980円で手に入れた中古のゲームボーイアドバンス―その頃には遊ぶ仲間はいなかった
私は「見えない貧困」をテーマに発信しています。このテーマを発信しようと決めたのは、自分の幼少期からの貧困の経験があったからです。育児を通して、どんな家庭の子どもであっても、「泣かせたくない。つらい思いをしてほしくない」と強く思うようになりました。
私にできることは、ほんのわずかです。実体験エッセイを通して、少しでも多くの人に「見えない貧困」があることを知ってもらえたら嬉しいです。今回は、「980円のゲームボーイアドバンス」というエピソードをお話ししたいと思います。
小学生の頃、ゲームボーイカラーが発売されました。ポケモンブームで友だちが盛り上がるなか、私が遊んでいたのはゲオで買ってもらった中古のゲームボーイでした。
ゲームボーイアドバンスが出ても、私の手元にあるのはゲームボーイ。DSが発売された頃になってようやく、980円で売られていたゲームボーイアドバンスを買ってもらえました。それはとても嬉しい瞬間でした。
けれど、もうその頃には周りにゲームボーイアドバンスで遊んでいる友だちは誰もいませんでした。
小学校では、ゲームの話題が当たり前のように飛び交っていました。戦後間もない頃なら、おもちゃ自体が少なく、買ってもらえない子も多かったはずです。けれど今は、持っている子が圧倒的に多い。しかも猛暑や不審者の心配から、子どもだけで公園に行くことも少なくなり、家や公園でゲームをする姿が普通になりました。
この先の記事で書こうと思っていますが――「買える子」と「買えない子」が分かれてしまうと、買えない子どもはそれを手に入れるために、気づかず良くない危険な行動に走ってしまうことがあります。全員が同じではないからこそ、同じように見えても自分だけが持っていないという事実が、子どもたちを追い詰めてしまうのです。
そしてそれは、仲間はずれやいじめにまで繋がっていくのです。

