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【#8】採用DDという武器との出会い:PEファンドが採用力を「投資判断」で見る視点

採用DDという仕事を初めて経験した時、私はある種の衝撃を受けた。
「採用を、こういう視点で見るのか」

PEファンドやコンサルティングファームがM&Aの際に実施するデューデリジェンス(DD)は、財務DD・法務DD・ビジネスDDというのが一般的だ。
採用DDは、そのビジネスDDの中の一つとして位置づけられることが多い。
しかし、採用DDを真剣にやろうとすれば、それ単体で相当の専門性が必要になる。

PEファンドが採用力で見るポイント


採用DDで実際に評価する項目は多岐にわたる。大きく分けると以下のカテゴリーになる。

採用要件の明確さ:どんな人材が必要か、なぜその人材が必要か、が言語化されているか。

採用市場における競争力:給与・労働条件・職場環境が市場と比べてどうか。競合他社と比較した時の採用上の優位性・劣位性は何か。

採用プロセスの効率性:応募受付から内定・入社まで、どこでどれだけの時間とコストがかかっているか。ボトルネックはどこか。

採用体制の実態:採用担当者の専門性・工数・ツール活用状況はどうか。属人化していないか。

定着・戦力化の仕組み:採用して終わりではなく、入社後の受入・育成・定着の仕組みが機能しているか。

これらを総合的に評価し、「この会社の採用力は投資後の成長計画を支えられるか」を判断するのが採用DDだ。

採用DDは、経営の「健康診断」


私は採用DDを「企業の採用力の健康診断」と呼んでいる。
健康診断と同じように、自覚症状がなくても問題が潜んでいることがある。「採用は特に困っていない」という経営者の会社で、DDを実施すると深刻な構造的問題が見つかることが少なくない。

逆に、採用DDを通じて「この会社の採用力は投資後に急拡大する事業を支えられる」と確認できれば、それは投資判断における大きなポジティブ材料になる。
M&A・投資・アライアンスを検討するすべての経営者・投資家に、採用DDという視点を持ってほしいと思っている。

採用コンサルタントとして今思うこと
採用DDの需要は、確実に高まっている。
人的資本経営の開示が上場企業に求められるようになった今、「採用力」は財務指標と並ぶ経営の重要指標になりつつある。PEファンドだけでなく、大企業同士のアライアンス・事業承継・経営改善のあらゆる場面で、採用DDの必要性は高まっている。
採用DDの専門家として、この領域で日本の経営の質を上げることが、今の私のミッションだ。

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