おわりに|働いた 先の幸せ 願いつつ|【働くを詠む #16】
こんにちは、北風太陽です。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
本連載では、組織力とは何か、人が動く構造とは何か、
そして組織をどう診るのかを整理してきました。
ここで私が伝えたかったのは、
決して新しい理論や施策ではありません。
エンゲージメント、心理的安全性、1on1、MVV――
どれも、誰かが真剣に向き合い積み重ねてきた大切なものです。
ただ、それらが「何のために、どこに効くのか」が
つながらないまま導入されると、
現場では「また新しい施策か」と疲弊し、
やがて形骸化していきます。
「人が動く構造」は特別な理論ではなく、
日々の職場で自然と表れているものです。
その構造に照らすことで、様々な取組みや施策が、
「本来の目的とどう関係し、どこに課題があるのか」が、
きっと見えてくるはずです。
学術界・産業界の知見が、人事部門を通じて現場に届き、
働く人の実感につながっていく。
そんな循環が生まれることを、私は心から願っています。
それこそが、学術界・産業界、人事部門、
そして現場で働く人たちに
とっての「三方よし」につながると信じているからです。
私の私欲と公欲
今振り返れば、5年前、悶々としていたときに
書いていたノートのメモが残っていました。
「世の中にまだない方法で、誰かの困りごとを解きたい」
そして、
「それが、誰かの喜びにつながる瞬間を、一人でも多く生みたい」と。
今となれば、それこそが、
仕事に対する私の「私欲」と「公欲」でした。
仕事が変わったときには、
いつも自然とこの欲を仕事に重ね合わせ、
前に進んできたように思います。
仕事が変わっても、自分の「欲」を重ねることはできます。
それこそが、この連載を通じて、
私自身も改めて気づかされたことでもありました。
現場で働くあなたへ
異動や転職、或いは時代の変化で仕事が変わっても、
自分の「公欲」と「私欲」を新しい仕事に
重ねることができれば、
人はまた、自ら動き出すことができます。
それこそが、「人が動く構造」の持つ本当の力です。
だからこそ、一度立ち止まって、自分自身に問いかけてみてください。
「自分は何のために働いているのか」
「何に意味を感じ、何を求めているのか」
その答えは、誰かが用意してくれるものではありません。
ただ、自分自身を素直に見つめ直す、
その「自己理解」の中にこそ、
少しずつ見えてくるものだと思っています。
あなたの欲は、何ですか。
一度、静かに振り返ってみてください。
働いた 先の幸せ 願いつつ
私が願うことは、ただひとつです。
現場で働く一人ひとりが、自身の公欲と私欲を仕事や組織に重ね、
「動かされる」のではなく、「動きたくて動いている」と
感じられる日が、少しでも増えていくこと。
人的資本経営、ジョブ型雇用、人財の流動化、そしてAIの時代。
私たちは改めて「人はなぜ動くのか」という根源的な問いに
向き合う時代を迎えています。
だからこそ、
人が実際に経験し、その経験から思いを育み、
その思いを次の人へつないでいくことの価値は、
これからますます大きくなるのではないでしょうか。
この連載が、
40年の経験から育まれた思いを、
次の世代へつなぐ小さな架け橋となれば幸いです。
本連載はこれで最後の記事となります。
出会ってくださったすべての皆さんへ、心から感謝を込めて。
今まで、読んでいただき、本当にありがとうございました。
心のどこかに引っかかる言葉や、共感する川柳が一つでもありましたら、
スキやフォロー、そしてコメントであなたの体験も教えていただけたら嬉しいです。
マガジン【働くを詠む】(全17編3章構成)
前回【働くを詠む #15】
対話とは 話し合いだと 思い込む
#働くを詠む #人が動く構造 #組織力 #創作大賞2026 #ビジネス部門
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