「日本の当たり前」が通じない国メキシコで、自営して見えた働くことの本質
こんにちは、オアハカ在住のさるです。
オアハカで就職して1か月でクビになり、自営の道を選んだ記事の続きです。
今回は自営業での、私の仕事論です。
一部の方には違和感がある内容かもしれませんが、現場で実際に感じてきたことを書いています。
たぶん、海外で働く多くの人が「あるある」って感じる部分もあるかもしれません。
私は今、メキシコ・オアハカで「さる屋」を切り盛りしています。
業務のメインは、民芸品の生産管理とバイヤー業務を軸に、現地アテンド、記事執筆、写真撮影などを行っています。
事業を軌道に乗せるまでの日々は、案件が動いている時期のプレッシャーがものすごく、一時期はストレスで腰痛になるほどでした。
物理的ではなく、メンタルから来た腰痛。
自由を手に入れたはずなのに、
体が悲鳴をあげて焦りました。笑
日本の当たり前が通じない、メキシコの仕事の進め方。
その温度差をすり合わせる日々でした。
メキシコでは「顧客満足」への優先順位が、日本とは違うと感じる場面も多く。
日本なら、生産依頼があれば、継続的な注文や長い取引を見据え、お互いの歩み寄りや擦り合わせが感じられます。
でも、メキシコでは、「自分たちができる範囲」で仕事が進むことが多いと感じました。
まさに、発注先の個人(工房・業者)の仕事に対する考え方に大きく左右される部分でもありました。
納品されるまで、常に緊張が続くような感覚。マジでプレッシャー半端ないです。
24時間365日、すべての仕事の責任は自分に返ってくる。
時差のある日本とのやり取りは、早朝や深夜に及ぶこともありました。
現地アテンドの仕事も、直前まで何度もやり取りをしてても
当日になって本人の都合でいきなりキャンセルされる、地獄のような場面もありました。
でも、オアハカで自営でやっていくと決めたからには、自分がすべての責任を背負うことは、自由に生きていくために引き受けた覚悟でしたが!
日本とメキシコのはざまで「揉まれまくる」辛い立場を選んじゃったな。と自分でツッコミいれてました。笑
その後、メキシコの仕事の進め方(作業の背景やクオリティの感覚)を尊重し、無理に日本式を押し付けないスタンスを設定し、現地ファーストへ移行することになります。
最近のネット界隈では、「タイパ良く稼ぐ」と、アフィリエイトや仕組み化で稼ぐ方が賢い生き方のように語られがち。
そんな単純なものでもないと思うけど
(平成初期脳。笑)
単純に、仕事とはこういうことだと思っています。
対価に見合う仕事を、確実に、誠実に行うこと。
それだけです。
「ブラック」という言葉に逃げない覚悟
「ブラック企業」という言葉は、確かに現実の歪みを可視化してきました。
本当に過酷な環境に置かれている人たちを否定するつもりは、まったくありません。
私も、当時はブラックって思ってなかったけど、新卒で就職したTVスタジオの照明の仕事は、2週間に一度あるかないかの休日。
朝始発でスタジオに向かい。夜中2時近くにタクシー送迎で帰宅も経験してきました。
その後、販売経験、会社員勤務、派遣勤務と一通り社会経験は積んできてからの、オアハカデビュー!!
ただ、現代の社会で私が違和感を覚えるのは、
少し理不尽なことがあったり、自分の思い通りにならなかったりしただけで、すぐに「ブラック」とひとくくりにしてしまう空気です。
そう感じる背景には、自分の人生の責任の置きどころが揺れている場合もあるのかもしれません。
その言葉に寄りかかりすぎると、思考停止が始まることもあります。
本気で状況を変えたいなら、選択肢は他にもあるはずです。
自分で環境を作ること、自分で起業することも、その一つだと思います。
私がメキシコで独立したとき、そこにあったのは「自由」と引き換えの、全責任を引き受ける覚悟でした。
守られた場所で条件の悪さを嘆くだけでは、なかなか誰かが作ったルールの外には出て行きにくいとも感じています。
自由とは、楽になることではなく、責任を引き受けることです。
自分を自分で使いこなす
昔から思っています。
人を使うのは難しい。
使われるのは気楽(語弊があればすいません)。
その中間にあるのが、「自分を自分で使いこなすこと」
それが自営の本質ではないか、と。
「無償で働きます」という熱意のズレ
自営で仕事が流れに乗ってきた頃に、実務経験のない学生さんからこんな連絡が届きました。
「メキシコと日本を行き来できる仕事を探しています。無償でいいので、インターンとして働けませんか?」
熱意のつもりだと思いますが、正直に言うと少しモヤモヤしました。
私の仕事内容をブログやサイトできちんと読めば、自営で小さくやっている規模だと分かるはずです。
大企業様のように新人育成に力を入れる事もできないし。資金面だって弱い。
正直、その時点で温度差を感じました。
書かれている志望動機も、自分軸に寄っている。
実務を何も知らない人を一人前にするには、教える側の時間や労力が大きく削られます。
それを理解した上で覚悟を見せてくれる人となら、私は向き合いたい。
「メキシコが好き」なのは、あくまで個人の感情です。
それはとても大切な気持ちだと思います。
でも、それだけでは仕事としては成立しません。
相手にどんな価値を提供できるのか。
何ができるのか。どこで役に立てるのか。
自分にできることや覚悟を示さずに、「無償労働」でなんとかなると考えている点。
正直に言うと、一番モヤモヤしたのはそこでした。
「メキシコが好きだから関わりたい」という気持ちが、どこか“それだけで十分”だと思われているように感じたことでした。
これを書いていて、昔、私が日本のメキシコ関係の企業にことごとく落ちた理由が、ようやく腑に落ちました。
あのときは分からなかったけれど、今なら分かります。笑
まずは自分の土俵で、結果を出してから声をかけてほしい
私が一緒に仕事をしたいのは、自分の足で立ち、経験を積んできた人です。
私はこれができます。だから、タッグを組んでwin-winになりましょう!
そう言える人。前の記事で書いた、面接で落ちた会社と今、肩を並べて仕事できるようになった理由はこれだと思います。
まだ結果が見えない段階だと、ビジネスとして一緒に組むのは難しいと感じています。
仕事で魂は売らない
平成初期の「24時間働けますか?」という時代も、確かに歪んでいました。
でも、あの頃の大人たちが持っていた「稼ぐことへの執念」「仕事そのものへの熱意」まで、今の「効率化」と一緒に捨てる必要はないと思います。
本当の働き方改革とは、働く時間を短くすることだけではありません。
自分の仕事に誇りを持ち、他人に人生の手綱を渡さないこと。
自分を曲げず、お金のために魂は売らず。関わる人にはリスペクトを持って向き合います。
怖い人、面倒くさい人と思われるかもしれませんが、それでも構いません。
自分の仕事を守る姿勢だけは手放したくないのです。
派手ではないけれど、私はこの地で地道に実務を積み重ねていきます。
▼メキシコで仕事するなら、スペイン語は必須、私のスペイン語あれこれ。
▼自営でがんばって、最終的に本も出させてもらった話。
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