かってて書類作成を手伝う日本人の行政書士とかも悪くない?(そういう事するからN人どこでもどんどんお店出してるね…ノットグッド。保険証コピーはおかしいってちょっと考えれば分かるでしょ、日本人でもそんな人いるネ。その人優しそうだけどあんまり頭良くなさそうな人だった←)」 ※お金儲けを目的としたずる賢い行為
4:
津籠「そういう事してる人いるだろうなとは思ったけど、本当にビザ発行ビジネスあるのねぇ…」 夫「会社閉業しようとした時、友達に『名義残してインド人にビザ出してあげれば1人100万くらい貰えるじゃん』言われたヨ。でもワタシはチートしたく無い。そういうのすごい問題なっちゃうの分かってるから。友達の事は勿論助けるけど、ワタシ嘘は嫌だし詐欺の手伝いはしたく無いヨ」 夫は冗談ばかり言いますがこういうとこは非常に真面目なインド人なのであります。
書類作成を手伝っている人がどこまで把握しているかは不明なので、夫が話すように本当に悪いのかは分かりません。[漫画初出:2024/08/29]

🇮🇳夫「新店オープンに2,500万かかると言っていたらしいけど多分嘘だし、そもそもそんなにお金あるなら、私なら自分の国で仕事するヨ」←

因みに隣駅にあるお店は、メニューにハワイブラジルイタリアコリアインドイギリス料理何でもあり。日本の居酒屋ではタンドールで作ったナンはさすがに出せませんですし、負けた感あります。この漫画の時(2024年)から一年近く経過しますが、お店はまだありました。レビューを一通りチェックしたところ(笑)、原価率を抑えてうまくやっているようです。

インドの就労はこのようなビザ仲介詐欺なども絡み問題が山積みで、働き口を見つけるのが本当に大変だと思います。

Ⅱ.ビザ仲介詐欺の実態

海外在住インド人による自国民(特に就労ビザを求める人々)をターゲットにしたビザ仲介詐欺には、様々な手口あります。

まずターゲットとしては、主にインド国内の若者や中間層で、海外での就労を希望する人々が狙われやすいです。教育水準が低く、海外のビザ制度や法的プロセスに不慣れな人々、特に地方出身者や経済的に困窮している層がターゲットになることが多いです。

1.詐欺の手口

  • 偽の就労ビザや仕事の約束: 海外にいるインド人が「信頼できるエージェント」として振る舞い、偽の就労ビザや雇用契約を提示。高額な手数料(数十万円から数百万円)を請求する。

  • ソーシャルメディアやネットワークの悪用: WhatsApp、Facebook、またはインド人コミュニティのネットワークを通じて勧誘。親族や知人の紹介を装うケースも。

  • 偽の書類: 偽造されたビザ、労働許可証、雇用主からのオファーレターを提供し、信頼性を装う。

  • 段階的な詐欺: 初期の手数料を支払わせた後、さらに「追加費用」(例: 書類認証、面接手配、渡航費など)が必要だと主張し、被害者を追い込む。

  • 国外での搾取: ビザが取得できた場合でも、実際には低賃金の仕事や非合法な労働環境に送り込まれるケース(人身売買に近い)。

「国外での搾取」に関しては、インド国内で映画やテレビ番組の題材として取り上げられています。(旧サイトでは記事にしておりまして、いずれこちらにもアップします)

2.夫から聞いた、身近な実際の詐欺事例

夫からよく聞く話としては、自分が働いているお店や会社に紹介し紹介手数料として百万以上を請求するパターンです。親族だとそういうことはしないですが、そうでない場合にはお金をふんだくるみたいです。払う側も海外で稼げるなら払えると考えて、その手数料で承諾するのでしょうね。

直近で今年聞いた詐欺パターンでは、エージェントを介して来日し日本で働けるようになったものの、給料の殆どをエージェントに搾取されてしまい自分の手元にお金がろくに残らないというもの。被害に遭ったのは夫の友人です。

3.手数料の相場

インド国内の平均的な収入(月収2~5万円程度)に比べ、詐欺師が要求する手数料は数十万円から二百万円以上になることがあり、家族の貯金や借金で支払われることも多いです。例えば湾岸諸国(アラブ首長国連邦やサウジアラビア)での就労ビザを装い、50万~100万ルピー(約80万~160万円)を請求するケースが報告されています。

4.なぜこの種の詐欺が多いのか?

4−1.インド人海外在住者の規模
インドは世界最大の海外在住者を持つ国の一つで、約3,200万人が海外に居住しています(2023年時点)。中東、米国、英国、カナダなどに多く、これらのコミュニティが詐欺の「橋渡し」役となる場合があります。海外在住のインド人が「成功者」として信頼されやすく、詐欺師がその信頼を悪用するというパターンです。

4−2.インド国内の経済的背景
インド国内では、失業率の高さ(特に若年層で7~8%以上、2023年データ)や低賃金が問題となっています。そのため、海外での高収入の仕事に強い憧れがあります。教育や情報へのアクセスが限られている地方在住者が、詐欺師の甘い言葉に騙されやすい傾向があります。

4−3.ビザ制度の複雑さ
就労ビザの取得は国によってとても厳しく、書類や手続きが複雑です。時に専門知識が必要なため、詐欺師は「簡単な解決策」な方法を提示してきます。

4−4.規制の不十分さ
インド政府は不正なビザエージェントを取り締まる法律(例: Emigration Act, 1983)を設けていますが、海外在住の詐欺師は摘発が難しく、偽のオンラインサイトや個人間の取引は追跡が困難となっています。

5.詐欺の手口例や各種データ

  • 中東でのケース
    ドバイやリヤドに住むインド人が「建設業やホテル業の仕事」を約束し、ケララ州やタミル・ナードゥ州の若者に50万ルピー以上の手数料を請求。渡航後、約束された仕事が存在せず、被害者が不法滞在者として拘束される。

  • カナダでのケース
    カナダ在住のインド人が「永住権」を保証すると偽り、100万ルピー以上を要求。偽の書類で申請し、発覚後に被害者が入国拒否される。

  • オンラインでのケース
    WhatsAppやTelegramで「ビザコンサルタント」を名乗り、偽のウェブサイトで個人情報と金銭を盗む。例: インド政府の公式e-ビザサイトを模倣した偽サイト。

  • インド外務省(MEA)は、2022年に約1,600件の不正な海外就労斡旋に関する苦情を受けたと報告。特に湾岸諸国と東南アジアが多かった。

  • インドの新聞(例: The Hindu, Times of India)では、毎年数百件のビザ詐欺事件が報道され、特にパンジャブ州やケララ州からの被害が多い。

  • 国際労働機関(ILO)によると、インド人労働者の約20%が海外就労時に何らかの詐欺や搾取を経験していると推定。

どこの国にも悪いこと考える人はいるものですね(´゚ω゚`)

6.求人詐欺被害に遭わないための対策

インド外務省では、インド国民特に若者たちが偽求人に騙されないよう「観光ビザ・訪問ビザにて就労目的で渡航する前に、国民は関係する在外公館を通じて外国の雇用主の資格情報を確認し、求人を引き受ける前に、採用エージェントや企業の実績を確認することを推奨する」と勧告しています。

もし身近なインドの方が海外求人や就職話の話をしていましたら、上記の外務省の勧告の話など交え充分気をつけるようお伝えください。

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# 初出・更新履歴

本記事は「日本で違法行為をする外国人にキレるインド人の夫(初出:2024年8月29日)」を、note用に本文を書き直しまとめたものです。

# 当サイトについて

当サイトは、インド人夫が語るインドカルチャーやニュース、私達国際結婚夫婦の日常をメインに綴っています(夫がネタ放出、私妻が編集作画)。

夫は北インド出身です。「インドでは――、」とよく語りますが、インドは広い上に多民族多宗教多言語国家のため、南インドなど地域により異なる場合があります。その点ご留意いただき、北インドの某インド人はこういう感覚なのか〜という感じで読んでいただけると幸甚であります。基本的には楽しんでもらえるような記事を発信していますが、真面目な題材も扱います。参考文献を併せてご覧いただくとより詳しく知ることができます。

「インド人夫と日本人妻|自己紹介」より

# 参考文献

1) P FARGUES. Skilful Survivals: Irregular Migration to the Gulf. 2017 Gulf Labour Markets, Migration and Population(閲覧日:2025年6月27日)
2) MEA: Annual Report 2021-22.(閲覧日:2025年6月27日)
3) The Hindu: Kerala agency dupes over 130 job seekers from DK, Udupi with false promise of employment in Israel. Nov 18 2024(閲覧日:2025年6月27日)
4)The Hindu: Advisory warns skilled youth against overseas IT job scam. 2022年9月30日(閲覧日:2025年6月27日)
5)R. Sivaraman. The frustrated pursuit of happiness. October 08, 2024 The Hindu(閲覧日:2025年6月27日)
6) Mathrubhumi.com: Job scam: 9 individuals including TVM native detained by fraudsters abroad return home. 12 November 2022(閲覧日:2025年6月27日)
7) The TImes of India: City police bust Rs 26 crore online job fraud; 2 held from Kerala. Apr 14, 2024(閲覧日:2025年6月27日)
8)カナダ移民局:  Immigration and citizenship fraud and scams. (閲覧日:2025年6月27日)
9) Rhymer Rigby. Recruitment fraud: What you need to know. Journal of Accountancy May 1, 2025(閲覧日:2025年6月27日)
10)  Tamasin Ford. Secret filming reveals brazen tactics of UK immigration scammers. 31 March 2025 BBC(閲覧日:2025年6月27日)
11) India in SF: Important Advisory on Fake Indian E-Visa Websites.(閲覧日:2025年6月27日)
12) Rahul Tripathi. Fake e-Visa portals cheat tourists, allegations of data theft & abuse. December 31, 2017 The IndianExpressindianexpress(閲覧日:2025年6月27日)


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