採用広報、“いい話”だけでいいのか?─読者の方からこんなご質問をいただきました
今回、読者の方からもご質問をいただきました。
採用支援をしていると、必ずと言っていいほど「会社の良い点ばかり伝えなければいけないのでしょうか?」という質問が出てきます。採用担当者としても、あるいは経営者としても、そのジレンマは決して他人事ではありません。会社の魅力を最大限に伝えたい気持ちと、現実とのギャップ―。盛って伝えることは簡単ですが、その先に「本当に来てほしい人材」との出会いはあるのか。現場経験と実際の人材市場の温度感を踏まえ、“その会社の中にしかない核心”に光を当てます。
「良い話」ばかり伝えるべきなのか?
求人広告や採用ページ、面接の場で、「うちの会社はこんなに働きやすい」「福利厚生が充実している」「給与が高い」といった“良い話”が前面に出ている企業が数多く見受けられます。しかし、よく考えてみてください。求職者も、その“言葉の裏”を冷静に見ています。大事なのは“魅力の演出”ではなく、等身大の「自社らしさ」をどう伝えるかです。
むしろ、会社の中身が伴わない“盛った話”や“過度な条件”は、入社後のミスマッチや離職率の上昇という形で跳ね返ってきます。そもそも、「すべてが完璧な職場」など存在しません。
会社の“核心”はどこにあるのか
本当に伝えるべき“核心”は、目に見える条件だけではありません。
給与が高い、労働時間が短い、福利厚生が充実している―それだけで人は動きません。むしろ、「なぜ自分たちの会社は存在しているのか」「どんな志で事業に取り組んでいるのか」という、“会社の核”が、求職者の心に響くのです。
自社が何を提供できるのか。どんな人とどんな未来を創りたいのか。
「うちはこういう職場。こういうやりがいがある。でもこういう大変さもある」そうした“本質”を盛らずに語ることが、結局は最良の採用につながります。
求職者の“重視ポイント”は人それぞれ
実際、求職者が重視するポイントは、一律ではありません。
・給与を最重視する人
・働きやすい勤務時間を求める人
・仕事のやりがいや成長環境を第一に考える人
また、その人の性格やライフステージも影響します。
・人と関わる仕事を好む人
・一人で黙々と成果を出したい人
・育児や介護と両立したい人
こうした多様性のなかで、「誰にでも刺さる」万能な条件など、そもそも存在しません。むしろ、「うちの会社は、こういう人にフィットする」という軸を明確に持つことが大切です。
「すべての求職者に届く」必要はない
“誰でも歓迎”“何でもできます”と謳うほど、実は誰にも響かなくなるのが採用の世界です。自社の価値観や働き方にフィットする人にだけ届けばいい。すべての求職者に好かれる必要はありません。
むしろ、ミスマッチを恐れて条件や魅力を“盛る”のではなく、「うちはこういう会社です」と芯を持って発信することが、結果として「共鳴する人材」との出会いを生みます。
“本質”を明確にし、伝える力を鍛える
自社の“らしさ”や“コア”を言語化するには、経営者や現場の声、社員の日常、失敗や苦労を含めたリアルなエピソードを掘り起こすことが大切です。
・「うちの会社のここが自慢」
・「こんな時は大変だけど、みんなでこう乗り越える」
・「この瞬間にやりがいを感じる」
こうしたストーリーを誠実に語ることで、“等身大”の魅力が伝わります。
また、採用は“最初のコミュニケーション”です。入社後のミスマッチは、企業にも本人にも大きな損失となります。だからこそ、最初から“盛らずに伝える”ことが、長い目で見て双方の幸せにつながるのです。
まとめ─“会社の中”に答えがある
採用は、条件や数字を競う場ではありません。
大切なのは、「自分たちの会社らしさ」を深掘りし、それを必要としている人に、誠実に届けることです。どんな会社でも、必ず答えはその企業の中にあります。
自社の“核”を明確にし、真正面から伝える勇気―。
それが、“本当に来てほしい人材”との出会い、そして、採用した人も会社も幸せになるための最短距離だと、私は考えています。
思想と構造をまとめています。
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