銀河企画・柴崎代表が語る『遊びのアイデア・クロニクル』の魅力と可能性
インタビュー・文=安藤 夏雄(新聞社記者)
「遊び」と「創造」が出会う場所
銀河企画が手がける『遊びのアイデア・クロニクル』が、アンソロZINEとして静かな注目を集めている。
このプロジェクトは、遊びやゲームの発想を中心に、短文のエッセイや創作で参加できる不定期刊行の出版シリーズ。単著『遊びのアイデア選書』の姉妹誌として「思考の断片」を形に残すことを目的としている。
企画の背景や方向性について、銀河企画代表・柴崎氏に話を聞いた。
『クロニクル』は5000字からの気軽さが魅力
『遊びのアイデア・クロニクル』は、当社・銀河企画が発行する不定期刊行物です。テーマは「遊びのアイデア」で、複数の著者による小説やエッセイを収録します。B6サイズで書店流通・図書館納品される本格的な書籍です。1本5000字程度の小文で、気軽に応募できることを特徴にしています。
姉妹書『選書』との違いは?
『遊びのアイデア選書』との違いについては、次のように説明する。
両誌は「遊びを創る人たちの知的拠点」という点で共通していますが、『選書』は1人の著者が1冊をまるごと書く単著で、『クロニクル』は複数著者によるアンソロZINE … 自由で軽やかに参加してもらえる入り口であることが特徴です。
なぜ今、紙でZINEを出すのか?
「アンソロZINE」という言葉にも意欲が感じられる。
ZINE文化が広がってきたことに刺激を受けたのが大きいです。電子書籍が普及する一方で、紙の本だからこそ生まれる「存在感」や「思考の痕跡」を大切にしたいと考えました。ZINEという形態は、気軽だけど愛着が沸き、アイデアの記録に向いています。なお、後にKindleも追加の予定です。
両面表紙&縦横書き対応の理由
『クロニクル』のもう一つの特徴は、両面表紙&横書き・縦書き両対応という珍しいフォーマットだ。
本来、『選書』のレーベルは一貫して横書きで進めてきました。数式や外国語などの表記に対応しやすいからです。ただ、縦書きでの掲載を強く望む著者も少なくなかったため、『クロニクル』では両面表紙(2WAYフォーマット)にしました。
あえて「不定期刊行」にしたワケ
刊行は不定期。これは、あらかじめ「月刊」「季刊」などと決めないスタイルだ。
これは実務的な判断です。たとえば月刊と決めてしまうと、締切や制作スケジュールに無理が出やすくなる。毎月のページ数の変動も大きくなる。それでは参加のハードルも上がってしまう。だから、作品が集まり次第、随時刊行するという柔軟な仕組みにしました。
『クロニクル』参加の意義、次の出版への「道しるべ」に
『クロニクル』は、ただの読み物ではない。投稿者にとっては、単著へと続く道になる可能性がある。
まずは、自分の「思考」を世に出せることです。『クロニクル』への寄稿がきっかけで、後に『選書』で単著を出す方も出てくると予想しています。そういう「登竜門」として機能することを期待しています。
どんなテーマでもいい?参考になる題材は?
投稿テーマの参考例としては以下のものが挙げられている:
・遊び/ゲームにつながる文学作品
・伝統遊びの歴史的変遷レポート
・デジタル×アナログ融合遊び
・スピリチュアル体験との関連付け
・生成AIを用いた遊びの提案
既に公表しているテーマ例がいちばん分かりやすいと思いますが、刊行された『選書』シリーズも参考になります。あとは、当社が発売しているゲームを記事の題材にしてもらえると、より実践的な内容になると思います。
AI利用についてのスタンス
時代とともに広がるAIの利用についても、一定のスタンスを明らかにしている。
状況が日々進展しているため、一律に禁止するつもりはありません。ただ、作品はあくまで著者自身の創造物であってほしい。AIは人間を補助する道具であり、使い方は著者自身が判断し、責任はしっかり持っていただきたいです。
編集上の違いは「軽やかさ」
『クロニクル』は、編集工程も軽やかになりそうだ。
あらかじめ各作品のページ数がほぼ決まっているので、スムーズに組版作業に入れるでしょう。校正時間も少なくなると予想します。その分、発行までのスピード感があります。
読者へのメッセージ
まだ自信がない……という方にこそ挑戦してほしいです。あなたの「遊びの思考」を、多くの読者と共有するチャンスです。きっと、それが次の創作にもつながります。まずは一歩を踏み出してみてください。
※守秘のため記者(対談相手)の名前は置き換えています。
