Putlaのカーニバルの「ティリチェ」ってなに?ボロ布に刻まれた強さの歴史
こんにちは。オアハカ在住のさるです。
いま、カーニバル真っ盛りのオアハカ。
ミステカ南部、シエラ・スール地方に近いPutla Villa de Guerrero(プトラ)のカーニバルに登場する、見た目からは想像できないTiliche(ティリチェ)の歴史について、少し書いてみます。


この、カラフルな生地にまとわれた大きなゴザのような帽子と仮面のティリチェ。7月に行われるオアハカのお祭り、ゲラゲッツアのキャラクターとしても愛されています。
訪問された人によく聞かれるのは。
「あれって、なにか意味とか言い伝えがあるんですか?」
そう、実際なにか伝説とか特別な象徴に見える。
でも本当は、ちょっと悲しくて、人間の強さの象徴なんです。
ボロ布に刻まれた抵抗と誇り
オアハカの夏の祭典「ゲラゲッツア」でも圧倒的な存在感を放つ、プトラ・ビジャ・デ・ゲレーロのティリチェ(Tiliche)。
実は、その色彩豊かな姿の裏には、人々の苦しさと反骨精神の歴史が隠されています。
「ガラクタ」という名の正装
「ティリチェ」とはスペイン語で「ガラクタ」や「安物」を意味します。
オアハカ州南部のミステカ地域では、19世紀、大農園(アシエンダ)で過酷な労働を強いられていた先住民や労働者たちが多くいました。
そして、祭りに着ていく晴れ着を買うお金などはありませんでした。
彼らは捨てられた布の切れ端をかき集め、古着に縫い付けることで、自分たちだけの「正装」を作り上げたのです。胸が締め付けられる話です。
そして、人間の発想の転換ってすごいって思いました。
仮面に隠された自由
彼らは動物の皮などで顔を隠し、誰だかわからない状況の中、普段は頭の上がらない支配層(白人や農園主)を滑稽に真似し、風刺したそうです。
そう!プトラのカーニバルの期間だけは、身分を超えて自由を謳歌することが許されたのです。
いまオアハカは、そのカーニバルの盛り上がりのギアを入れている真っ最中。
そんな話が見えてくると、あのカラフルで元気いっぱいに飛び跳ねているTilicheの見え方が変わってきます。
ゲラゲッツアのマスコットキャラへ
かつては「持たざる者」の象徴だったティリチェは、今やオアハカ州の無形文化遺産となり、ゲラゲッツア祭りのメインビジュアルになりました。
オアハカの歴史の中で続いた「強さと誇りの象徴」となったと思っています。
ゲラゲッツアの時期には、ティリチェデザインのグッズもたくさん販売されます。可愛くてみていると欲しくなる。
「ボロ布であっても、知恵と情熱があればこれほど美しい芸術になる」という彼らのメッセージは、歴史を知る人の心を揺さぶります。
これらの話は、YouTube動画にもあります。
よかったらぜひ見てくださいね。
ティリチェになる瞬間。
ゲラゲッツアのパレード前や、カーニバルの開始前は、このティリチェになるための準備を見ることがあるのですが、正直すごい重装備です。
まず、あのカラフルな切れ端で作った衣装のボリュームと重量が、見ただけで重そう!!!とわかります。
さらに、オアハカは日中そこそこ気温が高い地域。
あれ着て、あんなに激しく飛び回るのスゲー体力!!!って驚きと同時に、中で脱水症状になって倒れないか?いつもハラハラします。
少し前までは成人男性がその役割を担っていましたけど、最近は女性や子供もティリチェになります。
週末のカーニバル中に、「yoko!! ぼくだよ!」って声をかけてくれた小さいティリチェがいた。
仮面をかぶっているからわからんけど、いつもはチャーロ(メキシコ・カウボーイ)の格好でパレードを歩いている、私の小さな友達だった。

いまは、プトラ以外でもティリチェの衣装でお祭りを盛り上げることは多いのです。
あと、わんこも。

写真のわんちゃんは、オアハカのお祭り大好き犬マサパン。
犬界のファッションリーダーなので、その後たくさんのワンちゃんがティリチェ衣装を着てて、かわいかったです。
これからも、人としての強さと知恵の象徴であるティリチェを、私は暖かく見つめていきたいです。
と、いうか歴史を知ったら大好きになりました。
でも、全員ほぼ同じに見えることは内緒ね。
※本記事は、オアハカ在住の筆者自身の体験と、現地資料をもとに構成しています。引用・紹介の際は、必ず 出典(筆者名・記事URL) を明記してください。
本文にでてくる「ゲラゲッツアを日本一わかりやすく解説!」
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