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だいたいのことは、フタを開けておけば続く

続かない理由は、だいたい“始める前”にある。

まったくどうでもいい情報だが、オヤジバンドをやっている。
『浅草ホッピーず』という名前で、全員60代。昭和のフォークソングがレパートリーだったりする。“やっている”と言うのも、はばかられるくらいの実力だ。

いつ消えてもおかしくない集まりだが、何とか続いている。去年、中心になって引っ張ってくれていた、文字通り“ベース”が、犬とたわむれる暮らしを選び、長野に引っ越してしまったため存続が危ぶまれたが、飲み友達をひとり強引に加入させて、何とか続いている。

集まるのはせいぜい月に一度で、忘れたころに責任感の強い“ギター”がLINEで誘ってくれる。そして、その連絡が来ると必ず躊躇する。全く練習してないからだ。

別にどこかのステージで披露する予定もないから、今さら練習して上達する必要も、ないと言えば全然ない。しかし毎回、ダメだったところを次までに練習してくる。と宣言して終わっているからそんな気になる。そして毎回、次の日にはそれを忘れる。だから連絡が来ると、いや、もうちょっと待ってくれ、と思い、それも次の日には忘れる。困ったものだ。

僕の担当は、サイドギターと歌と少し前に始めた“電子サックス”だ。エアロフォンと言う、管楽器っぽいシンセである。
これに触ること自体はすごく楽しい。楽しいんだけど、なぜか触らない。いつも見えるところに置いてあるのに。なぜだろうと思ってしまう。

フタを開けるだけで、人生は少し動く。

そう思っていたら、
「うちの子がピアノの練習をしないんですけどどうしたらいいでしょう」という相談に先生が答えている記事を見かけて、妙に納得した。

答えは「ピアノのフタを開けておいてください」だった。

目から鱗である。つまり、ピアノのフタを開けて、鍵盤にかかったカバーを外す——そこに、実は高いハードルがあるのだ。
日頃からフタが開いていれば、何気に始められる。そして、すぐやめたっていい。やめた後、フタを閉めなくてもいいから。
そんな、つまらないとも思えることで、僕らの気分は左右される。しかし逆に言えば、そんなちょっとしたことでやる気になる、ということでもある。僕のエアロフォンも、電源入れて、コード繋いで、ヘッドフォンつけて、みたいな段取りがハードルになってるんだと思う。これがただ吹けばいいリコーダーならそうは思わない。

これって楽器の練習だけの話では、もちろんない。
世の中、続けなきゃいけないことだらけである。どんなことでも、それが続かない理由はたいがいコレじゃないかと思った。重いフタを開けなきゃ始められないという理由だ。

だったらどんなことでも、最初からフタを開けておけばいいってことだ。いやいや、それだと中身が汚れてしまう、なんて考えるからいけないわけだ。

毎日書いているこのブログも、続けられている理由は、とにかく最初の1行を書くことだったりする。書き始めてしまえば、あとは何とかなるもんだ。
今日もそうだったし。

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