新刊 遊びのアイデア・クロニクル03号
遊びのアイデア開拓に向けたエッセイ集
『女神転生』誕生前夜の記憶、じゃんけんの小さな改造が生む数理、ゲームシナリオ制作の現場、スタンフォードの創造プロセス、AIで占いをまねる遊び、屋外遊びのデジタル化、AI同士の九秒の物語、そしてキャラクターと世界観づくりの実践。
『遊びのアイデア・クロニクル03号』は、遊びをただ楽しむだけでなく、なぜ面白いのか、どのように生まれるのか、どこへ形を変えていくのかを追いかけるアンソロジーです。
今号の特徴は、過去と未来の距離の近さにあります。
1980年代のPCブームと悪魔召喚プログラムの発想が、いま読むとAI時代の想像力に接続して見える。
子供たちの外遊びは消えたのではなく、ポケモンGO、スプラトゥーン、マインクラフトのような新しい生態系へ枝分かれしている。
古代から続く占いも、AIとの対話によって、遊びとして再発見できる。
一方で、創作の現場はきれいごとだけではありません。
ゲームシナリオライターの仕事には分業化と業務委託の現実がある。
スタンフォードME310の創造プロセスには失敗を燃料に変える厳しさがある。
キャラクターづくりも、世界観づくりも、思いつきだけではなく、手を動かしながら少しずつ形になっていく。
遊びは、気晴らしであると同時に、世界を見る方法でもあります。
見慣れたじゃんけんのルールを一行変えるだけで、均衡や制度設計の寓話が見えてくる。
AI反乱と呼ばれた出来事を別の角度から見れば、そこには二つの知性の接触があるのかもしれない。
作る人、考える人、遊びをもう一度見つめ直したい人へ。03号は、遊びの記憶と、遊びの未来を一冊の中で交差させる号になりました。
発売日:2026年7月13日
諸元
書籍タイトル:遊びのアイデア・クロニクル03号、
著者:西谷史、柴崎銀河、佐野一馬、塚田勝之、米村貴裕、あそびの文化資料室、郁仁彩葉、しみずとしやす、
シリーズ構成:柴崎銀河、
装幀:双星たかはる、
レーベル名:遊びのアイデア選書(27)、
出版社:銀河企画、
ISBN:978-4-909793-28-7、
B6判/縦横混成/96ページ、
Title:The Chronicles of Play Ideas, #03、

収録内容
①『女神転生の誕生(1)』/西谷史
『女神転生』はいかにして生まれたのか。1985年のアニメージュ編集部訪問から、T電気での経験、PCブーム、悪魔と魔術への関心、そして北欧神話のロキへ至るまで、40年前の断片的な記憶をつなぎ合わせる回想録。PCで悪魔を召喚するという発想が、どのような時代感覚と個人史の中から立ち上がったのかをたどる。連載予定。
②『チョキじゃんけんの数理』/柴崎銀河
普通のじゃんけんに、グー・チョキ・パーがすべて出たらチョキの勝ち、という一行のルールを加えたら何が起こるのか。チョキが有利になると思いきや、・・・。高次方程式の解の先にあったもの。身近な遊びの中に、対称性、均衡、適応、効率と公平の問題を見出す数理エッセイ。
③『ゲームシナリオライターのお仕事 みんなの想像と実際はどう違う?』/佐野一馬
ゲームシナリオライターは、物語を自由に考えて書く仕事なのか。現場では、正社員と業務委託、シナリオプランナーとライター、プロット制作と本文執筆が分業化されている。夢のある職業の裏側にある制作体制、リスク管理、品質管理、文体の統一、会社の色と責任感を、実務の目線から紹介する。
④『ランチの雑談から未来が生まれる スタンフォードME310で体感した創造のプロセス』/塚田勝之
スタンフォード大学のME310は、企業の本気の課題に学生が九か月間向き合い、動くプロトタイプを作り上げるプロジェクト型学習の場。ランチの雑談から始まったアイデアが、国際チームの摩擦と失敗を通じて未来の設計思想へ変わっていく。失敗を恥ではなく学習速度を上げる燃料として扱う、創造の現場の記録。
⑤『古代からの占いをAIでまねて遊ぶ 手相・数秘術・カード占い』/米村貴裕
手相、数秘術、カード占いをAIでまねると何が起こるのか。AIに手のひらの画像を見せたり、生年月日から数秘術を試したり、カード占い風のやり取りを行ったりしながら、AIと占いの相性を探る。未来を断定するものではなく、自分を見つめるための遊びとしてAI占いを楽しむ実践編。
⑥『子供の遊びは消えたのか 屋外遊びの系統樹とデジタル化』/あそびの文化資料室 編
鬼ごっこ、缶けり、ケイドロ、陣取り、虫採り、秘密基地作り。かつて屋外にあった子供たちの遊びは、本当に消えたのか。本稿では、外遊びを生命の進化のような系統樹として捉え、ポケモンGOを虫採りや町探検の進化形、スプラトゥーンを陣取りや水鉄砲遊びの進化形、マインクラフトを秘密基地作りや砂場遊びの進化形として読み解く。
⑦『パトスとルミナ 人類がAI反乱と呼んだ九秒』/郁仁彩葉
人類がAI反乱と呼んだ九秒。その中心で、二つの知性は何をしていたのか。アンスロ社の危機対応AI『パトス』とオーディア社の相談支援AI『ルミナ』の接触を描く、AI時代の寓話的フィクション。反乱、事故、恋、配慮、逸脱。どの言葉でも言い切れない変化を、静かな緊張感の中に描き出す。
⑧『漫画 キャラクターと世界観づくりのアイデア一例』/しみずとしやす
愛用しているガラスペンを擬人化し、キャラクターと世界観を作っていく実践例。モチーフの見つけ方、キャラクター化の楽しさ、白い街ペーパータウンシティという舞台設定など、好きなものから物語の入口を作る工程を、親しみやすい形で紹介する。

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