婚約破棄を決めた日、私は強くなった①
#0 序章
私は、大人になったら、仕事をして、結婚して、家を買って暮らしていると思っていました。
いや、正確には、思い込んでいただけでした。
人生は思ったようにいきません。
結婚をすることができなくなりました。
理由を公言するのが憚られます。
ただ、彼が元通りになる可能性は低いです。
だからきっと多くの人は同じ判断をするでしょうし、
そんな相手とは別れて、別の相手を探した方が良いと言うでしょう。
第三者だった時は、冷静に考えられるのに、いざ自分ごとになると難しいですね。
この先に二人で作れる温かい日々はやってこないこと。
悲しくなることも多いですが
私は私で前に進んでいかないといけないのです。
彼自身の幸せと私の幸せが別の場所にあったとしても
今はただ、彼の幸せを願っています。
#1 出会い
彼と私が初めて会ったのは、7年くらい前の春でした。
初対面の時の印象は、これと言ってないけれど、深く知るにつれて、
周りへの気遣いが出来て、叱るというよりも諭す人で、
なぜその行動を取ったのか、今後どうしたら良いのかという問いかけは
自然と内省する機会を増やしてくれました。
10代の若い頃、色んな経験をしたから、不思議と発言に説得力があるような、
一言で説明するのは難しいけれど、
当時の私には、精神的に成熟した大人に映りました。
#2 一時の別れ
出会ってから2年後、私は別の仕事が決まり、更にその後引っ越しをしました。
それからまた2年後、彼も退職したので、連絡を取る術も会う術も無くなりました。
ここまで惹かれる人にはもう会えないだろうと思って恋愛をする気になれなかったし、日々の生活に追われて、それどころではありませんでした。
ちょうどこのnoteにも書いた「最後の恩返し」(面会に行く日々)をしている時期と重なっていました。
#3 発覚
初めて会った日から6年が経ち、再会を経て、彼と婚約をしました。
しかし後に知ったのは、その約2年前から友人とも交際していたという事実でした。
きっかけは、些細なことでした。
偶然、友人のSNSを見つけて事実を知りました。
当時は、いつから恋愛関係になっていたのか分からず、
何度もSNSに書かれている文章を読んで
きっと違う人だと言い聞かせていました。
だけど友人の文章に出てくる彼と、いつも近くにいる彼との類似点が多すぎて、
違う人だとハッキリ否定できず
私のどこが彼女として足りなかったのか・・・
と答えの出ない問いをずっとしていました。
彼が飽きるほど「結婚したい」と言っているのは
私ではなく友人だったし、
週に何度も会い、肉体関係になっている
友人の方が相応しいのではないかと思いました。
#4 現実を受け入れるまで
どう頑張っても、彼の1番にはなれない。
その事実は、どんなに普段、彼が近くに居ても、声を聞いても、姿を見ても
時間が経っても変わらない事実のままでした。
自分の見る目の無さを恨んだし、彼の行動に深く傷つきました。
それまでの過去を振り返り、見えてきたことがありました。
知り合った頃の彼は、何度も--
「将来どうするの?」
「どこに引っ越すの?」
「将来はまぁ・・・どうなるんだろうねぇ(ニヤリ)」
まだ何も決まっていない未来について聞いてきました。
この質問をする時の彼は
なぜか決まって、どことなく寂しそうな顔をしていました。
私は、多分、気にしてくれていたことに自惚れていただけで、
彼にも将来を選ぶ選択肢はあること、
幸せになる権利もあること、
交際相手を縛ることは、彼自身を縛ることでもあること、
そこまでの権限はないことを
彼と友人の二人から学んだように思います。
#5 それぞれの道へ
彼が別の人を選んだという事実が、
この関係に終止符を打つことを決心させました。
でも、その直後に彼が取った行動が
友人との関係も、誰との関係も、続かないものにしてしまったので
最初の頃の彼を知っている身として
一人でこれからを歩いていくことに寂しさを感じます。
結婚することは、自分の人生を半分その人に預けることだとどこかで思っていたけれど、自分の人生は自分のものだから誰かに委ねるものではなかったのです。
私は、勝手に一人で勘違いして、自分の人生を預ける人ができたことに安心していました。
「自分の人生の責任は、自分で負うもの」
婚約破棄にならなかったら、ずっと一番大事なことに気付けないままでした。
「これからの人生が充実することを心から願っています。」
かつて彼が言っていた言葉です。
これから先、隣にいるのが彼ではなくて、私ではなくて
お互いに別の誰かであっても、
この痛みを強さにして、
彼と出会った当初よりも強くなった心と共に
自分の人生を生きていきたいです。
〜 婚約破棄を決めた日、私は強くなった① 完 〜
