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オアハカ⇔サン・クリストバルの夜行バス 在住者として「危険すぎる」論調にモヤモヤしている話

今年も死者の日をきっかけに、オアハカを訪れる旅行者が増えました。それに合わせて最近よく目にするのが、「オアハカ⇔サン・クリストバルへの移動」をまとめた旅記事です。

その中で、特に目につくのが過去の長距離夜行バスでの強盗被害を知り「移動が怖かった」「とても緊張した」という声を、noteでも見かけるようになりました。

先に書いておくと、実際に被害に遭われた方を責めたい気持ちはまったくありません。被害に遭ったこと自体は本当に気の毒だと思いますし、怖かっただろうなとも思います。

ただ、その一方で、現地に住んでいる立場だからこそ、どうしても拭えないモヤモヤがあります。

それは、「数字が取れそうだから」という理由で、リスクの高い体験が“武勇伝”のように消費され、これからメキシコ旅行を楽しみにしている人たちに、必要以上の不安を与えてしまっているのではないか、という点です。

あくまで個人的な感覚ですが、私自身がメキシコ国内を移動するとしても、そこまで怯えながら旅をする感覚は正直ありません。

移動手段は他にもありますし、危険度を下げる選択肢も、普通に存在します。

それにもかかわらず、強盗被害の話だけが切り取られ、強調され、拡散されていく。その結果、「メキシコはやっぱり危険な国」というイメージが、昔からある煽り報道と似た形で、また強化されているように感じてしまいます。

これは被害を軽く扱いたいわけではありません。むしろ逆です。
強盗被害は、武勇伝にはなりません。
笑って消費できる出来事でもありません。
在住者にとっては、普通に生活が壊れる可能性のある出来事です。

旅を“コンテンツ”として見る視点と、ここで生活している側の感覚。このズレこそが、私がずっと抱えているモヤモヤの正体なのだと思います。


数字になる「危ない旅」が量産される違和感

※ここから先は、特定の誰かを断定的に語るものではなく、あくまで在住者として感じている個人的な違和感について書いています。

日本人のバックパッカーや旅系YouTuberって、「お金がないけど旅してます!」「ギリギリの貧乏旅行!」というスタイル、正直かなり好まれやすいですよね。

そこで、強盗に遭った。トラブルに巻き込まれた。危険な目にあった。

それが、いつの間にか「その国ではよくあること」のように扱われ、“旅のネタ”になり、拡散され、再生され、数字になっていく。

……少なくとも私には、そうした構図に見えてしまうことがあります。

それを見た別の旅行者が、「そんな怖い経験があるんだ」「やっぱりメキシコ危ないんだ」と過剰に反応し、また同じような動画や記事が増えていく。

注意喚起というより、面白がって煽っているように見えるケースも、正直少なくありません。だって、他にも移動方法はあるのですから。

結果として増えているのは何か。

やはり「数字」だと感じてしまいます。

この流れは、私が昔から嫌いだった煽り報道のやり方と、とてもよく似ているように思えます。

メキシコのイメージを下げる方向にしか進んでいないように感じます。
少なくとも、日常的に暮らしている身としては、「そんなに危ない国じゃないよ」と思う場面のほうが圧倒的に多いです。

旅のスタイルや予算は人それぞれだからこそ、動画の冒頭に「これは貧乏旅というエンタメ性のある内容で、一般的なメキシコ旅行者が同じ体験をするとは限りません」といった一言が添えられていてもいいのでは、と感じています。


「安く旅する」と「リスクを上げる」は別の話

現地で働いて生活している身からすると、「お金がないのに、なぜそこまで旅行しているの?」と感じてしまうことがあります。

前提として、メキシコは「物価が安い国」ではありません。特に安全面に関しては、「節約=正解」にならない場面が、はっきり存在する国です。

むしろ、ある程度お金を払って安全を買う国。これは脅しでも何でもなく、生活していると自然に身についてくる感覚です。

それなのに、海外にいながら移動費をケチって、現地の人でもあまり選ばないような安い夜行バスに乗る。

そして、被害に遭う。

冷たい言い方に聞こえるかもしれませんが、「そりゃリスク高いよね……」と思ってしまう自分がいます。

その選択が、安く旅したかったからなのか、本当に知らなかったからなのか、それとも――数字を意識した結果なのか。

もちろん、被害に遭ったこと自体は本当に大変だったと思います。ただ、その出来事が「伸びるから」「回るから」という理由で消費されていく流れに見えると、どうしてもモヤモヤしてしまうのです。


現地で暮らす私が「避けていること」

では、現地で暮らしている私はどうしているか。

これはあくまで私個人の選択ですが、長距離移動では次のことをほぼ固定ルールにしています。

  • できるだけ一等(Primera Clase)バスを選ぶ

  • 名前の通った、大きなバス会社を利用する

  • 夜行を選ぶとしても、最安値は選ばない

正直、料金は安くありません。でもそれは「ぼったくり」ではなく、設備・管理・安全を含めた“移動の質”への対価だと考えています。

ちなみに、過去記事で「サンクリ⇔オアハカバス強盗の発生率」も数字で検証しています。


最後に

強盗被害の話を見て、不安になる気持ちはとてもよくわかります。でも、危険に寄せに行く選択肢しかないわけではありません。

「安く旅する自由」と「自分からリスクを上げる選択」は、やはり別物です。

この感覚を知らないまま旅する人が増えてしまうことのほうが、私は少し怖いな、と感じています。

少し毒を吐いてしまいました。すみません。でも、現地に住んでいるからこそ、これだけは伝えておきたかったことです。

以上、モヤモヤした独り言でした。

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