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ゴールドコーストの沖200km、海鳥調査!その2

こちらの続きです。こちらの記事では、船の詳細や、ウミツバメ類に関することを書いてきました。

今回は後編ということで、ミズナギドリ類とトウゾクカモメ類、そのほか海鳥について、写真多めでご紹介します!

3/13(2日目)

早朝、甲板に出ていくと、オナガミズナギドリ(Wedge-tailed Shearwater)が飛び回っているのが見えます。オーストラリアで見られるのは、ほとんどが暗色型です。

オナガミズナギドリ(2025/3/13)
今回の優占種の一つ
オナガミズナギドリ(2025/3/14)
ちょうど日本に飛来する暗色型のオナガミズナギドリについて調べていたので、換羽状況がとても勉強になってよかった…!全体的に羽が擦れていて、繁殖終盤の成鳥と思われる個体。

そして、セグロシロハラミズナギドリ(Tahiti Petrel)やハイガオミズナギドリ(Gray-faced Petrel)も!船を止めているとミズナギドリの数はどんどん増えていき、4-50羽ほどが飛び交っています。どの種も翼が長く大型のミズナギドリ類なので迫力があります。ハイガオミズナギドリに混ざって、数回ハジロミズナギドリ(Solander's Petrel)が船のそばを通り過ぎていきます。

セグロシロハラミズナギドリ(2025/3/14)
日本で初記録の報告を書かせてもらった個人的に思い出深い鳥。
嘴の大きさは亜種間で違いがあり、オーストラリア沖でも見られるニューカレドニアで繁殖する亜種のほうが大きくてがっしりした嘴をしている傾向にありますが、オーバーラップもあるため、一概には言えません。
セグロシロハラミズナギドリ(2025/3/13)
ここまで激しく換羽をしている個体は初めて見たかも。
セグロシロハラミズナギドリ(2025/3/14)
こちらも激しく換羽している個体。嘴がかなりゴツイ個体。
ハイガオミズナギドリ(2025/3/14)
ハジロミズナギドリよりも全体的にゴツイです。色はより褐色みが強く、翼下面の白いパッチはほとんど目立ちません。
ハジロミズナギドリ(2025/3/14)
ハイガオミズナギドリよりも灰色みのある体色や、はっきりとした翼下面の白斑で、現地では意外と簡単に見分けることができました。
目の後方の羽が抜けて?模様のようになっていてかわいい。

時々トウゾクカモメ類が船の近くに来て、様子を見ていきます。特にシロハラトウゾクカモメ(Long-tailed Jaeger)が多く、日本ではなかなか見る機会のない、色々なバリエーションの非生殖羽を見ることができました。

シロハラトウゾクカモメ(2025/3/14)
シロハラトウゾクカモメ(2025/3/14)
シロハラトウゾクカモメ(2025/3/14)
シロハラトウゾクカモメ(2025/3/13)
シロハラトウゾクカモメ(2025/3/13)
一つ上の画像と同一個体?

夕方、アカアシカツオドリ(Red-footed Booby)が来て船にとまりたそうにぐるぐる飛び回っていました。

アカアシカツオドリ(2025/3/13)
換羽サイクル2サイクル目の若鳥。
翌朝船首にとまっており、お礼も言わずに沖へと消えていきました。

日暮れ後、メンバーの一人が持ってきていたサーマルカメラを覗かせてもらうと、まだまだかなりの数の海鳥が船の周りを飛び回っているのが確認できました。すごい!!!形や飛び方から、セグロシロハラやハイガオ、オナガナギ、アシナガウミツバメなどなど…、種の識別も十分にできます。
サーマルカメラ、ほしいいいい。

月がめちゃくちゃ明るくてすてきな夜でした。

3/14(3日目)

前日の場所から少しポイントを変えて調査を始めると、ここではカワリシロハラミズナギドリ(Kermadec Petrel)が多くみられました。暗色型から淡色型、換羽しているものなど、色々な羽衣の個体を観察でき、良い経験になりました。

カワリシロハラミズナギドリ(2025/3/14)
ちょっと薄めの暗色型
カワリシロハラミズナギドリ(2025/3/14)
腹だけ白い淡色型
カワリシロハラミズナギドリ(2025/3/14)
頭まで白い淡色型。換羽中の個体なので、頭部は擦れてより白っぽく見えている可能性もある。
カワリシロハラミズナギドリ(2025/3/14)
暗色型上面。初列風切内側が換羽中
カワリシロハラミズナギドリ(2025/3/14)
暗色型上面。風切がきれいにそろっている個体。

日本人的には、見られるとかなり嬉しいクビワオオシロハラミズナギドリ(White-necked Petrel)も現れました!一度船に近づいてきたものの、すぐにUターンして離れてしまいました。

クビワオオシロハラミズナギドリ(2025/3/14)
日本の船上でもしばしば議論になるように、今回も「バヌアツだったりして?」という希望を込めた会話がありました。しかし、本個体は体が大きく、嘴もごつく、初列風切下側への白の入り込みも大きく、翼下面の黒線も薄め…、文句なしのクビワオオシロハラミズナギドリでした。

また、オーストラリア東岸沖では稀なアナドリ(Bulwer's Petrel)が現れ、船上は盛り上がりました。

アナドリ(2025/3/14)
中央太平洋か日本かインド洋か、いずれかの繁殖地からきているものと考えられる。体サイズは大きく見えたことから、中央太平洋で繁殖する個体群である可能性は低そう。顔つきはインド洋出身っぽいがはたして。。。

コグンカンドリ(Lesser Frigatebird)が高空を飛んでいるなあ~とみんなで眺めていたら、船の近くに急降下してきてびっくりしました。

コグンカンドリ(2025/3/14)
グンカンドリに襲われる気持ちがちょっとわかる…かも。

アカオネッタイチョウ(Red-tailed Tropicbird)に凝視されるという貴重な体験もありました。

アカオネッタイチョウ(2025.3.14)
船の上空にしばらくとどまり、大きな目でこちらを見ていました。
アカオネッタイチョウを撮る我々、我々を見るアカオネッタイチョウ

途切れることなく色々な海鳥が現れ、非常に名残惜しいですが、そろそろ引き上げる時間となりました。
16時ごろに沖を出発し、約200km離れたゴールドコーストの港を目指します。

穏やかな夕暮れの海を、船はぐんぐん走って帰ります。

3/15(4日目)

船は深夜3時ごろには港に入っており、この日は早朝下船するだけです。忘れ物のないように、お世話になった船室を片付け、船をあとにします。

今回感じたこと

まず、調査チームの方々の熱量の高さに驚かされました。泊りがけで、200kmもの沖合で海鳥調査を行う…。それだけでも、人員の確保や天候との兼ね合い、下準備などなど…、かなり大変な労力であろうことが想像できます。それを毎月!行っておられるのですから、本当に素晴らしいとしか言いようがありません。データもかなり細かく取っておられ、出現状況を可視化できるウェブサイトもあったりと、とにかく素晴らしいです。
すごすぎてちょっと圧倒されてしまった感もありますが、自分たちもなんとかできることをコツコツと頑張っていきたいと思うのでした。

そして、海鳥の種類の豊富さがすごい!ということです。もちろん時期による変動もありますが、今回はウミツバメ6種類、ミズナギドリ類、グンカンドリ・ネッタイチョウ類などなど、たくさんの海鳥を堪能することができ、正直めちゃくちゃ楽しかったです。とくに、今回記録されたウミツバメ類の多くは、このクイーンズランド海山での調査が始まる前は、当海域の分布は全く知られていませんでした。今まで知られていなかったような海鳥の豊富な場所を見つけ、継続的に調査されている。。。本当にすごいことです。

オーストラリアの調査チームの皆さんには、大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。この海域の調査では、今後もいろいろと面白いものが出てきそうで、目が離せません!

当海域の海鳥の出現確率を可視化しているサイト↓


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