ストレスに負けないメンタルの作り方
ストレスにうまく対処できるようになるためには、あなたの「引き出し」を増やすことが効果的です。
■ストレスに対処する心の「引き出し」
ストレスフルな状況に対処するための認知的、行動的な努力のことを専門的には「コーピング」といいます。
つまり、ストレスに直面した時にどのように考え、行動するかということです。
私たちは日常生活の中で、仕事、人間関係、健康問題など様々なストレス要因(ストレッサー)に遭遇します。
日々、これらのストレッサーにどう対応するかが、あなたの心と体の健康に大きく影響しています。
そして、そんなストレス要因(ストレッサー)に対処するために行う、様々な認知的、行動的な努力(コーピング)として、具体的な選択肢のことを「コーピングレパートリー」といいます。
つまり
ストレスに対処するための様々な方法やスキルのことを
「コーピングレパートリー」と呼ぶ
ことを覚えておいて下さい。
そして、ストレスを感じたときに使える様々な対処法を「引き出し」のように持っていることが「コーピングレパートリーが多い」と言えるのです。
■ラザルスとフォルクマンの心理学的ストレスモデル
ちょっとだけ、専門的な話しをしますね。
ラザルスとフォルクマンという研究者による心理学的ストレスモデルによると、同じストレス状況でも、その状況をどう評価し(認知的評価)、どう対処する(コーピング)かによって、心や身体に生じる反応は異なります。
例えば、締め切りが迫った仕事に直面したとき。
まずその状況を「どう捉えるのか(どう評価するのか)」という段階があります。ここで
「どうせ間に合わない」と捉えるか
「優先順位をつけてできるところだけでも取り組もう」と捉えるか
によって、心身の反応は変わります。
続いて、二次評価の段階に進みます。
これは、状況に対処するためのリソースや手段が自分にあるかどうかを評価するプロセスです。
例えば
「自分には時間管理のスキルがあるから、計画を立てれば間に合うかもしれない」と考えたり、
「上司や同僚に助けを求めることで、期限に間に合わせることができるかもしれない」など、
具体的な対処方法を見つけ出すことが重要です。
この二次評価によって、実際にどのような対処行動(コーピング)を取るかが決まり、その結果としてストレスに対する心身の反応が決まります。
つまり、状況に対する捉え方と、それに続く具体的な対処方法の選択が、ストレス反応の軽減に大きく影響するのです。
この「具体的な対処方法」こそがコーピングレパートリーです。
なので、レパートリーがたくさんあればあるほど、ストレス場面への対処の選択肢が増え、よりよく対処できる可能性が増えますよね。
■状況に応じたコーピングの使い分け
しかし、状況によって有効なコーピングは異なります。コーピングには大きく分けて、問題焦点型と情動焦点型の2つのタイプがあります。
問題焦点型コーピング:
ストレスの原因となる問題そのものに働きかけ、解決しようとするアプローチ。
例えば、仕事の量が多すぎてストレスを感じている場合、上司に相談して業務量の調整を図ったり、同僚に協力を求めたりするのが問題焦点型コーピング。
情動焦点型コーピング:
ストレスフルな感情そのものに働きかけ、それをコントロールしようとする方法。
リラクセーション法を実践したり、友人に悩みを聞いてもらったりして気持ちを落ち着かせるのが、情動焦点型コーピングの例。
問題解決型コーピングは、問題の原因を特定し、解決策を見出そうとするアプローチです。
締め切りに間に合わせるためには、このタイプのコーピングが有効でしょう。
一方、どうしようもない状況では、気持ちを切り替える情動焦点型コーピングが適しています。
気持ちを切り替えて、現状に向き合っていくのです。
だからこそ、様々なコーピングの方法を知り、状況に合わせて柔軟に使い分けることが大切なのです。
なので
ストレス状況に直面したときに複数の対処法から
最適なものを選択できるよう
日頃からコーピングのレパートリーを増やしておく
ことが重要なのです。
■コーピングレパートリーを増やす具体的な方法
さて、ではどうやってコーピングレパートリーを増やせばいいのかというと、シンプルに言えばあなたに合った対処法を試して、取り入れるという方法が有効です。
運動をする、趣味に没頭する、誰かと話す、映画を見る、音楽を聞く、本を読む、お風呂に入る…
いわゆる「ストレス解消法」「ストレス発散法」も立派なコーピングレパートリーの一つになります。
ただし、大切なことは「あなたにあった対処法」が重要だということです。
運動が苦手な人にとっては、いくら運動が良いといわれても、運動をすることそのものがストレスになってしまうかもしれません。
甘いものを食べるといった対処法も、好き嫌いがあります。
なのでぜひ、「あなたに合った対処法」を見つけて下さい。
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ちなみに、アメリカ心理学会(APA)が推奨するストレスへの対処法としては以下のようなものがあります。
運動
笑う
サポートを得る
読書
音楽を聴く
散歩をする
友人や家族と過ごす
マッサージを受ける
などです。これらは研究に基づいて、多くの人にとって役立つものとして推奨されているものです。
あなたもすでに取り入れているものがあるかもしれませんね。
一方で、ストレス解消には逆効果だと指摘されているものもあるので、これらは注意が必要です。
ギャンブル
ショッピング
喫煙
飲酒
過食
ゲームのしすぎなど
これらのいわゆる「ストレス解消法」「ストレス発散法」は、先ほどの分類で言えば「情動焦点型コーピング」になります。
それに加えて、問題への積極的なアプローチ方法を学ぶことも大切です。
「問題焦点型コーピング」のレパートリーを増やす視点ですね。
例えば
時間管理術を身につける
コミュニケーションスキルを高める
アサーティブネスを身につける
仕事のスキルを高める
積極的に情報収集する
こういった対処スキルを身につけることで、ストレッサーにうまく対処できるようになります。
さらに、社会的サポートを活用することも重要なコーピング方法の一つです。
家族や友人、同僚など信頼できる人に悩みを打ち明け、サポートを求めることで、ストレスを和らげることができます。
一人で抱え込まずに、周りの力を借りることも大切なのです。
加えて、コーピングリストを作成することも、コーピングレパートリーを増やすのに役立ちます。コーピングリストとは、ストレスを感じたときの対処法や工夫を予めリスト化しておくものです。
これがまさに、あなただけのストレス対処の「引き出し」ですね。
例えば、「仕事の量が多すぎてストレスを感じる」というストレッサーに対して、
「上司に相談して業務量を調整する」
「優先順位をつけて効率的に取り組む」
「同僚に協力を求める」
「気分転換をしてから取り組む」
「一時的に仕事を保留にして、しっかりと休む」
といった具体的な対処法をリストアップしておくのです。
ストレス状況に直面した時、このリストを参考にすることで、適切なコーピングを選択しやすくなります。
また、リストを作る過程で、自分なりのストレス対処法を見つけ、レパートリーを増やすこともできるでしょう。
■まとめ
コーピングレパートリーを増やすことで、ストレスに柔軟に対応でき、心身の健康を保つことにつながります。
多くの場合「ストレス解消」や「ストレス発散」など、ストレスがたまってしまったあとに取る方法にばかり、意識が向きがちですが、そうではないのです。
様々な方法を知り、自分に合ったものを見つけていきましょう。
そのためにもぜひ、リラクセーションの方法を取り入れたり、問題解決スキルを磨いたり、サポート体制を整えたりして、自分なりのストレスマネジメント法を確立してください。
そして、ストレスフルな状況に直面した時は、それらのレパートリーの中から最適な対処法を選択し、実践してみてください。
また、コーピングリストを作成して、ストレス対処法を予め整理しておくのも効果的です。状況に応じて適切なコーピングを選べるよう、日頃からリストを充実させていきましょう。
ストレスと上手に付き合い、メンタルのバランスを取ること。
健康で充実した人生を送るためにも、コーピングレパートリーを増やすことを心がけましょう。
できることから始めて、徐々にその範囲を広げていくことでまず、今のあなたのコンディションを整えることができます。
その上で、理想の未来に向けてあなたのスキルを高めていきましょう。
もしあなたが、今すぐコーピングレパートリーを増やして、ストレスに対処できるようになりたいと思われていたら、こちらをぜひご確認下さい
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