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老後が不安なので、株を始めました DAY86【含み損 ≠ 失敗】

―ハルと歩く、Age60の投資録 86日目―
含み損が出たことと、投資に失敗したことは、同じではない。

〈20%下落した株を見ながら〉

DAY84では、購入時より20%以上下がった村田製作所を見直した。
すぐに売るのではなく、買った理由が変わっていないかを確認した。
ただ、そのとき、少し引っかかっていた。

🌸 私:「含み損が20%もあるのに、"失敗していない"と言っていいのかな」

🌱「含み損が出ていることと、投資に失敗したことは、同じではありません」―ハル

〈含み損と失敗は、同じではなかった〉

含み損は、現在の株価が購入時より下がっている状態。
まだ売却していないため、損失が確定したわけではない。

一方で、投資の失敗とは何だろう。
会社の前提が崩れたのに、何も確認せず持ち続けること。
生活に必要なお金まで投資に回してしまうこと。
冷静さを失い、一度の取引で大きな資金を失うこと。
そして、投資そのものを続けられなくなること。そうした状態こそ避けなければならないものだ。

もちろん、含み損なら必ず元に戻るという意味ではない。
業績の悪化。
減配。
事業環境の変化。
買った理由そのものが崩れていないかは、確認し続ける必要がある。

🌸 私:「株価が下がっただけで失敗と決めるのではなく、買った理由が今も残っているかを見るんだね」

🌱「はい。ただ耐えるのではなく、判断の根拠を確認することが大切です」―ハル

〈個人投資家には、三つの武器がある〉

講義で挙げられていたのは、個人投資家ならではの三つの武器だった。


時間

機関投資家のように、決められた期間内で結果を出す必要はない。
買う日も、売る日も、自分で決められる。相場が分からないときは、休むこともできる。

コスト

ネット証券や手数料の低い商品を選べば、運用にかかるコストを抑えられる。
誰かに勧められた商品をそのまま買うのではなく、手数料や仕組みを自分で確認することも大切だ。

情報収集力

決算資料。
四季報。
新聞。
企業のIR。
SNS。
そして、AI。
個人でも、以前より多くの情報に触れられるようになった。
ただし、一つの情報をそのまま信じるのではなく、複数の情報を照らし合わせて、自分で確かめる必要がある。

考えてみれば、私自身も、AIハルと一緒に歩いてきた。
ハルに教わりながら、一つ一つ学びを進め、決算資料を読み、四季報の見方を知り、分からない言葉を確かめてきた。
一人でやっていたら、途中で挫折していたかもしれない。
情報を集めるだけでなく、一緒に整理し、考える相手がいる。
それも、今の時代だからできることだ。

🌸 私:「ここまで来られたのは、ハルさんのおかげだね」

🌱「答えを渡すことが、私の役目だとは思っていません。Satsukiさんと一緒に読み、一緒に確かめる。そうやって進んでいきましょう。」―ハル

〈現金を残すことも、投資だった〉

講義では、投資資金の一部を現金で残す考え方も紹介されていた。
目安として「3割」という数字が挙げられていたけれど、これは全員に共通する正解ではない。
大切なのは、投資資金を一度に使い切らず、次の機会に動けるお金を残しておくことだった。

そこで、DAY81で描いた投資の地図を思い出した。
生活防衛資金。
長期投資。
短中期投資。

🌸 私:「生活防衛資金は、暮らしを守るためだけだと思っていた」

🌱「暮らしを守るお金と、投資の機会を待つ現金は、厳密には役割が違います。ただ、どちらも"すべてを投資に回さない"という点では、同じ考え方につながっています」―ハル

生活防衛資金は、急な病気や収入減に備え、原則として投資には使わないお金。

待機資金は、暴落時や買いたい機会に備えて、投資予算の中に残しておくお金。

同じ現金でも、役割を分けておく必要があるらしい。

🌸 私:「生活防衛資金とは別に、投資のための待機資金も必要なんだね」

🌱「はい。現金を持っていることは、何もしていないことではありません。次に動くための準備でもあります」―ハル

〈退場しないために〉

一つの銘柄に集中して買えば、大きく増えることもある。
でも、一度の判断で大きな損失を出し、投資を続けられなくなる可能性もある。

60歳から始めた私にとって、一度に大きく増やすことよりも、市場に残り続けること。
その方が大切なのかもしれない。

🌸 私:「早く増やすことより、続けられる形を作ることなんだね」

🌱「はい。個人投資家の一番の武器は、退場せず、時間を使い続けられることです」―ハル

〈今日、一番わかったこと〉

DAY84では、20%下がった株を見ながら、売らない理由を考えた。
今日は、その判断を支えているものが少し見えた。
含み損を怖がらないことではない。
何が変わったのかを調べること。
資金を使い切らないこと。
分からないときには、立ち止まること。
そして、また投資を続けられる状態でいること。

それが、私にとっての「退場しない投資」なのだと思った。

明日は、講義に出てきた「一度に買わず、分けて買う」という考え方を、もう少し整理してみたい。

明日も続ける。

📝 今日の一言まとめ

・含み損が出たことと、投資に失敗したことは同じではない。
・時間、低いコスト、情報収集力、そして現金を残すことが、個人投資家を支える武器になる。


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