実はとても大切な行動シリーズ1〜手洗い洗濯〜
さやか星小学校 教務主任・第6学年担任 島岡次郎
中学校時代,私は野球に熱中していました。毎日部活の練習に明け暮れ,泥だらけになって家に帰りました。当時,私は練習用ユニフォームと試合用ユニフォームを1着ずつしか持っていませんでした。試合用ユニフォームは,まさしく試合の時しか使わないので,平日の練習は全て練習用ユニフォームでこなしていました。母は,次の日の朝練に私が練習用ユニフォームを着ていけるよう,毎晩風呂でユニフォームを洗濯してくれていました。「洗濯機で洗えばいいじゃん」と思うかもしれませんが,校庭で何度もスライディングをしたユニフォームの汚れはそう簡単には落ちません。お湯と洗濯石鹸でゴシゴシと下洗いをする必要があります。思い起こせば,私が野球をしている時期,母は風呂に入るとなかなか出てきませんでした。きっと,下洗いに時間がかかっていたのでしょう。私は母の深い愛情に溢れた行動に大して感謝することもなく,当たり前のように汚れが落ちた白いユニフォームを着て練習していました。
今,私が中学生の自分に話ができるなら,お礼も言わずユニフォームを着る頭を鷲掴みにし,「お前は今,母親の愛を着ているんだぞ!」と説教した上で自らユニフォームを洗うことを勧めるでしょう。話が逸れました。今週のテーマは洗濯です。家庭科では,「衣服の手入れで快適に」という単元で,洗濯を中心とした衣服の手入れについて学びました。最近の洗濯機は,事前に洗剤を投入しておくと,洗濯物の量から自動で最適な量の洗剤を使って洗濯してくれるそうですね。もう,人間が考える余地がどんどん少なくなっています。それでも,私のユニフォームのように下洗いが必要な場合や,小さなシミや少量の洗濯物では手洗いによる洗濯が効果的な場合も多々あります。実は手洗いは今でも獲得すべき大切な行動です。
今回,子どもたちは5時間目まで自分が着ていた体操着と靴下を洗濯しました。直前まで着ていた服なので汚れもよく分かりますし,洗濯によってどのくらい綺麗になったかも分かりやすいと思ったからです。また,体操着は乾きやすいので,自分が洗濯した体操着を次の日に着ることができるのも題材として選んだ理由です。事前のアンケートで,子どもたちは手洗い洗濯の経験が一度もないことが分かっていました。そのため,どのくらいの量の水に,どのくらいの量の洗剤を入れ,どのくらいの力をこめて,どのくらいの時間をかけて洗えば良いかを一から確認して実習を行いました。子どもたちが一番驚いていたのは,洗濯物を洗った水が物凄く濁ったことです。外から見るだけでは分からない,沢山の汚れが衣服に付いていることが,明確に視覚化されたのです。これは,洗濯機で洗濯をしているだけでは経験できない学習です。


水に対して使う洗剤の量がとても少なかったこと。洗剤がなくなるまで濯ぐのに必要な水の量が思っていたよりずっと多かったこと。体操着を一生懸命絞っても,絞っても水が出てくること。洗濯した服をハンガーにかけるのが意外に難しかったこと。自分が洗濯して綺麗になった体操着を誇らしげに眺めたこと。経験しなければ獲得できない学びが,今回の学習にも満ち溢れていました。

初めて手で洗濯をした思い出は,佐久の夏の記憶と結びついて,子どもたちの心にずっと残り続けるでしょうか。彼らが大人になった時,夏の空を見上げて思い出す出来事が,楽しく豊かな経験であればと願います。

味わう、初めての調理実習
さやか星小学校 第5学年担任 山本唯
家庭科では、調理実習で「青菜のおひたし」と「お茶を淹れよう」という学習を行いました。学校での調理は初めてでしたが、やる前から「楽しみ!」とワクワクした様子の子どもたち。「青菜のおひたし」では、茹でたほうれん草を包丁で切る際に、「いい音がする〜」というつぶやきが聞こえてきました。柔らかくも筋の残るほうれん草の感触を音でも感じ取れる子どもたちの感性がとても素敵でした。


数週間後にはお茶を淹れる実習も行いました。1回目はペアの友達と手順を確認しながら淹れ、2回目は交互にお客さん役になって淹れ合いました。合計3杯のお茶を味わった子どもたちですが、友達に淹れてもらったお茶は一味違ったようです。「とても美味しゅうございます」と手を添えて飲み、言葉遣いまで上品に変わる姿も見られました。誰かにおもてなしをすること、されることの良さをしっかりと感じ取っていたようです。

これらの調理実習の後に、お家でも早速実践したという嬉しい報告も届いています。学校で学んだ「おもてなしの心」や「調理の楽しさ」を、これからも家庭の中でたくさん発揮してくれることを楽しみにしています。
