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退職金はいつ振り込まれる?時期の目安と、"受け取る前に"必ず出す1枚(令和8年度)

退職の日が近づくと、「退職金は、いつ振り込まれるのだろう」と気になる方は多いと思います。まとまったお金だからこそ、入金の時期が読めないと予定が立てにくいですよね。

じつは退職金は、給与のように翌月きっちり、とはいきません。そして、振り込まれる「前」に確認しておくだけで、あとの手間や払いすぎを防げることがいくつかあります。時期の目安と、受け取る前に押さえておきたいことを、順番に整理します。特定の金融商品や投資をおすすめする話ではなく、制度としての受け取り方の話です。

① いつ振り込まれる?——目安は「1〜2か月後」、ただし経路で変わります

退職金の支払い時期は、法律で「退職後◯日以内」と一律に決まっているわけではありません。多くの会社では、就業規則や退職金規程のなかに支払い時期が書かれていて、その定めに従って振り込まれます。実務では、退職から1〜2か月後に振り込まれるのが一般的です。

給与と違ってすぐ振り込まれないのは、退職金は勤続年数の確認や税額の計算をしてから支払うため、ひと呼吸置く手続きが入るからです。

そして、意外と知られていないのが、「どこから支払われるか(経路)」で時期が変わることです。

  • 会社が自社で積み立てているタイプは、会社から直接支払われます。上の「1〜2か月」の目安にあたるのは、主にこの形です。

  • 中退共(中小企業退職金共済)や、企業年金基金・確定給付企業年金・企業型DCなど、外部の機関を通すタイプは、会社ではなくその機関から支払われ、退職した本人が請求の手続きをする必要があります。たとえば中退共の場合、請求書が受け付けられてから振込まで、おおむね4週間〜2か月半ほどかかり、振込予定日の約2週間前にハガキで通知が届きます(掛金の納付確認を待つため、幅があります)。

まず確認したいのは、自分の会社の就業規則または退職金規程です。「支給時期」「支払方法」の項目に、いつ・どの経路で・一括か分割かが書かれています。手元になければ、人事・総務の担当部署にたずねれば教えてもらえます。外部機関を通すタイプなら、自分で出す請求書の有無も、あわせて聞いておくと安心です。

② 振り込まれる「前」に確認しておく2つのこと

(1)「退職所得の受給に関する申告書」を、会社に出したか

退職金は、受け取り方によって税金の計算が大きく変わります。その計算のカギになるのが、「退職所得の受給に関する申告書」という1枚の書類です。これを、退職金が支払われる時までに会社(源泉徴収する側)へ提出しておくと、勤続年数に応じた退職所得控除が使われ、税金の精算が原則その場で終わります。多くの場合、確定申告の必要もありません。

反対に、この申告書を出さないと、退職金の全額に一律20.42%が源泉徴収されてしまいます(内訳は所得税と復興特別所得税です)。勤続年数ぶんの控除が一切使われず、本来より多く引かれた状態になります。あとから自分で確定申告をして返してもらう(還付)手間もかかります。会社側から用意されることが多い書類ですが、「出したか」を退職前に一度確かめておくと安心です。

(2)「受け取り方」に選択肢があるなら、その締め切り

会社の制度によっては、退職金を一時金(一括)で受け取るか、年金(分割)で受け取るか、その組み合わせかを、自分で選べる場合があります。この選択は、いったん決めると選び直せないことが多く、選択の届け出に期限が設けられていることがあります

同じ退職金でも、一時金と年金では手取りの金額が変わります。税金や社会保険料のかかり方が違うためです。おおまかな見当としては、退職所得控除が使える一時金のほうが、税金の面では負担が軽くなりやすいと言われます。ただし、勤続年数が短い方や、他に大きな収入・年金がある方は、年金で受け取るほうが合うこともあります。さらに、年金で受け取ると、その分が翌年以降の社会保険料(国民健康保険料など)の計算に入る点も見落とせません。どちらが自分に合うかは、勤続年数・他の収入・受け取る時期によって変わりますので、締め切りが来る前に、自分のケースで一度並べて考えておくのがおすすめです(数字を使った並べ方は、下の関連記事で整理しています)。

③ 予定日を過ぎても振り込まれないとき

規程の支払い時期を過ぎても入金がないときは、あわてずに次の順で確かめてみてください。

  1. まず、就業規則・退職金規程の「支給時期」と経路をもう一度読む(自分が思っていた時期と規程がずれていないか)。

  2. 会社から支払われるタイプなら人事・総務へ、外部機関を通すタイプなら自分の請求手続きが済んでいるかを確認する。

  3. 会社に支払い義務があるのに支払われない場合は、お住まいの地域の労働基準監督署に相談できます。

多くは事務手続きのタイミングの問題で、確認すれば予定が分かることがほとんどです。


退職金は、人生でそう何度も受け取るものではありません。受け取ってから気づいても戻せないのが、この2つです。振り込まれる前に、就業規則の支給時期と経路、そして退職所得の受給に関する申告書を出したかを、今日いちど確かめておいてください。それだけで、当日を落ち着いて迎えられます。

なお、この記事の制度の内容は、国税庁の解説(「退職金と税」ほか)をもとにまとめています。令和8年度時点の一般的な解説で、支給時期・手続きの締め切りは会社の規程によって異なります。具体的な手続きや税額は、勤務先の人事・退職金規程、または税務署・専門家でご確認ください。


【関連記事】受け取り方を「決める前」に読む1枚

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